「ハリストス復活!」「実に復活!」 ニコライ堂で主の復活大祭

2015年4月14日19時10分 記者 : 行本尚史 印刷
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日本正教会東京復活大聖堂教会(通称・ニコライ堂)で11日深夜より行われた「光明なる主イイスス・ハリストスの復活大祭(パスハ)」で、大聖堂に入堂したダニイル府主教ら司祭たち(同教会の許可を得て撮影)

11日午後11時半から、日本正教会東京復活大聖堂教会(通称・ニコライ堂、東京都千代田区)で「光明なる主イイスス・ハリストスの復活大祭」(パスハ)が約5時間にわたって盛大に執り行われ、多くの外国人を含む200人以上の信徒が集った。

パスハは正教会の暦で中心をなす最も重要な祭りとされ、旧暦(ユリウス暦)に従って、今年はカトリックやプロテスタントなどの西方教会より1週間後に行われた。

イイスス・ハリストスは西方教会でいうイエス・キリストの中世以後のギリシャ語読み。パスハとはヘブライ語で、①旧約時代の「過ぎ越しの祭」またはその食事、②その「過ぎ越しの祭」の成就である復活祭のことを指し、この場合は後者にあたる。

午後11時21分。さまざまな国籍の参祷者たち約200人が、それぞれに火を灯したろうそくを手に持って待つ中、復活大祭の始まりを告げる最初の鐘が鳴った。起立して祈祷を行う姿勢は、「復活の生命」をかたどっているという。

鐘はその後、幾度となく鳴らされ、11時半過ぎからさらに繰り返し鳴らされ続けた。聖歌隊の合唱が始まる中、やがてダニイル府主教ら司祭たちが入堂。いよいよ復活大祭の始まりである。

このときの奉神礼(カトリックでいうミサ、プロテスタントでいう礼拝)は、夜半課と呼ばれる。これは正教会で1日を8つの時間に分けて祈る習慣から生まれた「時課」と呼ばれる奉神礼の一つである。

府主教らが正面入り口から聖堂の奥にある最も重要な場所である至聖所に入るとこの日の夜半課が始まり、前日の「聖大土曜日」の祈祷文が一部、聖歌隊と誦経(しょうけい)者によって交互に歌われ、早めの口調で朗誦(ろうしょう)された。

午後11時56分。正面入り口に大十字架を掲げた堂役(どうえき)らが列の先頭に立ち、聖歌を歌い続ける聖歌隊がそれに加わる。

「ハリストス復活!」「実に復活!」 ニコライ堂で主の復活大祭
12日午前0時過ぎに、ニコライ堂の正門から十字行に出かける参祷者たち

そして午前0時。教会の鐘が鳴り続ける中、ダニイル府主教ら司祭たちと、明かりを灯したろうそくを手に持つ参祷者たちがその列に加わり全員が退堂した。大十字架やイコンなどを持って行列を作り行進する「十字行(じゅうじこう)」の始まりである。先頭の信者にはイコンや凱旋(がいせん)旗などを持つ担当者がいる。

列の最後尾を付いていくと、十字行は大聖堂の正面出入口を左折して大聖堂を反時計周りに一周。入り口の門を出て、JR御茶ノ水駅の聖橋口の方へ向かい、駅前のショッピングモールの周りを練り歩いた。

やがて十字行の列はニコライ堂へ戻り、先頭からは主の復活を喜びたたえて歌う聖歌隊の合唱が聞こえた。正面入り口からダニイル府主教ら司祭たちが再び入堂する際、香を振りまきながら5つの言語で「ハリストス復活!」と繰り返し宣言。これに対し、参祷者たちはそろって「実に復活!」と応えた。

この「ハリストス復活!」「実に復活!」という応答はこの夜何度も繰り返された。同教会の司祭の一人であるクリメント北原史門神父によると、このとき使われた言語は日本語(明治時代の聖ニコライ・中井訳)、教会スラブ語、ギリシャ語、ルーマニア語、そして英語だという。

入堂後、司祭や輔祭が唱えるわずかな祈祷文以外は全てを聖歌隊が歌う早課・一時課に引き続き、聖金口(きんこう)イオアン聖体礼儀が始まり、午前1時22分、ダニイル府主教が聖金口イオアンの復活祭の説教を読み上げた。

「誰れか敬虔にして神を愛する者ならば、斯(そ)の美わしき光明なる祭りを楽しむべし。誰れか善智の僕ならば、喜びて其(そ)の主の歓楽に入るべし。・・・蓋(けだ)しハリストス死より復活して、死せし者の中に初実と為(な)れり。彼に光栄及び権柄(けんぺい)は世々に帰す、『アミン』」

金口イオアン(ヨハネ)は、4世紀の代表的聖師父でありコンスタンチノープルの主教。正教会で「三成聖者」として特に重要視されている聖師父の一人で、説教が巧みであることから「金の口」を持つと言われたという。

ダニイル府主教はその後の説教で永遠の命について説き、「一人ひとりの上に限りない命、永遠の命の恩寵(おんちょう)が輝きますように。アミン」と結んだ。

「ハリストス復活!」「実に復活!」 ニコライ堂で主の復活大祭
十字行の参祷者が手に持っていたろうそく

聖歌隊が合唱する中で献金が集められたあと、午前1時53分、ダニイル府主教ら司祭たちが至聖所から出てきて聖歌を合唱。聖歌隊と交互に「ハリストス死より復活し、死をもって死を滅ぼし、墓にある者に命を賜えり」と歌った。

午前2時31分。聖使徒行実1章1〜8節が輔祭によって朗誦されたあと、司祭・輔祭らがイオアン福音経(ヨハネによる福音書)1章1〜17節を奉読。北原神父によると、この福音経は日本語(明治時代の聖ニコライ・中井訳)、教会スラブ語、ギリシャ語、英語で奉読されたという。

午前3時を過ぎた辺りで、参祷者全員によって日本語で信経(ニケア・コンスタンティノープル信条)が歌われ、聖変化が始まり、再び教会の鐘が鳴り響いた。

午前3時49分、領聖(りょうせい)が始まる。ハリストスの体と血となった、御聖体と呼ばれるパンとぶどう酒をいただこうと、参祷者たちが列を作って並んだ。

この領聖に至る一連の聖体機密が行われる奉神礼のことを聖体礼儀という。機密(ギリシャ語で「ミステリオン」)とは、見えるものを通して見えない神の恵みを受け取ることをいう。

午前4時を過ぎると、参祷者が列を作り、司祭が持つ十字架に接吻。殻が赤く染められた卵を一つずつ受け取っていった。そして聖歌隊の楽譜が閉じられ、4時17分、ダニイル府主教がその手に参祷者から接吻を受けながら退堂し、「ハリストス復活!」と再び宣言。参祷者たちが大声で「実に復活!」と応え、復活大祭は終了した。

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