Skip to main content
2025年8月28日11時04分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム

そんなに急いでどこへ行くのですか 安食弘幸

2024年7月17日13時05分 コラムニスト : 安食弘幸
  • ツイート
印刷
関連タグ:安食弘幸
そんなに急いでどこへ行くのですか 安食弘幸+

「静まって、わたしこそ神であることを知れ」(詩篇46:10)

ある男が新車の発表会に行きました。新しい車がズラーッと並んでいます。その中で特に目を引いたのは、カッコイイスポーツカーでした。

このスポーツカーは最新の装備を持ち、あっという間にトップスピードに乗ることができました。エンジンをかけてから100キロのスピードを出すまでに、4秒もかからないのです。彼は、このスポーツカーがどうしても欲しくてたまらなくなりました。

それで家に帰って妻に相談しました。「新しい車買いたいんだけどどうかな? スゴイんだぞ。4秒以内に100キロを超えるんだ!」妻の答えはもちろん「NO!」しかし彼は諦められずに必死に食い下がります。

「どうしても欲しいんだ。もうすぐボクの誕生日だし、いいだろー!4秒以内に100キロだぜ!これを買ってくれたらもう一生何か欲しいって言わないからさ」。そこで妻は仕方なく言いました。「分かったわ!4秒以内に100キロを超えるのをあなたの誕生日プレゼントにしてあげる」

そして、彼の誕生日がやって来ました。彼は仕事が終わると、すぐに家に帰りました。

妻が言いました。「あなたおかえりなさい。プレゼントはガレージにあるわよ!」彼が喜び勇んでガレージに行って見ると、きれいなリボンがかかった新しい体重計が置いてあり、メモが貼ってありました。

「あなたが乗れば4秒以内に100キロを超えます」

私たちの住んでいる世界では「速い」ということに価値があります。オリンピックの競技も速さを競います。乗り物(自動車、船、飛行機、列車)も速さを追求します。より速い宅急便、より速い出前、より速い仕事が要求されます。母親は子どもに対して口ぐせのように言います。「早く、早く、早くしなさい」

しかし聖書を見るとき、イエス・キリストの周りでは、時間はゆっくり深みを持って流れているようです。聖書のメッセージは、速さよりも方向の大切さを教えています。「あなたは速く、早くと人生を走っているけれど、その方向性は正しいのか?」と問いかけるのです。

一人の母親が8歳の娘を白血病で失いました。死が近いある夜のこと。消灯時間が過ぎても寝付かれないでいるその子のために、若い看護師さんが本を読んでくれたそうです。

やがて静かな寝息をたて始めた子ども。しかしその看護師さんは、なおも30分近くベッドサイドにいたのです。その娘が亡くなった後で母親がこう言ったそうです。「あの子がその夜ふっと薄目を開けて見たとき、まだ看護師さんがそばにいてくれた。眠らせるためだけに本を読んでくれる人が多いのに本当にうれしかった」

私たちは忙しさを理由にして、用事のためだけに人と共にいることが多くなっているのかもしれません。イエス・キリストは用事のためだけにこの世に来られたのではありません。子どもを寝かせつけるや否や去っていく人としてではなく、子どもと共にいるために来られたのです。

もし「救い」という用事のためだけならば、幼子の姿をとる必要はなかったのです。この地上に33年もとどまる必要もなかったし、十字架の苦しみも、死ぬ必要もなかったのです。ただ「赦(ゆる)す」というメッセージを大空に書けばよかったのです。

しかし、イエス・キリストは私たちを愛する故にこの世に来られ、人々の間に住まわれ、痛み、苦しみ、悲しみを味わわれたのです。私たちはこのイエスの愛に応えるために「自分にできる最高のことをして」お仕えするのです。

私は2005年に中国の地下教会に聖書を運んだとき、一人の指導者にお会いしました。91歳でした。人々は彼のことを「パンダ先生」と呼びました。初めて会った人が動物園のパンダの檻の前で待ち合わせをしたので「パンダ先生」と呼ばれることになったのです。

パンダ先生は1958年(44歳)に信仰の故に逮捕され、シベリアに近い黒竜江省の労働改造所に送られます。無期懲役です。厳しい気候(冬はマイナス30度)の中で、昼間は9時間の重労働、夜は思想教育を受けます。

21年と8カ月そこにいましたが、1979年に釈放されます。それは労働改造所に次々と人が送られてきたために、60歳以上で20年以上中にいる者は出されたのです。44歳から65歳という人生の成熟期を牢獄で過ごしたのです。

「どうして21年8カ月も耐えられたのですか」とお聞きすると、「心に暗記した聖書の言葉(特に詩篇27篇)と『丘に立てる粗削りの』という賛美歌によって私の信仰は守られました」と言われました。さらに「私は無期懲役でしたから、家に帰れる希望はありませんでした。ここで死ぬ、それでいい。喜んで主のために死のう。そして、今日一日生かされるならこの一日を主のために生きよう。そう思っていました。主イエス様の十字架の苦しみに比べれば、私の苦しみは苦しみというのに値しません」と言われました。

先生の奥様は大変美しい方で、夫が無期懲役で逮捕されたとき、正式に離婚の手続きをとって再婚するように共産党の幹部から何度も勧められたそうです。奥様はそれをキッパリと断り、帰って来る見込みのないパンダ先生の妻であり続けることを選ばれたのです。奥様は夫が帰って来るようにではなく、夫が遣わされた所でイエス様の使命を全うできるように祈り続けたそうです。

私たちが先生ご夫妻のお宅を訪ねたときは冬の夕暮れ時でした。部屋に入ると和(にこ)やかに迎えてくださり、お茶、お菓子、果物をさかんに勧めてくださいました。それは、久し振りに訪ねてきた孫を歓待するオジイちゃんとオバアちゃんのようでした。

しかしその部屋にはイエス様のご臨在が満ち満ちていました。忘れることのできない経験でした。最後に「丘に立てる粗削りの十字架」を一緒に賛美しました。天国の心地でした。

私たちが中国から帰ってしばらくして「パンダ先生が天国に召されました」という連絡を頂きました。91年の神に祝福された生涯を終えて天に帰られました。私たちも天国に行くとき、再びお会いできるのです。

イエス・キリストを信じるとは「私たちを愛して十字架で死んでくださり、3日目によみがえられたイエスをいつも見上げて、どこまでも、どんな時も王の王、主の主として従っていくこと」です。それはゆっくりとした、充実した人生なのです。

◇

安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

■ 峰町キリスト教会ホームページ
■ 峰町キリスト教会 YouTube
■ 峰町キリスト教会 Facebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:安食弘幸
  • ツイート

関連記事

  • 神に選ばれた人生 安食弘幸

  • 神のわざが現れるため 安食弘幸

  • 豊かに刈り入れる人生 安食弘幸

  • 心の照準の合わせどころ 安食弘幸

  • 永遠に残るもののために 安食弘幸

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(10)抗黙示思想 臼田宣弘

  • ワールドミッションレポート(8月22日):コンゴのレンドゥ族のために祈ろう

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(229)コロナ禍による信仰生活への影響 広田信也

  • 主キリストの大きな力で癒やされよう 万代栄嗣

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(241)聖書と考える「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

編集部のおすすめ

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.