9.11テロ事件から11年が経過した11日、世界教会協議会(WCC)オラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事はボスニア・ヘルツェゴビナ首都サラエヴォで開催された会議で、同国が20年程前に経験した破壊的な紛争について振り返り、世界キリスト者に対して「敵意」の感情を回避するように呼び掛けた。
トゥヴェイト総幹事は「敵意による考え方を信じません。イエス・キリストを通して神を信じる者として、私達は敵意による考え方を信じるべきではありません。ここサラエヴォにあって、隣人の考え方が敵意の考え方にひっくり返ってしまったことによって、すべての人が損失を被り、命をも犠牲となることを覚えなければなりません」と述べた。
さらに最近欧州で生じている暴力行為は、敵とする対象を選択することから生じ、はかり知れない悲劇を招いていることを指摘し、「9月11日は、宗教でさえも人類による最も残酷な行為を発する動機として使われ得ることが示される事件が生じた日です。9.11テロ事件は他者を敵と見なすことで生じた究極の悲劇ではなかったでしょうか。どのような動機であれ、テロはテロでしかありません。神が私達のためにおられるならば、誰が私達の敵となり得るのでしょうか?」と疑問を投げかけ、敵意が高まっている現代社会に生きるキリスト者それぞれに敵意を回避して生きることを促した。
トゥヴェイト総幹事は続いて「イエス・キリストの弟子として、私達を敵のように見なす人たちがいることは知っています。イエス様はそれでも義のために迫害されることを喜びとしなさいと教えられています。私達はキリストの死によって、神と和解する者となったのです。キリストの愛を通して、憎しみや死の意味さえも、以前とは全く異なるものへと変えられました」と述べた。
「未来のために共に生きる-対話の中の宗教と文化」と題された異宗教対話に関する会議は9日から11日にわたって開催され、そのうちの2日間は異宗教間対話に関するパネルディスカッションが行われた。同会議はボスニア・ヘルツェゴビナのサン・エディジオコミュニティ、ボスニア・ヘルツェゴビナイスラムコミュニティ、セルビア正教会、ローマカトリック教会サラエヴォ大司教区、およびボスニア・ヘルツェゴビナユダヤコミュニティの共催で開催された。
トゥヴェイト総幹事は同会議でWCCおよび加盟諸教会会員を代表して、「貧しい者のための愛、エキュメニズム(教会一致)のための道」および「人間性の専門家-社会におけるキリスト者」と題したパネルディスカッションに参加した。
トゥヴェイト総幹事は閉会の辞として「私たちはキリストの十字架によってどのような状況にあっても信仰と希望、愛を保つことが出来る解放された者となることができました。クルーセードのためではなく、世界中の苦しんでいる人々と団結するために解放されたのです。私達をキリストの愛から誰も引き離すことはできません。それゆえに、イエス様は私達に私達の敵を愛するように教えられたのです」と述べた。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される
-
キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表
-
「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談
-
イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも
-
主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣
-
新しい発見 佐々木満男
-
篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(244)聖書と考える「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」
-
今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司
-
シリア語の世界(32)シリア語聖書の人名・地名小辞典 川口一彦
-
米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される
-
「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者
-
キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表
-
「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談
-
イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも
-
石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相
-
「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司
-
新しい発見 佐々木満男
-
ワールドミッションレポート(9月15日):アンギラ 静かなる島に迫る変化と教会の使命
-
「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者
-
米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される
-
石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相
-
「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇
-
牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも
-
「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談
-
ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声
-
キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表
-
「信仰の実践としてのスピリチュアルケア」 オリブ山病院で第3回臨床牧会教育
-
イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも