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ワールドミッションレポート

ワールドミッションレポート(8月14日):オーストリア ブラジル出身のオペラ歌手、ウィーンで元イスラム教徒、元仏教徒、元無神論者からなる教会を設立(3)

2024年8月14日08時48分 執筆者 : 石野博
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関連タグ:オーストリア

ブラジル出身のオペラ歌手マリアが、イラン人の少女と出会って始めた小さな聖書研究会は、やがて100人を超える教会となったのだった。イスラム教徒がたくさん救われたために、彼らの奉仕は決して平坦な道ばかりではなかった。(第1回から読む)

近年は欧州でも、クリスチャンや教会が攻撃されるリスクは常にある。数年前、マリアが始めたウィーンの教会は、福音に敵対する何者かに侵入された。教会での食事は、交わりの中心の一つであるが、実はこの時、マリアの食事に毒が盛られたのだ。そのため、彼女は入院することを余儀なくされた。幸い彼女はその後、毒が抜けて回復することができた。

このような迫害があっても、マリアは前進することをやめない。かつての敵対者同士が転じて、キリストにあって和解するのを見られるなら、それは危険を冒す価値があると彼女は確信しているからだ。ハーツィルはこんな話をした。

「最近、私が洗礼式を手伝うためにウィーンの教会を訪れたときのことなのですが、ある男が私に近づいてきて、自分はイラン出身だと言ったのです。そこで私は『イラン人と米国人の仲がいつも悪いのは周知の事実だが、キリストにあって君は僕の兄弟だ。今一緒に写真を撮りたいのだけどいいかな?』。その場にいたアフガニスタンの兄弟がこう言いました。『僕たちがそれぞれの母国にいたなら、おそらく互いに銃口を向け合う関係だっただろうね。僕はスンニ派だったし、イランの彼はシーア派出身、そしてハーツィルは米国人だ。しかし僕たちは、今ではキリストにある兄弟だなんて、なんて素晴らしいことなんだろう!』とね。また、礼拝のためにバイオリンを弾いていたあるベトナム人の兄弟が立ち止まって、私たちに加わりました。彼は『ベトナムだって米国と問題を抱えているよ。でも、かつては怒りの関係だった男たちが、今ではイエスのうちに平和を見いだした。キリストにある兄弟たちはもはや戦う必要がないんだ』」

神はこの開拓教会を祝福し続けている。イラン人、アフガニスタン人の元イスラム教徒の男たちやベトナム人など、多くの移民たちがこれに加わっている。「この新しい働きはゼロから始まり、2年足らずで94人の成人が洗礼を受けました」とハーツィルは語った。「新しい改宗者のほぼ全員が、イラン、アフガニスタン、ベトナムからの移民です。この成長は、これらの新しい信者が、彼らが新しく見つけた信仰を彼らの民族グループの人々と分かち合った結果なのです」

ハーツィルは年に数回訪れて洗礼式を手伝い、急成長する教会家族の中にイスラム教徒、仏教徒、カトリック教徒の背景を持つ信者がいることから生じる問題の解決に尽力している。「私の役割は主にコーチングです。私たちは聖職に召されていると感じているイラン人男性を特定し、近い将来この教会の牧師の役割を担ってくれることを期待して育てているのです。彼の移民資格はまだ申請中ですが、彼はすでに教会の弟子訓練で新しい改宗者を教えています」

ハーツィル夫妻やマリアを用いて、神がウィーンで行われている働きのために祈ろう。欧州では現在、家の教会をはじめ、移民や難民出身者らによって教会成長が急激に促されている。このような人々が、欧州全体の霊的な勢力図を書き換えるような奉仕を展開している。どのような背景があろうとも、彼らはキリストにあって一つなのだ。このような教会モデルが一層欧州で力強く根を下ろし、前進するよう祈っていただきたい。

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■ オーストリアの宗教人口
カトリック 64・5%
プロテスタント 4・5%
無神論 11・5%
イスラム 5・5%
ユダヤ教 0・1%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:オーストリア
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