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使徒の働き味読・身読の手引き

使徒の働き味読・身読の手引き(26) 宮村武夫牧師

2013年10月23日08時50分 コラムニスト : 宮村武夫
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宮村武夫牧師+

教会の前進
使徒の働き9章31節~43節

[1]序

今回は、使徒の働き9章31節以下9章最後の部分を読み進めます。

9章1節から30節では、教会迫害者サウロがどのような経過で異邦人への宣教者に変えられたか、サウロのダマスコ途上の経験やダマスコやエルサレムでの宣教活動を通して描かれていました。こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリヤの全地に渡り平安を保ち得たと31節に記されています。同時に31節では教会の前進を全体として述べ、32節以下でその実例が示されています。

[2]教会の前進-その原則-

31節では、教会の前進を要約して描いています。以下三つの点に注意。

(1)全地に築き上げられ
教会は各地域に根差し地域を越え(Ⅰテモテ3章16節「確かに偉大なのはこの敬虔の奥義です。『キリストは肉において現れ、霊において義と宣言され、御使いたちに見られ、諸国民の間に宣べ伝えられ、世界中で信じられ、栄光のうちに上げられた』」)、前進します。

「築き上げられ」とあるように、ピリポ、サウロ、ペテロをはじめ多数の恵みに応答する人々を用いて(Ⅰペテロ2章3~5節「あなたがたはすでに、主がいつくしみ深い方であることを味わっているのです。主のもとに来なさい。主は、人には捨てられたが、神の目には、選ばれた、尊い、生ける石です。あなたがたも生ける石として、霊の家に築き上げられなさい。そして、聖なる祭司として、イエス・キリストを通して、神に喜ばれる霊のいけにえをささげなさい」)。

(2)主を恐れかしこみ
教会の前進は、教会が使命に堅く立ち進められます。その基本は、「主を恐れる」こと、主なる神を礼拝する生き方です。

(3)聖霊に励まされ
初代教会の人々は励ましを必要としていたのです。彼らは、困難な現実の中で、約束の聖霊の励ましを受け(ヨハネ14章16、18、16章33節)、前進したのです。

[3]アイネヤ-欠如の中で-

32節から43節には、教会の前進の現実を描いています。32節から35節にはアイネヤ、36節から43節にはドルカスの実例を見ます。

(1)アイネヤの現実
福音宣教のため各地を巡回するペテロがルダでアイネヤに出会った事実をルカは特に記録しています。アイネヤは、中風のため八年も床に着いていたとあります。壮年か老年であったと推定されます。体が不自由で制約を持っていました。

しかし人々はアイネヤを見て、主に立ち返ったのです。アイネヤを通して、教会は前進しました。人々の弱さや不足の現実の中で、前進する教会の姿を見ます。

(2)恵みに対する応答
34節。主イエスが恵みの御業をなしてくださるとの約束を信じ、床に着いたままの状態で恵みに応答して行くアイネヤを通して、ルダにおいて教会は前進して行きます。

(3)アイネヤを見て
35節に、「アイネヤを見て」とあります。アイネヤの何を見たのでしょうか。アイネヤの中に見る主イエスの恵みの御業であり、アイネヤの応答です。

[4]ドルカス-限界の中で-

(1)ドルカスの働き
36節に、ドルカスを「女の弟子」と紹介し、「多くの良いわざと施しをしていた」とルカは報じています。当時女性はさまざまな制約を受け、限界に直面していました。その中でドルカスは自分のなし得る実際的なことを通し(39節)、「多くの良いわざと施しをしていた」のです。

(2)ドルカスの挫折
忠実に励むドルカス。しかし彼女の力を越えた病気や死の力の前に、地味な働きは挫折し、中断されてしまうように見えます。

(3)祈りに支えられて
この現実の中で、ペテロは「ひざまずいて祈る」のです。

◇

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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