WCCとローマ・カトリック教会、マルタで会合

2011年11月11日11時22分 印刷
+マルタ・首都バレッタ西海岸の風景
マルタの首都バレッタ西海岸の風景

2013年に韓国釜山で開催される世界教会協議会(WCC)総会を前に、ローマカトリック教会(RCC)とWCCが最終となる全体会合を行った。イタリアとチュニジア、リビアの間に位置する地中海に位置するマルタ島は、歴史上ヨーロッパと北アフリカ、中東を結ぶクロスロードの役割を果たしてきたことで知られている。

使徒行伝28章において、パウロ使徒はローマへ行く途中船が難破し、マルタ島に3カ月滞在していたことも記されている。パウロ使徒が囚人であった頃に、マルタ島に教会が建てられた。同教会は初代教会の原型として始まり、今日に至っている。

RCCとWCCの全体会議はこれまでもローマとシリア・ダマスカスで行われ、パウロ使徒の宣教のビジョンとキリストの共同体のあり方について確認がなされてきた。パウロ使徒が「こういうわけですから、キリストが神の栄光のために、私たちを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに受け入れなさい(ローマ15・7)」と述べた御言葉に、RCCとWCCによる合同会議の指針が示されている。

この御言葉を基にして、合同会議では、それぞれの共同体における「受け入れること、エキュメニズムの霊的なルーツ、移民へのエキュメニカルな対応における今日の課題、および教会生活における若者のあり方」についての文書が作成された。同文書はRCCとWCCによって公表され、諸教会のエキュメニカルな生き方への指針を与えるものとして用いられるという。

長年におけるエキュメニカル対話による霊的生活の役割、エキュメニズムの価値観の重要性について注目を高めてきたことによる実りが、今後目に見える形で、一致を成し遂げるためのエキュメニカル運動進展の動きをさらに活力のあるものとするための大きな貢献となることが期待されている。

マルタ島でのキリスト教会の現状からも、移民への対応や教会での若者のあり方について重点を置いて対応して行くべきことが確認された。

第2次世界大戦時、マルタ島は壊滅的な被害に遭い、多くの若者たちが戦後マルタ島から他の地域に脱出するようになった。マルタ島の教会史において、北アフリカから多くの移民がマルタ島に移り住む様になった際に、どのようにしてカトリック教会のそれまでの教会システムが、迅速に多くの移民を効率的に受け入れる礼拝形式を形成できるようになったかについて、参加者らの関心が示された。

北アフリカからの移民は、マルタ島内の欧州連合(EU)の領土内に難民キャンプを形成し、荒波の中、重量超過となった船でマルタ島にかろうじて生き残って渡って来た人たちである。移民たちはマルタ島に移り住むことで何か今より良い未来があるという希望を抱き、危険を冒してまでもマルタ島に渡ってきた。

今回の合同会議では、マルタ島での移民の歴史と、移民をどのように教会が受け入れてきたかを再考することで、現代の移民の受け入れや若者の教会活動について再検討する良い機会となった。同会議の完全報告書は2012年8月にWCC中央委員会およびキリスト教一致促進のための司教協議会(PCID)に提出される予定であるという。

合同会議においてRCCとWCCはマルタ島首都バレッタにあるジョージ・アベーラ大統領官邸を訪問し、同大統領と会見も行った。同大統領は、紛争解決、世界キリスト教諸教会の一致促進のための宗教指導者の役割の大切さを強調し、アッシジでの世界平和の祈りの大切さについて語った。同大統領は「社会というものは、多様な中にあって、一致することが可能であると啓発させられる必要があります。諸教会は、このような金融危機の最中にあって、欧州全体における共通の価値観を追求するのを支援しなければなりません」と述べた。

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