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刑務所伝道シリーズ

刑務所伝道シリーズ(2)右足に十字架の痛みを覚えて 遊佐学さん

2014年10月17日11時34分
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関連タグ:刑務所伝道ミニストリー「罪人の友」主イエス・キリスト教会進藤龍也
刑務所伝道シリーズ(2)右足に十字架の痛みを覚えて 遊佐学さん
進藤龍也牧師(左)と遊佐学さん(右)。自宅のある栃木県から教会までは電車で1時間ほど。足は痛むが、足取りは軽い。

今月9周年を迎えた埼玉県川口市にある「罪人の友 主イエス・キリスト教会」。来年に迫った会堂移転を控え、未だ物件探しの状態が続いている。「刑務所の中にいるまだ救われていない霊を、主の導きに従って、彼らが一人で社会に出るまで伴走していくためには、礼拝時だけ借りるような会堂では不十分。場所が与えられ、経済的にも満たされることを教会員と共に祈っている」と、同教会の進藤龍也牧師は語る。

また、全国から進藤牧師を慕って集まる人々で、現在の会堂は毎週ごった返している。「手狭さも感じているので、ここよりも大きな場所が良いと思っているが、家賃の問題もあり、なかなか良い物件が見つからない」と話す。

同教会が創設以来取り組んでいる「刑務所伝道ミニストリー」。全国の刑務所、服役中の受刑者、その家族から寄せられる相談に応じ、手紙や電話を通して福音を伝えている。中には受刑中に進藤牧師の著書に触れ、出所と同時に教会にやってくる人もいる。「裏切られることも多いが、それも想定内。伝えるべきことは何かと常に祈り、彼らに伝えている」と進藤牧師は言う。

この働きで救われた一人、遊佐学(ゆさ・まなぶ)さんに話しを聞いた。少年院で1度、刑務所で2度服役している。栃木県で生まれ育った遊佐さん。現在も栃木県から教会のある埼玉県の西川口まで通っている。右足を引きずる姿が痛々しいが、前科がある男性とは思えぬほどの柔和な笑顔が印象的だ。スキンヘッドにシャツの下には未だ残る刺青が、その笑顔とは対照的に、そう遠くない昔、闇の世界にいた人だと思わせる。

地元栃木の小中学校を卒業。高校受験を試みるも不合格。中学卒業と同時に、土建業だった父の会社に就職した。多感な時期、暴走族の先輩を見て、ただ興味本位で自分も暴走族に入った。

「両親にもっと目を向けてほしかった」とか、「社会に何かしらの不満があったのでは?」と質問すると、「それはなかった。両親には十分愛されていたと思う。どんなことがあっても、両親はいつも僕の味方でした。暴走族に入ったときも両親は特に騒ぎたてもしなかったように思う。社会に対して・・・特に何もなかったですね」と答えた。

暴走族同士の喧嘩に加わり、18歳で少年院に送られた。半年、少年院で過ごす中で反省もした。しかし、20歳になるころ、今度は覚せい剤に手を染め始める。初めて覚せい剤を使用したときのことを、「いつでもやめられると思った。こんなので中毒になるわけがないと思った。今、この瞬間が楽しければいいかと思っていた」と話す。

しかし、悪魔の手は「いつでもやめられる」から、「いつになってもやめられない」地獄へと遊佐さんを突き落とす。薬が切れるとイライラが募る。落ち着かないから、また薬を打つ。その間隔は、1日に1回から2回、3回、4回と、最後には1時間に1回打たないと気が狂うほどだった。

こうして覚せい剤に溺れた彼は、幻聴に苦しめられるようになる。当時住んでいた新宿歌舞伎町近くのホストたちが集まっているのを見るだけで、自分の悪口を言っているように聞こえ、世界中が敵だと思うようになった。いつでも自分に向かってくる相手を殺せるようにナイフを隠し持っていたこともあった。

自分でも「相当ヤバイことになった」と自覚したという。25歳になるころ、彼は暴力団に入り、いわゆる「ヤクザ」の道を歩むようになる。

そんなある日、彼の様子を心配したヤクザの友人が、「教会でも行ってみろ」と言うので、韓国語の礼拝を行う教会へ初めて足を向けた。「何をすればいいの?」と友人に聞くと、「みんなの真似してればいい」と言うので、なんとなくだが祈る真似をした。すべてが韓国語で行われる礼拝に、言葉の意味は分らなかったが、後から後から涙が止まらなかった。

とにかく覚せい剤から手を切りたかった。やめたいのにやめられない。とても苦しかった。それから何度か教会に足を運んだ。覚せい剤は一週間だけやめた。それでも幻聴が聞こえてきた。「覚せい剤をやめても、この幻聴からは逃れられない」と知ったとき、また元の生活へ戻ってしまった。

29歳の8月、ひどく暑い夏の日。「セミの鳴き声しか聞こえなくなって、他のものが聞こえなくなってしまった。世界にたった一人自分だけが取り残されたような錯覚に陥った」とその時のことを話す。そして夜9時ごろ、突然マンションの5階から飛び降りた。「死にたいとか自殺しようとか、そんなことは一切考えていませんでした。何か覚悟を決めたわけでもない。ただ、また何か幻聴が聞こえて、『飛び降りてみろ』みたいな声が聞こえた」という。

気が付くと、病院の集中治療室にいた。両親や心配したヤクザの兄貴分たちが病院に駆け付けてくれた。「あぁ、生きていたんだな」とぼんやりと思った。飛び降りたとき、頭から落ちたわけでも腹ばいでもなく、足から落ちたらしいことを後になって聞いた。結果、右足の骨が粉々に砕ける粉砕骨折を負ったが、内臓と頭は無事だった。その時の傷は未だ癒えず、10年経った現在でも片足を引きずりながら歩いている。

刑務所伝道シリーズ(2)右足に十字架の痛みを覚えて 遊佐学さん
山形刑務所の前で。山形カトリック教会信徒の奥孝由紀さん(中央)と山形刑務所教誨師の岡摂也牧師(ウェスレアン・ホーリネス教団山形南部教会)と共に。刑務所伝道ミニストリーは、「罪人の友 主イエス・キリスト教会」が創設以来取り組んでいる働きだ。

その後、1年半の刑が確定。前橋刑務所で服役した。出所後、「もう覚せい剤はやるまい」と思ったが、手っ取り早くお金を稼ぐために「売人」になった。2年後に、今度は「覚せい剤所持」の罪で逮捕された。

覚せい剤を売った相手が、さらに青森の客に転売した。この客が「覚せい剤使用」の罪で逮捕されたのをきっかけに、芋づる式に逮捕された。当時、栃木県に住んでいたが、青森の警察署で逮捕。この時、ヤクザ歴の長かった遊佐さんは、すでにどこの刑務所に行くことになるか、控訴するとどこの拘置所に行くことになるかを知っていた。あまり遠い刑務所では、関東から友だちも家族も面会に来られないと、少しでも関東に近い刑務所に行けるよう控訴。次に仙台の拘置所に送られた。

ここで、遊佐さんの人生に光が射した。舎房のあった階に中島哲夫牧師の書いた『悪タレ極道いのちやりなおし』(講談社)が置いてあった。中島牧師もまた、元ヤクザで覚せい剤の使用歴があった。読み進めていくと、「オレと同じだ!オレももしかしたら、やりなおせるのでは?」と思ったという。

「その本は、3日後に見たらもうそこにありませんでした。刑務所の本は巡回するので、もう少し遅かったらあの本には出会ってなかった。本当に神様が僕に読ませようとそこに置いておいてくださったのだと思う」という。それから、聖書を少しずつ読むようになった。刑務所の中から中島牧師にも手紙を書いたが、住所が変わっていて届かなかった。

出所後、西川口にいる進藤牧師の話しを聞き、まずはユーチューブなどで説教を聞くようになった。テレビ番組に出演する進藤牧師の姿も見た。「どんな人なんだろう?」と、会う前から興味もあった。すぐに洗礼を受けたいと思ったが、当時はヤクザ仲間との関係もまだ清算されていないままだった。進藤牧師に「もう少し待った方がいいのでは?」と諭され、神様のタイミングを待った。その間、ヤクザ仲間に会ったときもあったが、聖書の言葉をできるだけ伝えた。「ついつい熱くなってしまうときもあった」と笑う。そして、昨年7月20日に受洗の恵みにあずかった。

「暴走族に入り、ヤクザになり、覚せい剤に溺れて、右足の自由も失った。失うものも大きかったが、その代わりに今の僕にはイエス様の愛があります。神様がいつも一緒にいてくださいます。失ったものよりも得たものは、計り知れないほど大きいと思う」と遊佐さん。「右足が痛むたびに、僕は十字架で僕の罪のために死んでくださったイエス様を思い出すことができる。この足がまだ自由だったら、もしかしたら僕はまた同じ過ちを繰り返したかもしれない」と話す。

「両足がそろったままで地獄に投げ込まれるよりは、片足になっても命にあずかる方がよい」(マルコ9:45)が彼のお気に入りの聖句だ。残された片足は、しっかりと遊佐さんの身体を支えている。イエスの愛と共に。

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関連タグ:刑務所伝道ミニストリー「罪人の友」主イエス・キリスト教会進藤龍也
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