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使徒の働き味読・身読の手引き

使徒の働き味読・身読の手引き(57) 宮村武夫牧師

2013年11月23日16時50分 コラムニスト : 宮村武夫
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宮村武夫牧師+

コリント宣教
使徒の働き18章1節~17節

[1]序

今回はパウロのコリント宣教の記事を味わいます。

コリント教会については、パウロのコリント人への手紙第一、第二を通して、その様子をかなり詳しく知ることができます。

ルカは、コリント宣教を二つの点を中心に伝えています。

第一は2節から8節の前半で、福音に対するユダヤ人の拒絶。

第二は12節以下で、パウロに対するユダヤ人の訴えにかかわりを持とうとしないローマ当局の態度。その中間の9、10節に、主イエスのパウロに対する激励のことばを記しています。

[2]激励を受け

(1)第一、第二段階
2節から4節では、コリント宣教の第一段階、5節以下では第二段階についてルカは報じています。

第一段階。コリントはアカヤ地方ばかりでなく、ギリシャ全体でも最も盛んな国際商業都市、アカヤ地方の首府として活気に満ちた町。このコリントで、アクラとプリスキラ夫妻の協力を受けながら、3、4節、「自分も同業者であったので、その家に住んでいっしょに仕事をした。彼らの職業は天幕作りであった。パウロは安息日ごとに会堂で論じ、ユダヤ人とギリシヤ人を承服させようとした」に描かれているように、パウロは地道な宣教活動の一歩を踏み出しました。

第二段階。「シラスとテモテがマケドニヤから下って来」、テサロニケ教会などが福音に固く立っているとのニュースを伝え、パウロは励まされ(Ⅰテサロニケ3章6節以下)、またピリピ教会からは経済的支援も受けました(ピリピ4章15節、「ピリピの人たち。あなたがたも知っているとおり、私が福音を宣べ伝え始めたころ、マケドニヤを離れて行ったときには、私の働きのために、物をやり取りしてくれた教会は、あなたがたのほかには一つもありませんでした」)。

パウロはシラスやテモテなど同労者と協力し、一つのチームのようになって働き、「みことばを教えることに専念」。その結果、6節と7、8節に記されているように二つの流れが生じました。

(2)激励を受け
福音宣教が活発に進められて行く中で、主イエスのパウロへの呼び掛けがなされ、命令(9節)と約束(10節)が与えられました。

命令。「恐れるな」とまず基本的な命令。パウロは、恐れざるを得ないような事態に直面していたのです(Ⅰコリント2章3節)。

約束。命令に答えることを可能にする約束も与えられました。

第一に、「わたしがあなたとともにいるのだ」と、主なる神がわたしたちと共にとインマヌエルの約束です(マタイ28章20節「また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます」)。

またいつ迫害が起こるか予測し得ない状態の中で、「だれもあなたを襲って、危害を加える者はない」と慰めに満ちた約束が与えられています。

さらに、「この町には、わたしの民がたくさんいるから」と、主イエスは福音宣教の継続へとパウロを励まされます。

[3]パウロとソステネに対して

12節以下に一つの事件、パウロ(12~16節)とソステネ(17節)についてそれぞれに。

(1)パウロに対する訴えの口実とガリオの答え
訴えの口実。13節、「『この人は、律法にそむいて神を拝むことを、人々に説き勧めています』と訴えた」。

ユダヤ教はローマの公認宗教。パウロの宣教は、ローマの公認宗教であるユダヤ教とは異なるから、その宣教活動は認めるべきでないとの訴え。

ガリオの答え。14節と15節、「パウロが口を開こうとすると、ガリオはユダヤ人に向かってこう言った。『ユダヤ人の諸君。不正事件や悪質な犯罪のことであれば、私は当然、あなたがたの訴えを取り上げもしようが、あなたがたの、ことばや名称や律法に関する問題であるなら、自分たちで始末をつけるのがよかろう。私はそのようなことの裁判官にはなりたくない』」。自分が裁判すべき事柄がどのような範囲か、裁判の対象として取り上げるべきでないことは何かを承知。ガリオの判断(紀元52年前後)の影響、64年ローマの大火以後の皇帝ネロの迫害までの期間。

(2)ソステネの場合
14節のことばに反して、ソステネに対する不当の仕打ちを黙認(17節後半)。ガリオの裁判を美化し過ぎないように、ガリオの限界。

[4]結び

パウロは神の命令と約束にしっかりと聞き、一年半コリントに腰を据えて、神のことばを伝え続けます。ローマの権力と微妙な関係の中でなされていることも注意。

◇

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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