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ゆりかごから墓場まで 穂森幸一

2024年7月25日15時47分 コラムニスト : 穂森幸一
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母の胎から出て来たときのように、また裸でもとの所に帰る。彼は、自分の労苦によって得たものを、何一つ手に携えて行くことができない。(伝道者の書5:15)

人は誰でも、生まれてくるときと息を引き取った後は、誰かの手助けがなければどうすることもできません。社会保障が十分に整備されていなかった昔は、地域の人々が力を合わせてお産の手伝いをしていました。また葬儀の時は、村を挙げて協力していました。貧富の区別なく、たとえ村八分の状態であっても葬儀は手伝っていました。

昔に比べたら格段に社会保障が進んでいるはずなのに、今は少子高齢化が進んだせいか、地方では産院の閉鎖があり、「お産難民」という言葉が生まれている地域もあるといいます。

鹿児島市内では2カ所の公営火葬場があり、最近改装されて炉の数も増やされたので、ほとんど希望する日に引き受けてもらえます。ところが、東京では9カ所ある火葬場のうち、7カ所は民営だそうです。しかもどこも満杯で、フル稼働しても、少なくとも1週間待ちだといわれます。費用も、鹿児島は9千円ですが、10倍の9万円(民営と公営の平均値)だといわれます。ここに民間がビジネスとして参入し、費用をかなり引き上げる話もあると聞いています。

火葬場待ちが1週間もありますと、自宅にご遺体を置いておくわけにもいかず、どこかに預けなければなりません。ところが安置所に持っていきますと、一晩で2万円から3万円かかるといわれます。ここにもビジネスが発生し、死者のホテル運営と呼ばれています。1週間もすれば21万円くらいになりますので、大変な出費です。

これは私の切実な希望なのですが、生と死に関することは、国家事業として、ビジネスの発生する余地がないようにするのがいいのではないでしょうか。つまり、出産の費用と火葬は国費で負担し、その設備についても自治体が責任を持つようにした方がいいのではないかと思います。

生まれてくる子どもが年間70万人、亡くなる人が120万人だといわれていますから、単純計算で5千億円もあれば足ります。少子化対策で作られたこども家庭庁の運営予算が2兆円といわれますから、5千億円は捻出できるはずです。

これは知り合いの僧侶から聞いた話ですが、ある方から葬儀の依頼がきたそうです。自分の家族ではないが、親しくしていた近所のお年寄りが亡くなったそうです。ところが、この方は一人暮らしで身寄りがなく、役所に問い合わせても、親戚とかの手掛かりは分からないというのです。しかも、現金をほとんど残していなかったみたいなのです。

生活保護を受けている人であれば、行政が葬儀の費用を負担するし、火葬場も割引になります。しかし、このお年寄りは生活保護ではなかったので、行政は何の補助もできないというのです。仕方なく、近所の知人であるその方が全てを負担して葬儀を行ったそうです。

今後、このようなケースが増えてくるかもしれません。生活保護の方だけでなく、身寄りのない方にも行政の援助が届くような法整備ができればと願っています。

鹿児島県鹿屋市のある集落の墓地を訪れたとき、驚いたことがありました。墓石に文字が何も刻まれていない墓があったのです。それは昔、この地区で行き倒れになった人を埋葬した墓だそうです。150年以上前の人の墓なのに、きれいに掃除されていて、新しい花と缶ビールが手向けられていました。自分の親戚ではなくてもちゃんと管理しているこの地区の人々は、心が優しいのだなと思いました。

ザビエルが来日した頃の京都では、地位のある人や裕福な人が亡くなったときは棺桶に入れて丁寧に埋葬していましたが、身寄りのない人や貧しい人は、亡くなっても放置するか、川に流すかといったありさまだったそうです。

カトリックの宣教師たちは穴を掘り、放置されていた遺体を埋葬していきました。その様子を見て、人々は宣教師の周りに集まり、話を聞くようになったそうです。貧しい人々の葬儀を支援することは、宣教の機会になっていったのです。

私はホテルや結婚式場でのチャペル結婚式に20年間関わってきました。結婚カウンセリングを通して、聖書の話をする機会もありました。中には、教会に通うようになり、洗礼にまで導かれるカップルもいて、ブライダル伝道の機会になりました。

葬儀も伝道の機会になるかもと思い、「花と音楽に包まれたキリスト教葬儀」というテーマを掲げて事業化してみましたが、思うように進展しませんでした。葬儀は故人の意向よりも喪主や遺族の気持ちが優先しますので、取り組みが空回りしていたのかもしれません。戦国時代の宣教師たちのように、弱い立場の人々に寄り添う姿勢を学ばなければならないと思います。

人生の中で、誕生、結婚、死亡という三大イベントに関わっていくのが宗教ではないでしょうか。人生の始まりと終わりにおいて、希望と慰めを語る役目を十分に果たしていくならば、人々の宗教への関与も変わってくるのではないかと思います。

今からは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。かの日には、正しい審判者である主が、それを私に授けてくださるのです。私だけでなく、主の現れを慕っている者には、だれにでも授けてくださるのです。(2テモテ4:8)

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◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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