矢澤俊彦著『人間復活へ―今、どうしても考えたいこと―』 借り物でない、定点観測への応答・その2 宮村武夫

2015年12月4日17時47分 執筆者 : 宮村武夫 印刷
+矢澤俊彦著『人間復活へ―今、どうしても考えたいこと―』 借り物でない、定点観測への応答 宮村武夫
矢澤俊彦著『人間復活へ―今、どうしても考えたいこと―』

前回の応答が総論的なものであるとすれば、今回は各論としての応答をしたいのです。各論の対象として焦点を合わせるのは、前回紹介した本書の全体像の第6部「鶴岡のキリスト教」、しかもそのうちの3項目だけに限ります。

第一は、「54. ああなつかし 昭和一けた時代の鶴岡 ―平和で美しい雪深い町だった―」。この文章の成り立ちも内容も興味深いものです。長く大阪で宣教牧会なさった永井修先生の小学生時代を中心とした驚くべき細密な記憶を、実に70年以上も経過して記録なさっています。

記録と記憶の関係からも、興味深い文章です。しかも、永井牧師の少年時代の記録は、この一文を通して、矢澤牧師や教会員の方々の記憶となっている事実が伝わってきます。

第二は、「56. 初代神父の故郷『ノルマンディーの霊場』百周年 ―カトリック教会天主堂の歩みから―」。この文章は、鶴岡カトリック教会天主堂百周年記念祝賀会に矢澤牧師が出席なさったときの温かみのある報告です。さらに、同じ市に存在するカトリック教会の歴史についての心開かれた考察です。そこには、建物の持つシンボリックな力に対する敬意など、自分とは全く同じとはいえない他者に対しても、そのよきものから深く学ぶ矢澤先生の基本的な態度がにじみ出ています。

第三は、「58. (紹介)『鶴岡の荘内教会宣教物語』 ―明治から昭和初期まで―」。1882(明治21)年に開拓伝道を開始し、130年近くの苦難に満ちた教会の歩みを、鶴岡の歴史と文化との関連で記述した900ページを超える著作の紹介です。

本書の特徴として挙げられている「全体に小見出しを付け、取っ付きやすく、読みやすい。また人物中心で興味がわく」との評価は、小紙が目指し、ある程度実現できている特徴と重なっている事実を見ます。さらに、両者それぞれの特徴を現実化する内なる志と意識も重なり合うと理解します。定点観測を重ねる勇士へ、エールをあらためて送ります。

■ 矢澤俊彦著『人間復活へ―今、どうしても考えたいこと―』: (1)(2)

本書に関する問い合わせは、荘内教会(電話:0235・22・8196、FAX:0235・25・7070)。

宮村武夫

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部(組織神学)修了。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。2014年4月からクリスチャントゥデイ編集長。

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