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戦後70年

原爆投下時刻に合わせ浦上天主堂で追悼ミサ、被爆経験者の神父語る「信仰は生、戦争は死の賛美」

2015年8月10日19時43分 記者 : 土門稔
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関連タグ:浦上天主堂原爆
浦上天主堂で原爆犠牲者追悼ミサ、被爆経験者の神父「信仰は生、戦争は死の賛美」+
原爆犠牲者追悼ミサが行われた浦上天主堂(長崎市本尾町で)=9日

長崎に原爆が投下されてから70年を迎えた8月9日、爆心地から約500メートルという至近距離で被爆し、信徒1万2千人のうち8千人が亡くなったとされる浦上天主堂(長崎市)では、原爆投下時刻の午前11時2分に合わせて黙祷がささげられ、原爆犠牲者追悼ミサが行われた。

原爆投下時刻の黙祷後、追悼ミサ前には、浦上天主堂に隣接する被爆マリア小聖堂で、被爆して亡くなった人々の銘鈑の除幕式と、被爆者名簿の奉納が行われた。この小聖堂は、原爆で崩壊された浦上天主堂のがれきの中から奇跡的に発見された被爆マリア像を記念して、戦後60年の2005年に建てられ、今年建立10周年を迎えた。

追悼ミサでは、共同祈願として「長崎の原爆の日に当たり、全ての犠牲者を心にとめて祈ります。放射能による被害や困難を思い、真の平和を心から求めることができますように」と祈りがささげられた。

そして、当時13歳で被爆した川添猛神父が壇上に立ち、以下のメッセージを語った。

◇

7という数字は神様から祝福された数字です。しかし、70という数字は悪魔の響きがあります。70年前のこの日、核兵器によって人生と命をささげた方々の追悼のミサを、一人の被爆者として、皆さんと一緒にささげてもらえることを深く感謝しています。

人間は生きるという目的は皆、同じですけれども、毎日の姿は違います。海の上で生きるために漁をする人、学校に行って勉強している人、いろいろ、さまざまです。

70年前のこの時間までは、この教会の信者としての一こまがありました。60人ぐらいの信者さんたちは(8月)15日の聖母被昇天のために告解に来て、赦(ゆる)しの秘蹟(ひせき)を受けるためにいました。祈りをしていた人もいるでしょう。今から命の秘蹟を受けるために並んでいた人もいるでしょう。そして告白式には、若い浦上出身の手伝いに来ていた司祭が座っていました。

11時2分までは信者としての一こまがあったわけですが、後は皆、焼かれた骨としてこの教会に何十日か後に戻っていました。生き残った皆さんは、ここに来ていたお父さんやお母さんや子どもを訪ねてここに来て、誰の遺骨か分からないものを自分の子ども、母親として拾って帰っていったでしょう。

私は12年、この教会で暮らさせてもらいました。しかし、その時の状態を一度も聞いたことがありません。ここにいらっしゃる佐藤神父様に去年の8月9日、初めて聞きました。

よく分かります。人間というのは身に余るような出来事が身に降りかかったときに、受け止めることはできません。それは全て白紙のようになってしまいます。浦上の皆さんがそういう非常に重要なことを口にしなかったことがよく分かります。

浦上天主堂で原爆犠牲者追悼ミサ、被爆経験者の神父「信仰は生、戦争は死の賛美」
原爆犠牲者追悼ミサでは当時13歳で被爆した川添猛神父がメッセージを伝えた。

私は13歳でした。大橋を通って(爆心地の)松山町に行きかけましたけど、とても通れない。地獄の餓鬼のような姿で、浦上川沿いに必死に帰ろうとしました。よく見ました。よくこの声を聞きました。しかし、13歳の子どもがそれを受け止めて、皆さんに話すことは何もありませんでした。

よく聞かれますけれども、「何も記憶しておりません」と言うのが精一杯です。記憶していないのではない。身に余るものに出会ったとき、それは無に等しい。

ただ3カ所で生きた人間から声を掛けられました。1つは、三菱製鋼所があった浦上駅の付近。もうたくさんの遺体がそこにあった。その中の遺体を踏みました。その時に声を掛けられました。まだ生きていたのです。「おい君は、長商の生徒か」。先輩だったのでしょうね。「はい」と言ったら、「ポケットに乾パンが入っているけん、取ってくれ」と言って息を引き取られました。

2番目は、何時間この浦上の中を走り回ったのか分かりませんが、ようやく抜け出して長崎駅に着いたとき、たくさんの人たちが集まっていました。そして出てきた私を取り囲んで、「中はどうなってるとね」と聞きました。私は五島弁で「多分、もう何もなかばい」と一声だけ言ったような気がします。それは親を思い、子どもを思い、家族を心配して浦上に入ろうとして入れない人たちの声でした。

最後は大波止で声を掛けられました。昔でいう巡査さん、今で言うならば警官。「おいこら、きさまはこの非常時に裸足で、裸で、何という格好をしとるか」と、私を今にも殴りそうな剣幕で言いました。

これが生きた者から、その日声を掛けられた3つのこととして覚えています。今日ここに来るときにそれを思い出しました。嫌な思いがしました。警官があちこちにいて、「どこに行きますか。どこから来ましたか」と聞かれる。何で私たちが死者を追悼するのに何でそんな風に聞かれなければいけないのか。罪人ではないのに。後で考えてみると、権力者がここに来ているからだと気付き、ああ、そうなのかと。

それが最後に聞いたあの大波止で巡査から聞いた言葉と重なり、何とも言えないむなしい思いがして、こちらに来ました。

もう一つ。兄弟であるキリスト信者がどういうふうにその時に動いたかも、知っておくべきだと思います。自分たちもそれなりに被害を受けながら、主任司祭であった神父様の行方が分からず、各地から信徒さんたちが神父様の行方を捜しにここに参りました。皆様は浦上の人たちは自分のことで精一杯であるといことを直感的に知っておりました。

そして最後に大浦から来た信者さんたちが、このがれきをぼんやりと見ているときに、ハエが出入りしている場所があったらしい。変なもんだなと思ってそれを取り除いたところ、そこに主任司祭の遺体があったということです。信仰における兄弟たちがその時どう覚えたかも重要なことです。

浦上天主堂で原爆犠牲者追悼ミサ、被爆経験者の神父「信仰は生、戦争は死の賛美」
原爆で倒壊した浦上天主堂(1946年1月)

その時代にはどんな組織もありません。しかし、人間は何を読み解くかが大きな問題です。この証言は、佐藤神父様にお聞きしたものです。

私たち被爆者はその後、声を上げました。核兵器反対、戦争だけはしてはならん。

今もう原爆の証言をする人たちが少なくなり、年寄りがどう継承するかが問題になっていますけれども、数が少ないとか、継承の問題ではない。70年間たくさんの被爆者とそして皆さんが声を上げました。しかし、この声は世界には届いておりません。世界はおろか県庁を変えるようにまでも届いていない。むなしいです。これだけの声を上げながら。

日本で今、怪しげな法案を早く通そうと議会で決めようとしているなど考えることすらできない。だから、声の数の問題ではないのですね。どういう風に受け取ってもらえるのか。

多分、私たちが核兵器反対や戦争反対を唱えると同時に、被爆者の後遺症、差別や偏見の援護・救済を求めたその声だけが、何らかの恩恵にあずかるものとして私たちは受け取られたのでしょう。数の問題ではないのです。そこにさえも届いていなかった。あれほど70年間叫んだのに。それは聞く人、叫ぶ人のどこかが食い違っていたのかもしれません。

今日の聖書朗読(列王記上19:4〜8)は大変重要です。偶像礼拝を攻撃した預言者エリヤ、それに腹を立てた王妃イゼベルが預言者の命を狙う。逃亡生活に疲れた預言者は言いました。「もう疲れました。神様、私の命を取ってくれ」と。その時、神の使いは言いました。「起きて食べよ」。そして、「目的地まで歩き続け、モーセが十戒をあずかったホレブの山まで歩け。その次の言葉そこでお前に伝える」と。

福音書はもっと分かりやすい。神は命のパンとなって、私たちがあずかっているこの世にやって来られたと言う。私を食べる者は永遠に生きると言う。

「わたしは命のパンである」(ヨハネ6:48)
「わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである」(ヨハネ:6:51)

私たちの信仰は、私たちの神を生かすためです。私たちの信仰は生きることが中心です。しかし、戦争はまるっきり反対です。王を殺した者が勲章を受けて賛美される。そして、自分たちも、国のためとか、何とかのために死ぬことが賛美される。戦争というものは、死が賛美されるものです。私たちの信仰とはまるっきり反対です。本当にまるっきり反対です。

核兵器があって戦争が起こったのではありません。戦争があって人を殺して賛美されるために、核兵器ができたのです。順序を間違えないでください。

私たちは今日、こうして人生の途中で神を必死に愛してこの世の命を絶たれた方たちの追悼を行っております。どうぞイエス・キリスト様がこの方々に、今度は人間の手に掛からない、人間が決して触れることのできない命をお与えくださるように、このミサの中で祈りましょう。

関連タグ:浦上天主堂原爆
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