検察事務官から牧師へ 高木康俊氏が米メリーランド州で特別講演・礼拝

2014年6月24日11時08分 印刷
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講演する高木康俊牧師=22日、ロックビル・ファーストバプテスト教会日本語ミニストリー(米メリーランド州)で

米メリーランド州にあるロックビル・ファーストバプテスト教会日本語ミニストリー(西尾ニック牧師)で22日、キリスト教蓮根バプテスト教会の高木康俊主任牧師を招いての特別礼拝・講演会が行われた。高木牧師は、特別礼拝では「検察事務官から牧師へ」と題して説教、講演会では「死への備え—最高の終活とは」と題してメッセージを伝えた。

■ 水と御霊によって新しく生まれる聖霊体験

特別礼拝ではヨハネによる福音書3章1〜16節を引用し、「水と御霊によって新しく生まれる」聖霊体験の必要性を説いた。

自身が牧師として茨城県日立市で開拓伝道を行っていた際、教会に通い50年間聖書を学び続けてきたものの、洗礼を受けずにいたある男性がいた。「神様、イエス様については理解できても聖霊が分からない」という理由からだった。しかし、高木牧師が男性と共にヨハネ3章1〜16節を読み、男性がこの聖句を素直に信じたことで聖霊の招きを受け、最終的には洗礼に至ったという。

「いのちの水は、聖書の御言葉から出て私たちの魂を満たす。いのちの水で満たされるときに、聖霊様がこの地上にいらっしゃることを体験するようになる。全ては主の導きによって、聖書は神の御言葉であるということを素直に幼子のように言えるようになる。聖霊を体験するということは、水と霊で新しく生まれることである」と語った。

高木牧師がキリストに導かれたきっかけは、高校時代、熊本県に単身で来日したカナダ人女性宣教師に出会ったことだった。1年ほど教会へ通い、受洗。その後、大学受験を機に一時教会を離れたものの、中央大学法学部を卒業し、東京地方検察庁で検察事務官として6年間従事した。検察官事務官時代に、「聖霊の風が吹いたようなことが起こり、牧師になるという思いが生じた」という。この思いに突き動かされ、将来が保証されていた検察事務官の職を去り、献身の道を選んだ。

「高次元に住んでおられるイエス様が執りなしておられることが、ローマ8章に書かれてある。イエス様は高次元の天の御国で執りなしておられる。イエス・キリストにある人格、聖霊にある人格、この二つの人格が自身のためにとりなして祈ってくださることによって、聖霊によって『風は思いのままに吹く』という御言葉どおりのことが自身になされた」と、聖霊の導きについて自身の献身体験から語った。また、「聖書の御言葉は『神のことば』である。御言葉を期待して日々心に抱き続けるときに、私たちが思いもよらない形で私たちの心、家族の心が作り変えられ、やがて聖霊様は私たちの人生そのものをも作り変えてくださる」と強調した。

■ 永遠のいのちとは 死に遭遇する医療伝道の経験から

講演会では、多数の病院での医療伝道、高齢者のフォローを行ってきた経験から、死に対する本当の備えとは何かを聖書に基づいて解説した。

ヨハネ3章16節にある「永遠のいのち」について、高木氏は「神様から離れている的外れな人生を罪的な人生という。そのような『私』をゆるして神様の元に連れ戻してくださったことが、イエス・キリストの十字架による贖(あがな)いである。イエス様の十字架により、日々きよめられた者に与えられる素晴らしいギフトが永遠のいのちであり、三次元の目に見える可視的な宇宙を超えた高次元にあるいのちのことである」と説明。「ただ時間が長いというのではなく、次元を超え、過去においても、今も、未来においても、時を超えたお方によって与えられたいのちである。単なる人間が考える時間の長さや、宗教的なもので与えられる三次元のいのちを超えたものである」と語った。

病床にある患者への医療伝道では、実際に死の現場に遭遇する。日本では、モルヒネや筋弛緩剤を用いて末期患者が安らかな死を迎えられるようにする「平穏死」が一般的に望まれている。しかし、高木牧師は「多くの人と接している中、『平穏死』『尊厳死』というのは、生きている人間から見たときには価値があるように見えるが、亡くなる直前の人たちを見ていると、それが本当に価値があるものではないことが分かってきた」と言う。「実際に死の現場に遭遇していくと、そういうことだけでは解決できない死に対する恐れ、厳しさを感じる。人間が死ぬときには、どうしても超えられないような、絶望と悲しみと喪失感がある」と語った。

「平穏死」では一般的に薬剤を使用し、患者が眠りながら亡くなっていく処方がされる。実際の死を迎える患者にとっては、「自分」という意識がなくなる、モルヒネや筋弛緩剤といった薬剤を打つ直前に非常な緊張感が走るという。「自分という人格の自意識が消えるという喪失感の恐怖は並大抵ではない」「死んだ本人はなんら死の恐怖や怒りから解放されていない」と語った。

その上で、ヘブライ人への手紙2章15節とヨハネの手紙一4章18節を引用し、「イエス様の十字架は死の恐怖から解放してくださる。完全な愛は恐れを取り除く。イエス様の十字架から来る神様の愛は、人間の不完全な愛ではなく、完全な愛である。この愛が与えられると、私たちは死の恐怖から解放される」と語った。「どんなモルヒネだろうと、筋弛緩剤であろうと、ターミナルケアであろうと、一時的に目に見える範囲で平穏であるように見えるだけで、死ぬ本人にとっては、それではなんら解決に至っていない。ただ眠っているだけである」と高木牧師。「人間は聖書にあるように、朽ちる肉体だけではなく、『霊』という朽ちない人格がある。肉体が朽ち、精神的に死んでいく(自分の自意識が消え去っていく)その時ほど実は霊が目覚める。高次元的なものとつながっていく霊的な人格が目覚めて行く。そのとき自分に高次元の永遠のいのちがないということが、(死への)恐怖となって訪れてくる」と語った。

「高次元にある十字架のイエス様から来る永遠のいのちがなければ、『三次元的な死』に耐えられない、まさに、ブラックホールに飲み込まれていくような暗闇の恐ろしさが(死にゆく)一人ひとりに襲ってくる。この全てが滅亡してしまう恐怖は、死んだ人にしか分からない。ただイエス・キリストの十字架によってきよめられた人だけ、ブラックホールに飲み込まれる恐怖から解放され、永遠のいのちの平安と光をいただいていくことができる」

この地上にある人生については、「地上の生涯はいろいろなことで鍛錬されて、肉体精神だけではない、『霊』という朽ちない人格が本当に充実したものとされていくものだと思う」と語った。「肉体や精神を鍛えても、やがては衰えていく。肉体と精神があるうちに、霊なるものをしっかりと整えていくことが私たちの人生の目的」と言い、「その究極は、愛し合う、信頼し合う、希望を分かち合う、という本当の私たちの目的を達成する人間としての尊厳にある」と語った。「そこに至るために私たちは肉体・精神を駆使することで、永遠のいのちに生きる霊的な人格を養うことが死への備えである。永遠のいのちに満たされて、霊的な人格がしっかり形成されて死の備えができるということは、年齢を問わずすべての人に必要なことである」と説いた。

■ 在米日本人教会のリバイバルが日本の教会の力に

自教会でも米国で救われた信徒が何人もいるという高木牧師は、米国伝道と在米日本人教会の重要性についても語った。在米日本人教会の数は、日本にある教会の数の何十分の一しかないが、「アメリカで主イエス様を信じてクリスチャンになる日本人の数と日本で主イエス様を信じてクリスチャンになる方の数が一年を通して変わらないのが実情」だと指摘。「アメリカの日本人教会は、いつも送り出す教会。その日本人教会の多くが、教会員十数名である。この方々を少しでも励まし支えることは、即、日本宣教に結びつく」と語った。

また、在米日本人教会のリバイバルが日本のリバイバルにつながると語った。「日本で将来起こるリバイバルが、世界宣教の視点から見ると最後のリバイバルになると思っている」という高木牧師は、「その最後のリバイバルが起こるためにも、アメリカにおける日本人教会の働きが非常に重要になってくると思う」と話す。「アメリカにおける日本人教会の伝道によって霊的な暗闇の世界に風穴を開ける、そのことによって聖霊の風が闇の世界に入ってくる。そのことで、日本にどうしようもなく張り付いているような霊的な壁が開放されていく大きな要因になっていくと思う」と語った。

一方、在米日本人教会を取り巻く現状について西尾牧師は、「霊的な事柄に対して無関心になりつつある社会。クリスチャン的ではないリベラルな教えが影響していると思う。それにクリスチャンも影響を受けているような気がする」と語った。霊的な事柄にたいして人々が鈍感になり、さらにそれを語る教会が迫害を受けているという感じがあるという。「アメリカ人含め一人ひとりの教会離れがある。 近年になって霊的な事柄に対する無関心さ、盲目感がものすごく高まっていると思う。それが開かれるように祈ってほしい。霊的な圧迫がある。大きなムーヴメントとしては、個人個人ではなく一つのイエス様にある教会として共に一緒に祈っていけたらいいと思う」と語った。

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