ローマ教皇レオ14世は13日、アフリカ歴訪のためアルジェリアに向かう機内で記者団に対し、「私はトランプ政権を恐れてはいない」と述べた。米国のドナルド・トランプ大統領は12日、自身のソーシャルメディア「トゥルースソーシャル」で、レオ14世を「犯罪に弱腰で、外交政策もひどい」などと批判していた。
米ナショナル・カトリック・レポーター紙(英語)によると、レオ14世はロイター通信の記者に対し、「彼(トランプ氏)と議論したくはない」「福音のメッセージは、一部の人々が行っているような形で乱用されるべきではないと思う」と述べた。
また、自身を批判するトランプ氏の投稿について、米NBCニュースの記者に尋ねられたレオ14世は、「われわれは政治家ではなく、彼(トランプ氏)が理解するような視点で外交政策に取り組んでいるわけではない」と述べた。
AP通信の記者に対しては、「私のメッセージを、大統領が試みてきたことと同列に置くことは、福音のメッセージが何であるかを理解していないことだと思う」とコメント。「私は、今日の世界における教会の使命であると信じることを、これからも続けていく」と述べた。
トランプ氏の投稿についてコメントを求めた米ニューヨーク・タイムズ紙の記者に対しては、「サイト名(トゥルースソーシャル)自体が皮肉。それ以上言う必要はない」と応じた。
レオ14世はまた、「私は自分の役割を政治的なもの、あるいは政治家としてのものとは考えていない」と言い、「今日、世界ではあまりにも多くの人々が苦しみ、あまりにも多くの罪のない人々が殺されている。だからこそ、誰かが立ち上がって、もっと良い方法があると言わなければならない」と述べた。
一方、最近ますます強まっている自身の平和に対する呼びかけは、「誰かを攻撃する意図で行われたものではない」と強調した。
トランプ氏は12日の投稿(英語)で、「私は彼(レオ14世)よりも兄のルイの方がずっと好きだ。ルイは完全にMAGA(米国を再び偉大に)派だからだ。ルイはそれを理解しているが、レオ14世は理解していない」と批判。「イランが核兵器を保有しても構わないと考える教皇は望まない」「米国がベネズエラを攻撃したことをひどいことだと考えるような教皇は望まない」などと続けた。
また、米国人のレオ14世が教皇に選出されたのは、自身に対処するのに最善だと思われたからだと主張し、「米国人という理由だけ」で選ばれたに過ぎないとコメント。「私がホワイトハウスにいなかったら、レオ14世もバチカンにはいなかっただろう」と述べた。
さらに、「レオ14世は教皇としてしっかりし、常識を働かせ、過激な左派に迎合するのをやめ、政治家ではなく偉大な教皇となることに専念すべきだ。それ(最近の言動)は彼自身をひどく傷付けているだけでなく、何よりもカトリック教会に害を及ぼしている」とつづっていた。
この投稿に対しては、トランプ氏と親しいイタリアのジョルジャ・メローニ首相も13日、短い声明(英語)を発表し、「容認できない」と批判。「教皇はカトリック教会の長であり、平和を呼びかけ、あらゆる形態の戦争を非難するのは当然かつ正常なことだ」と指摘した。
トランプ氏は、レオ14世を批判する投稿の約1時間後には、自身をイエス・キリストに見立てた画像をトゥルースソーシャルに投稿した。しかし、「冒瀆(ぼうとく)だ」などとする批判が相次いだことで、その後削除した。
画像は人工知能(AI)で作成したもので、イエス・キリストを思わせる衣を着たトランプ氏が、病人を癒やすため頭に手を置いているように見えるもの。背景には、星条旗や自由の女神、戦闘機、米国の国鳥であるワシなどが描かれ、トランプ氏と病人の周りを軍人や看護師、手を合わせて祈る女性らが囲む構図となっている。
英BBC(日本語版)によると、トランプ氏は記者団の質問に、画像は自身が投稿したものだと認めた上で、自らを「医者」として描こうとしたものだったと釈明。「大勢が混乱していた」ため、画像を削除したと話したという。


















