Skip to main content
2025年10月26日09時06分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム

【寄稿】このままでは幸せになれない日本人 矢澤俊彦

2015年4月5日09時14分 執筆者 : 矢澤俊彦
  • ツイート
印刷
関連タグ:イースター(復活祭)矢澤俊彦

病人讃歌の非常識

今のままでは日本人は幸せになれない。なぜなら、私たちがしがみついているものには命がないのに、だまされているからです。

こういう診断をくだしているのは、鴻池雅夫牧師。山形県の鶴岡で50年働き、この1月に去って逝かれた方です。まずこの人の本の題には驚き、いぶかしく思わせられます。すなわち、『老人讃歌』『病人讃歌』『弱者讃歌』・・・。老人や病人を讃美し、弱者になっておめでとう、と言う。こんな常識はずれの考えがあるだろうか、と思う。私たちのほとんどは、「若さがいい。年は取りたくないもの」「健康がやはり第一。病気はイャ」などと考えているからです。でもこれと正反対の見方がこの書にあるのです!

ニセの神々に酔わされ

偽りの神々とは、若さ、健康、経済(お金)、自立、スピード・・・。それに伴う能力、経歴、美貌、稼ぎ、快楽・・・こういったものをどれだけ必死に求めていることでしょう。それを持たない人は、「人間失格」であるがごとくです。でもそれを得て、本当に幸せになった人はいるのでしょうか。これが問題です。上っつらの幸せ(ヒルティ)の中を少し泳ぐことはできたかもしれません。でも不思議な充実に日々全身が包まれ、「生まれてきてよかった」と心の底から思い、突き上げてくる忘我的喜びの中で、いつでもこの世を去り逝ける、いやすでに天国への階段を昇り降りしている天使のような境涯に・・・。こんな深い幸いからはほど遠いのではないでしょうか?

超高価な粗悪品

開けてみると、煙りと消えるつぼがある。宝島に近づいてみれば、上陸不能のゴースト・タウンがある。若さも、体力も、能力も、お金も、名声も、いつどんな形で失われるか分かりません。特別のことがなくても、それらはたちまち衰え、霧のように消えていくでしょう。でも私たちは繰り返し同じものに飛びつき、人生の大半を無駄にしているのです。

悪魔たちの大笑が

そこでサタンが呵呵大笑するこの国となってしまいました。面白いように、老いも若きもワナにかかる。大津波が来たときは「しまった」と思ったけれど、大した被害に遭わなかった人々は、今は安心と、もう忘れてしまっている。厚く張った”煙幕“が抜群の効果を発揮しているからです。目隠しももう何重ですから、周囲が見えるはずがありません。良い麦より「毒麦」を食べてしまうのです。

弱くなって見えてくる

なぜ「弱者讃歌」なのか? それは、強さを求める現代人の迷妄に、弱き立場に落とされ、しがみついていたものから振り落とされて、初めて気がつくからです。そこでやっと本物が見えてきます。ニセの神々が「チェッ」と舌を鳴らして去っていく。そこで初めて真に頼れるものを求め、祈りたくなるのです。

そうだとすれば、病気や老化はなんと素晴らしいことではないでしょうか。人間になりそこなっていた自分に気づかせてくれるのですから。持てる一切をなくして帰ってきた「放蕩(ほうとう)息子」(ルカ15章)を父親が歓迎し、大祝宴を開いたように、本物の喜びがやってくるからです。

鴻池さんは、病院を「やさしさの最期のとりで」と呼び、娑婆(しゃば)では生まれにくい人間的出会いの場と考えました。認知症のお年寄と腹をかかえて笑い合うそのとき、「永遠の今」の体験をした、と記しています。私は、「真の信仰」は、もしかしたら今の教会より病院で誕生するかもしれない、と思いました。今、生かされている喜び。「チョウ1匹が飛ぶにも全宇宙が必要です」(クローデル)との思いも心に浮かんできます。

富者には分からない喜び

それにしても病み衰える前に、この深い闇を追い払うことは無理なのでしょうか? 大震災や戦争も、「何事もなかったかのように」通り抜け、平然としている人々。自分だけ生きようとする傲然ぶりです。人間はなんと怖く、勝手なものなのでしょう。敗戦の結果作った今の社会は、若く元気で、稼ぎ手でないと人にあらずといった恐ろしいものです。迷惑をかけるから、と自殺する病人老人がそれを象徴しています。

若さや健康が最高と思っている人は、弱い人を押しつぶしています。神と富の両者に仕える偽善者です。「幸いなるかな、貧しき者」。良いものを持っている人が、天国に入るのは難しい。それより「ラクダが針の穴をくぐるほうがもっと易しい」。驚愕させられたキリストの言葉も、今は納得がいきそうです。そのキリストが相手にされたのは、多くが病人、障がい者、精神病者、子どもであり、何も持たない貧民、また社会ののけ者でした。聖書はこういう人たちの喜びで満ちています。でも豊かな人たちは、見事に退けられているのです。信仰も中途半端では、みんなに重荷を負わせるだけ。味を失った塩です。この点で、宗教家はどれほど責任があることでしょう。人を救う力を持たず、世にも相手にされていないのは、この時代の社会のせいばかりではないのです。

弱き者よ、歌い踊れ

私たちはどん底から引き上げられねばなりません。目もくらむばかりの大きな喜びを得たいものです。それはもしかしたら今の時代、誰もまだ味わっていないものかもしれないのです。「弱き者よ、喜び歌え」。幸せどころか、自分が死んでいるのに気づかない、死屍累々にして阿鼻叫喚の巷なるこの国の中で、声高らかに歌おうではありませんか。老人よ、病人よ、障がい者よ、全ての弱者よ、神に叫べ、泣け、すがれ! キリストにいやがられるほど?つきまとえ! 1週間に10日、教会を訪ねよ!

さあ皆さん、これからは天国を毎日上り下りしながら、この喜びを伝える人になろうではありませんか。でなければ、伝道者を助けよう。お金をささげよう。祈ろう。みんなで今度は、弱者や病人が最も大事にされる国、喜ばしい華やいだ人々の声で町々が満ちる国にしようではありませんか!

(文・矢澤俊彦=日本基督教団荘内教会牧師・同保育園長)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:イースター(復活祭)矢澤俊彦
  • ツイート

関連記事

  • 【イースターメッセージ】歴史のただ中で三重の基点 宮村武夫

  • 【寄稿】後藤健二さんの叫びに耳傾けよう―イスラムの苦悩にふれて 矢澤俊彦

  • 隣人の足を洗えますか? 愛とへりくだりの儀式 聖木曜日の洗足式

  • 日本キリスト教文化協会連続講演会6年目スタート 初回は受難週を覚え「極みまでの愛」

  • 【聖書クイズ】イースターという表記は聖書のどこに出てくる?

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 約250校の子どもたち数千人が「主の祈り」を唱和 英イングランド

  • 「迫害下にある教会のための国際祈祷日」 WEA・JEAが呼びかけ

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 神の前に高ぶらないで生きよう 菅野直基

  • イラクで2つの歴史的教会が再開 「イスラム国」の支配から8年

  • トルコ、5年余りで外国人キリスト教徒200人以上を国外追放 「国家安全保障」理由に

  • 現代における「御言葉の飢饉」 法規制や不足で1億人のキリスト教徒が聖書入手できず

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • 冷めた心に注意しよう! 万代栄嗣

  • ワールドミッションレポート(10月24日):トルコ 静かな霊的復興―教会を生む教会へ

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • 現代における「御言葉の飢饉」 法規制や不足で1億人のキリスト教徒が聖書入手できず

  • トルコ、5年余りで外国人キリスト教徒200人以上を国外追放 「国家安全保障」理由に

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 冷めた心に注意しよう! 万代栄嗣

  • イラクで2つの歴史的教会が再開 「イスラム国」の支配から8年

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(233)宣教は主の備えから始まる 広田信也

  • 【インタビュー】ブトロス・マンスール世界福音同盟新総主事 「平和をつくる者、それが私の使命」

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.