2カ月間の闘病を経て、南米のエキュメニカル運動に大きな貢献を果たしてきた神学者でルーテル教会牧師のミルトン・シュバンテス博士(65)が1日、ブラジルサンパウロで死去した。世界教会協議会(WCC)オラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事は、シュバンテス博士の長年にわたるエキュメニカル運動に果たしてきた貢献に感謝の意を表した。
トゥヴェイト総幹事は、「聖書の解釈と貧しい人々のために奉仕する姿勢は、シュバンテス博士が果たしてきた解放の神学の重要な要素であり、現代のエキュメニカル運動の発展に大きな貢献をしてきました」と述べた。WCC中央委員会モデレーターのウォルター・オルトマン博士は、「シュバンテス博士はブラジル、南米、カリブ海諸国、そして世界中の多くの人々から、苦しんでいる人々の必要を敏感に察知し、聖書の学術的に深く優れた解釈を施してこられたことで、尊敬され、称賛されていました」と述べた。
シュバンテス博士は、ドイツヘーデルバーグ大学に提出した学位論文で「旧約聖書における貧しい人々の権利」について論述していた。さらに「南米聖書目録」プロジェクトを立ち上げ、南米聖書解釈ジャーナル(RIBLA)の編集者も務めていた。シュバンテス博士はその他イスラエル史、イスラエル古代王国、人権と平和に関する数冊の書籍も出版た他、複数の名誉博士号も授与していた。
聖書研究センター(CEBI)コーディネーターでシュバンテス博士と学術活動を共にしていたエドミルソン・シネロ氏は「シュワンテス博士のおかげで南米で聖書読解が広く広まったともいえます。彼の聖書解釈に向けた熱心さに加え、聖書の御言葉に対する非常に深い洞察、御言葉の実際の人々の生活との関係性における適用など、シュバンテス博士の遺産は、エキュメニズムへの強い貢献となり、聖書におけるジェンダー問題や、フェミニスト的解釈などへの動機にもつながりました」と述べている。
シュバンテス博士の深く鋭い聖書研究によって、多くの人々が聖書解釈の取り組みを行う動機付けがなされるようになった。シュバンテス博士の聖書研究は、独創性に富み、とりわけ貧しい人々に寄与する聖書解釈に関して多くの称賛を得ていた。リバー・プレート福音教会(IERP)前幹事のフアン・アベラルド・シヴィント氏は、 「シュバンテス博士は、1992年の南米大陸植民地化から500年を記念した協議会で、南米大陸という先住民族の社会、文化、宗教が否定され、服従を余儀なくされた大陸にできた諸教会において、いかに聖書を信仰に適用していくかにおいて、改めて深い洞察を寄与されました」と述べている。
ロシレニー・アルヴェス・ドサントス夫人、3人の娘に恵まれたシュバンテス博士は2002年8月に腫瘍を取り除いてから、重度の身体障害を患うことになった。晩年は闘病生活に苦しみながらも、継続的に信仰に支えられた精神的強さと喜びを人々に証ししていたという。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏
-
ワールドミッションレポート(12月3日):ソマリア 厳しい大地に芽を出す福音の種
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
-
聖心女子大学と聖パウロ学園高校が協定締結 共にカトリック系
-
東京・銀座で牧師がトーク&ライブ「メリエストクリスマス2025」 12月25日
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(236)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(中編) 広田信也
-
ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
逆境は人生を開く 穂森幸一
-
キリストの心と思いが与えられている恵み(8)御言葉により与えられる安息 加治太郎
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
中国の大型政府非公認教会「シオン教会」の主任牧師ら18人逮捕、最大拘禁3年の可能性
-
聖心女子大学と聖パウロ学園高校が協定締結 共にカトリック系
-
ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(236)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(中編) 広田信也
-
逆境は人生を開く 穂森幸一
-
青山学院と山梨英和学院が協定締結、授業連携など視野に
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏
-
「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」
-
英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け
-
中国の大型政府非公認教会「シオン教会」の主任牧師ら18人逮捕、最大拘禁3年の可能性
-
映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く
-
聖心女子大学と聖パウロ学園高校が協定締結 共にカトリック系
-
ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加
-
青山学院と山梨英和学院が協定締結、授業連携など視野に
-
東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(236)聖霊による傾聴活動は日本社会を覚醒する(中編) 広田信也
-
逆境は人生を開く 穂森幸一

















