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WCCの経験生かし、国連に付加価値を

2012年10月26日09時48分
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トゥヴェイト総幹事(写真提供:国連)+
 世界教会協議会(WCC)は1948年の設立以来、グローバルな組織として多様な経験や技術を積んできた。そのような経験や技術の一部は国連の機構作りにも価値あるものとして取り入れることができることをWCC総幹事のトゥヴェイト博士が最近行われた国連とのインタビューで指摘した。

 トゥヴェイト総幹事は「私達は国連の機構と深い関係を築いていく必要があります」と述べ、WCCは「広範な理解力を備えたフェローシップであり、一致やコミットメントの仕方を学んできました。正義を拡大し、腐敗を終焉に導くという同一の目的を共有した上で外交にも巧みに関与してきました。平和活動や和解、市民を異なる利害団体の間で生じる暴力の犠牲者として利用するのを止めるようにそれぞれの団体に働きかけるようなこともしてきました」と国連のインタビューに答えた。

 インタビューの中でトゥヴェイト総幹事はノルウェーで牧師として平和のために活動してきた経験や、エキュメニカル運動へ関わる際の理想的なあり方、WCCのようなグローバルなエキュメニカル組織を指揮していく際に生じる試練についても伝えた。

以下は国連とのインタビューの概要である。

国連:ノルウェーからスイスへ来られましたが、何があなたをWCCに惹きつけたのでしょうか?

トゥヴェイト総幹事:私はノルウェーの教会牧師をしていました。また短期間ノルウェー軍のチャプレンもしていました。ノルウェーの宗教間協議会の会員であり、WCC議長団のメンバーでもありました。またノルウェー教会協議会のエキュメニカル、国際関係部門の代表も務めており、研究者とエキュメニカル事務官の二役を務めて働いているとき、一部の人たちがWCC総幹事のポストに応募するように助言してくれましたお。その結果驚くべきことに任命されるに至りました。これは過去20年間の私のフィールドワークを行ってきた結果であったのではないかと思っています。

国連:あなたの人生の中で、平和のための人として生きると決意した瞬間はありましたか?

トゥヴェイト総幹事:はい。18歳の時でした。列車でイタリアに行く予定でしたが、行くことができませんでした。チューリッヒから出発して、ボローニャを通過し、ローマに至る予定でした。日曜日の朝、チューリッヒ駅に到着した時、新聞のヘッドラインにボローニャで列車爆破事件が生じたと掲載されていました。これは欧州最大のテロ攻撃のひとつでもありました。このテロ事件の背後にはネオ・ファシスト勢力が関与していることが報じられました。テロ事件では85人の民間人が犠牲となり、この時私は生かされていることに対してとても謙虚な思いを持つに至りました。

国連:その事件はどのように影響しましたか?

トゥヴェイト総幹事:その時私は医学を専攻しようか神学を専攻しようか迷っていました。この事件を通して私は平和と人道のために働くべきであるという心の内からの呼び掛けが生じるようになりました。この列車の駅には30年後になって娘とともにたまたま戻ってくることになりました。それでも当時の犠牲者のことが生々しく思い出されました。その時頭の中で「もし私が自分の立場を通して謙遜に人道に仕えることができるなら、そのように自分を捧げよう」と思うに至ったのです。

国連:今のWCCと国連に特化された課題は何でしょうか?

トゥヴェイト総幹事:私達は国連の機構との関係性を強化していきたいと思っています。私たちはスイスジュネーヴに本部を置いており、64年の歴史のある組織です。今は私達にとってこれまでとは異なった見方をして、私たちが何を優先に取り組み、国連にさらなる付加価値を与えていけるかを検証する時であると思っています。広範な理解力を備えたフェローシップであり、一致やコミットメントの仕方を学んできました。正義を拡大し、腐敗を終焉に導くという同一の目的を共有した上で外交にも巧みに関与してきました。平和活動や和解、市民を異なる利害団体の間で生じる暴力の犠牲者として利用するのを止めるようにそれぞれの団体に働きかけるようなこともしてきました。

国連:たとえばどのような例がありますか?

トゥヴェイト総幹事:宗教指導者の方々が地域の状況が悪くなっている現況や、少数派を敵対視している状況について報告をして下さっています。しかし共により安全な未来を築こうと努力しておられます。しかしながらまだこのような問題を克服するためにてこ入れしなければならないことが残っています。今日の指導者らにとっての責任はそれぞれの伝統的価値観や聖典を適切に使用するということではないでしょうか。伝統や聖典というものは暴力を合法化することにも、暴力なしで問題の解決法を見つけることにもいかようにも利用され得るものです。私たちの義務としては、今日および明日の社会において双方にとって理解できるやり方を導いていくことにあると思っています。

国連:国連の機構に対して何か言われたいことはありますか?

トゥヴェイト総幹事:私はすでに国連事務総長の潘基文(バン・キムン)氏と交友があります。国際労働機関(ILO)について共にイニシアチブを立ち上げて働いた時期もありました。私の同僚は、世界保健機関(WHO)や人権理事会(HRC)と親密な協力関係を持って働いています。ニューヨークにあるWCCのオフィスでは国連の課題となっている事柄について共に活動しようと働きかけています。ジュネーヴのWCC本部の同僚には、「国連に対してどのようにさらなる価値を与えていけるだろうか」と問いかけています。5億6千万人を代表してそれぞれの地域ネットワークを生かし、ケースバイケースで取り組んでいくことができます。

国連:WCCのようなエキュメニカルな共同体を統治するのは難しいのではないですか?

トゥヴェイト総幹事:はい。異なる期待を抱えた人々が集まるとても大きな船でもあります。30年前は現在よりより多くの事柄を達成できていたという人たちもおります。一部には現在が「エキュメニカルな冬である」と言う人たちもいます。ノルウェーの海岸で生まれ育った私にとって冬という季節は何の障害でもありません。私は現在WCCが行っていることは過去と比べても比類ないことを行っていると信じています。なぜWCCが存在しているかといえば、未だに私達人類が共に暮らすのが難しい状態が続いているからです。逆境を恐れず、私が期待していたように物事が進まなかったとしても、私はこの任務を全うしていくことを決意しています。

国連:国連の新組織UNウィメン初代事務局長となられたミシェル・バチェレ氏(チリ前大統領)と関係を構築されて行くご計画はありますか?

トゥヴェイト総幹事:ジェンダー問題に関して取り組む際、このような連携は予期しないポテンシャルを発揮するものと期待しています。ニューヨークでも信教の自由や女性の働きのために共に働く人々がおります。ニューヨークは国連にとって宗教問題や女性問題で何が生じているかを把握する中心地でもあります。ジェンダーの平等問題に取り組む際に、私達が主要な役割を果たし、また第3者の意見を建設的に取り組んでいくことができればと思っています。

国連:第2代国連事務総長であったダグ・ハマーショルドは「国連は人々を天国に連れていくために創設されたのではなく、人々を地獄から救うために創設されたのである」と言われていました。

トゥヴェイト総幹事:彼は私にとって多大な影響を受けた人物でもあります。特権が与えられた国や立場にあったとしても、特権が与えられていない人々、国に対して謙遜に仕えていくことができます。私たちは皆同じ人道支援のために生きています。ひとつのヒューマニティがあり、ひとつの世界がありますが、共に暮らすこともできれば、共に暮らさないこともできるのです。

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