使徒の働き味読・身読の手引き(24) 宮村武夫牧師

2013年10月21日11時48分 コラムニスト : 宮村武夫 印刷
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イエスがキリスト
使徒の働き9章20節~25節

[1]序

今回も、ダマスコにおけるサウロに注目します。サウロはダマスコで祈っていたのです。やがてアナニヤの訪問を受け、主イエスを信じ従い生きると公に告白し、ダマスコにある主イエスの弟子たちの群れの一員として歩むのです。主イエスを信じバプテスマを受けた一人のキリスト者として群れの人々と一緒に食事をし、生活を共にする恵みに立ちながら、大胆に福音を宣べ伝える福音宣教者サウロの姿をルカは描いています。

[2]サウロの宣教活動-時と場所-

今回の箇所を味わうため、ダマスコ途上の経験後の歩みについてサウロ(パウロ)自身が語る自己証言(ガラテヤ1章15節以下)が助けになります。

ガラテヤ1章17節に、「アラビヤに出て行き、またダマスコに戻りました」とあります。ある一定期間、サウロはアラビヤ(ダマスコから遠くないナバテア王国と普通考えられています)に退き、ダマスコ途上の経験やアナニヤをはじめダマスコにいる主イエスの弟子たちからの学びを手引きに旧約聖書を熟読し、祈り思い巡らす貴重な日々を送ったと考えられます。サウロの宣教はダマスコ教会との交わりとアラビヤへ退く期間の両面を含み進められたのです。

「それから三年後に、私はケパをたずねてエルサレムに上り」(ガラテヤ1章18節)。サウロのダマスコ宣教は、アラビヤ滞在を差し引いても、かなり長い期間に渡るものであったと考えられます。忍耐深い主イエスの導きを受けたサウロが、最初の宣教地ダマスコで宣教活動に当たっている姿が浮かび上がります。

サウロがダマスコで宣教活動をなした場について、「諸会堂」(20節)でとルカは明記しています。ダマスコ教会迫害の中心舞台になる可能性のあった「諸会堂」(9章1、2節)で、今やサウロは福音宣教をなしています。人々の思いを越えた場所で、福音宣教が押し進められます。

[3]サウロの宣教活動-内容と方法-

(1)内容
20節には、「イエスは神の子であると宣べ伝え始めた」とあります。また、「イエスがキリストであることを証明した」(22節)と、サウロの宣教の中心をルカは要約しています。様々な機会に時間をかけ、サウロは福音を宣べ伝えました(参照13章12~43節、ピシデヤのアンテオケにおける宣教活動)。

しかしその中心は、「イエスは神の子である」との宣言に要約されます(ペテロの場合、マタイ16章15節と16節)。唯一の神以外なにものも礼拝してはならないとは、旧約聖書に基づく信仰に生きようとするユダヤ人サウロの基本的態度です。あのステパノ殺害の直接の理由は、ステパノがイエスを神と主張したからです(7章55、56節)。それ故サウロはステパノ殺害に賛同したのです。

そのサウロがダマスコ途上で、復活の主イエスと出会い、主イエスの神性を確信し宣べ伝えているのです。主イエスが神の子であり、私共の罪のため死に、死と罪に打ち勝ち復活なさった。それ故私共は罪の救しを受け、罪から解き放たれるのです(ガラテヤ5章1、13節)。「イエスは神の子」、「イエスはキリスト」とのサウロの福音は、まさに罪の救しの福音です(13章37~39節)。

(2)方法
「イエスがキリストであることを証明して」とあります。旧約聖書に堅く立ち、ダマスコ途上の経験、またアナニヤなどダマスコ教会の人々との交わりを通して学んだことに従い、サウロは証ししたのです。

[4]結び

忍耐深い主イエスのお取り扱いを受け、主イエスに従うサウロ。

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。

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