英国国教会は、最新の統計で礼拝出席者数が4年連続で増加したことを歓迎した。
16日に発表された速報値(英語)によると、2024年の礼拝出席者数は全体で前年比1・2%増の102万人、日曜日の礼拝出席者数は同1・5%増の58万2千人だった。週間平均礼拝出席者数も増え、同1・2%増の70万1千人となった。
増加の主な要因は、成人の礼拝出席者数の増加で、日曜日の礼拝出席者数、週間平均礼拝出席者数はそれぞれ、前年に比べ1・8%と1・5%増加した。
インターネット上での関心も高まっており、英国国教会の教会検索サイト(英語)の閲覧数は、前年比で55%増加し、2024年は約2億万回に達した。
前カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーの辞任に伴い、現在暫定的に英国国教会のトップを務めているヨーク大主教スティーブン・コットレルは、この数字に勇気づけられているとし、より多くの人々が信仰を持つようになったことの表れだと見ている。
「英国国教会はイングランドのあらゆる地域社会でイエス・キリストの福音を伝え、隣人を愛し、奉仕するために存在しています。ですから、より多くの人々がイエス・キリストを信じるようになり、人生が変えられた兆候が増えることは励みになります」
「これは単なるスナップショットであり、過去1年間に教会に通い始めた人々の年齢は分かりませんが、他の証拠は、その多くが若年層であることを示しています。これは、日曜日ごとに教会を訪れ、新しくクリスチャンになった人々に洗礼や堅信礼を授けた私の経験でもあります」
「これは、日々、地域社会に福音を伝えている教会の全ての人々の信仰と希望の証しです。私の祈りは、この不確かな時代に、より多くの人々がイエス・キリストの愛と恵みのメッセージを知るようになることです」
英国国教会のビジョン・戦略担当ディレクターを務めるデビー・クリントンさんも、この数字に勇気づけられている。
「この統計は数字以上のものです。それぞれのデータは、地域教会に所属している個人が、全国の地域社会で奉仕していることを表しているのです。私たちは2024年に、都市と農村の小教区で教会が成長したという心躍る状況を見聞きしてきました。住宅地や脱工業化した町、沿岸部の町の小教区でも同様です」
「若者一人一人の手の届くところに、子どもや青少年、家族のための働きがあるようにすることを、全国的に目指しています。25人以上の若者が通う教会の数が増えています」
ロンドン南部のアッパーノーウッドには、最近、劇的な逆転劇を経験した教会がある。
アッパーノーウッド聖ヨハネ福音記者教会のジョン・プリチャード牧師によると、同教会はかつて、衰退の一途をたどっていたが、今では多くの人々が訪れるようになり、40人のボランティアチームが「フル回転」で奉仕している。
今年は、イエスがロバに乗ってエルサレムに入城したことを記念するパームサンデー(棕櫚の主日)に本物のロバを登場させ、礼拝に300人以上が参加した。また、イースター(復活祭)に行ったバーベキューには、約2千人が集ったという。
毎月開催している、伝統にとらわれない自由な集会である「メッシーチャーチ(ごちゃ混ぜ教会)」には毎回400人以上が参加しており、そのうちの何人かは洗礼を受け、日曜日の礼拝にもつながっている。

また、毎週開催しているキリスト教主義の親子集会には、現在400人ほどの常連がいる。メッシーチャーチから発展させた独自の取り組みである「メッシーミール」には、毎週約80人が参加している。
これらは全てレイチェル・グレッドヒル副牧師が始めた働きで、子どもたちや若年の家族に向けた2年間にわたる意図的な伝道の成果だという。
今後は次のステップとして、ユースパスター(青年担当牧師)を雇い、子どもたちを対象にした音楽ミニストリーを発展させようとしている。
「私たちは衰退しつつある教会でしたが、もう衰退していません」とプリチャード牧師は言う。「人々は共同体を求めており、大切にされていると実感できる場を探しています。福音がその答えを提供しているのです」
「私たちは、教会でないふりをする場面は一切ありません。牧師たちはいつもドッグカラ―(立ち襟)の付いた服を着ています。また、私たちは教会暦を守っています。教会共同体が人々の生活に歓迎されていない、関係がないかのような話がありますが、そんなことは全くありません。人々は自分の居場所を探しているのです。私たちは皆、隣人なのです」