中央アジアの心臓部に位置するウズベキスタンは、世界に2つしかない「二重内陸国(国境を接する全ての国も内陸国)」の一つだ。かつてシルクロードの交易路として栄え、サマルカンドやブハラといった古都には、鮮やかな空色「サマルカンド・ブルー」の壮麗なイスラム建築が立ち並ぶ。綿花栽培と豊富な天然資源に恵まれ、中央アジア最多の人口を抱えるこの国は、長い歴史の中で多様な民族と文化が交差してきた。
しかし、その美しい青色のドームの下で、キリストにある兄弟姉妹たちは厳しい現実に直面している。統計によって幅があるものの、ある統計では国民の約95%がイスラム教徒(スンニ派)とされ、社会の隅々までイスラム的慣習が根付いている。政府は世俗主義を標榜しつつも、過激派の台頭を恐れるあまり、宗教活動全般に対して極めて厳格な統制を行っているのだ。
この国において、福音派の教会が「公認」を得ることは至難の業だ。厳しい登録要件、煩雑な手続き、そして監視の目が常に光る。無登録での集会は違法とされ、警察による急襲、多額の罰金、あるいは短期間の拘束といったリスクと常に隣り合わせなのだ。
特に、ウズベク族のイスラム教徒背景を持つ信者への風当たりは強烈だ。彼らにとって改宗は、単なる宗教の変更ではなく、家族、部族、そして国家のアイデンティティーへの「裏切り」と見なされるのである。
ある改宗者のウズベク人女性の話だ。彼女は重い病の床でイエスの癒やしを体験し、信仰を持った。しかし、それを知った家族は激昂し、彼女を家から追い出し、子どもたちとも引き離そうとした。「お前は恥だ」とののしられ、地域社会からも村八分にされた。
それでも彼女は、秘密裏に集まる家の教会の交わりをやめなかった。兄弟姉妹から励ましを受け、涙ながらに家族の救いのために祈り続けた。驚くべきことに、彼女の変わらぬ愛と平安な姿を見て、かつて最も彼女を迫害していた姉が、密かに聖書を読み始めたというのだ。
このように、迫害の嵐の中でも、福音の種は確実に芽吹いている。近年では、社会的に立場の弱い女性たちやろう者(聴覚障害者)のコミュニティーの中で、福音が力強く広がっているという報告もある。政治的な変革や法的な緩和は遅々として進まないかもしれないが、聖霊の働きは、国境や法律の壁を越えて、渇いたサマルカンドの大地に命の水を注ぎ続けている。
シルクロードのオアシスであったこの地が霊的なオアシスへと変えられるように祈ろう。家族から迫害され、拒絶されている改宗信者たちが、主にある新しい家族の愛に包まれ、守られるように。また、未登録の群れが当局の干渉から守られ、自由に主を礼拝できる日が来るように、そしてウズベクの人々が真の救い主に出会う夢や幻が与えられるように祈っていただきたい。
■ ウズベキスタンの宗教人口
イスラム 95・0%
無宗教・その他 3・5%
ロシア正教・カトリックなど 1・2%
プロテスタント 0・3%
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