Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(18)「5つのパンと2匹の魚」―第4のしるし― 臼田宣弘

2023年8月16日13時25分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
アンブロシウス・フランケン「パンと魚を増やす奇跡」
アンブロシウス・フランケン「パンと魚を増やす奇跡」(ベルギー・アントワープ王立美術館所蔵)

今回は、6章1~14節を読みます。ここでは、「カナの婚礼」「役人の息子の癒やし」「ベトザタの池での病者の癒やし」に続く、ヨハネ福音書における4番目のしるしの記事である「5つのパンと2匹の魚(5千人の供食)」のことが伝えられています。けれどもこの「5つのパンと2匹の魚」のお話は、4つの福音書全てに記されているものです。

共観福音書では、弟子たちの召命については、ペトロ、アンデレ、ヤコブ、ヨハネ、マタイのものが伝えられています。けれどもヨハネ福音書では、ペトロ、アンデレ、愛弟子(ヨハネであるともいわれる)、フィリポ、ナタナエル(バルトロマイの別名の可能性がある)の記事が伝えられています(第3回を参照)。

ヨハネ福音書では、召命後の弟子たちのことについては、これまでは伝えられていませんでしたが、6章においては、弟子たちに関するさまざまなことが伝えられています。6章について執筆する今回以後は、そこにも着目していきたいと思います。

ガリラヤに帰る

6:1 その後、イエスはガリラヤ湖、すなわちティベリアス湖の向こう岸に渡られた。2 大勢の群衆が後を追った。イエスが病人たちになさったしるしを見たからである。3 イエスは山に登り、弟子たちと一緒にそこにお座りになった。4 ユダヤ人の祭りである過越祭が近づいていた。

5章で、エルサレムのベトザタの池のほとりでの言動が伝えられたイエス様ですが、6章ではガリラヤに帰ってからのことが伝えられています。大勢の群衆がイエス様の後を追ったとありますが、その数はおよそ5千人でした(10節)。

イエス様は山に登られ、そこに群衆もついて行きました。聖書においては、出エジプト記におけるシナイ山(ホレブ山はその別名とされる)のように、山は神聖な所とされています。人々は、神聖な場所である山の上へと行ったのです。

そしてそれは、「過越祭が近づいていた」時のことでした。5千人にも上る人たちが集まっていたというのも、過越祭のような大きな祭りを連想させますが、このお話は、ガリラヤのある山上における過越祭を意味しているのだと思われます。過越祭においては、小羊をほふりそこにおいて共に食事をしますが、ここでも人々は草の上に座って共に食事をしているのです(10節)。

フィリポを試す

5 イエスは目を上げ、大勢の群衆がご自分の方へ来るのを見て、フィリポに言われた。「どこでパンを買って来て、この人たちに食べさせようか。」 6 こう言ったのはフィリポを試みるためであって、ご自分では何をしようとしているか知っておられたのである。7 フィリポは、「めいめいが少しずつ食べたとしても、二百デナリオンのパンでは足りないでしょう」と答えた。

フィリポについては、ヨハネ福音書にのみ召命の記事があり、またその言動が伝えられています。このため、フィリポについては後のヨハネ共同体における中心的人物であるともいわれています。また、使徒言行録8章4節以下に伝えられている、サマリア伝道を行ったフィリポと同一であるという説もあり(第11回参照)、ヨハネ共同体がサマリア伝道を行っていたことを勘案すると、彼が初代教会の指導者であった可能性は否めません。

その意味では、同じように12弟子の1人であって、初代教会の指導者となったペトロと似るところがフィリポにはあります。しかし、ペトロがイエス様の生前に不信仰なことを繰り返していたのと同じように、ヨハネ福音書の伝えるフィリポにもあまりいいところがありません。

ここでは、イエス様が大勢の群衆を見て、「どこでパンを買って来て、この人たちに食べさせようか」とフィリポに言われますが、彼は目の前の状況にとらわれていて、イエス様がその人たちに対して行うしるしを想定することができなかったのです。

フィリポは、「めいめいが少しずつ食べたとしても、二百デナリオンのパンでは足りないでしょう」と答えます。当時の1デナリオンは労働者の1日の日当でした。私は1日の日当を、現在の日本円に換算すると5千円であると考えています。だとすると200デナリオンはざっと100万円になりますから、5千人1人当たりのパン代は200円ということになります。

「ここに100万円あっても、これだけの人を養うには足りません」というフィリポのこの言葉は、至極当然なものではあったでしょう。しかしフィリポには、新たな時代の過越祭を主宰するイエス様がなされる、その御業を予測することができなかったのです。

イエス様のところに連れて行くアンデレ

8 弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。9 「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、それが何になりましょう。」 10 イエスは、「人々を座らせなさい」と言われた。その場所には草が多かった。それで、人々は座った。その数はおよそ五千人であった。

アンデレについては、第3回で既にお伝えしていますが、弟であるペトロをイエス様のところに連れていったのも彼でしたし、どうもこの人には「他者をイエス様のところにお連れする」という特性があったようです。ここでもその役割を遺憾なく発揮しています。

5つのパンと2匹の魚を持った少年を、イエス様のところに連れて行っているのです。私は、「他者をイエス様のところにお連れする」というこのアンデレの特性は、やはり教会の指導者になったとされている彼の生涯にわたるものであったのではないかと考えています。

また、このパンについては、他の福音書では「パン」とだけ伝えられているのですが、ヨハネ福音書では「大麦のパン」と伝えられています。大麦のパンはより質素なものであり、ガリラヤの住民たちが質素な生活をしていたことをうかがい知ることができます。

そしてヨハネ福音書のみが、5つのパンと2匹の魚を持っていたのが少年であったと伝えています。いと小さき少年であっても、イエス様に持ち物を差し出すときに祝福していただけると教えているのも、ヨハネ福音書であるということです。

モーセとマナ

11 そこで、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。12 人々が十分食べたとき、イエスは弟子たちに、「少しも無駄にならないように、余ったパン切れを集めなさい」と言われた。13 集めると、人々が大麦のパン五つを食べて、なお余ったパン切れで、十二の籠(かご)がいっぱいになった。14 人々はイエスのなさったしるしを見て、「まさにこの人こそ、世に来るべき預言者である」と言った。

少年の持っていた5つの大麦のパンと2匹の魚は、イエス様によって感謝の祈りがささげられた後に、人々に分け与えられます。感謝の祈りがささげられたと伝えているのも、ヨハネ福音書だけです。この感謝の祈りは、共観福音書における、最後の晩餐での祈りと共通しています。

最後の晩餐は、新しい過越の食事を意味しており、この祈りがここでなされたこともまた、この山でのイエス様による供食が、新しい過越祭であることを示していると思います。つまり5千人の供食とは、新しい出エジプトの出来事でもあるのです。

この新しい出エジプトという観点でいうならば、ここでの食事は、出エジプト記16章に伝えられるマナのお話とも共通していると見ることができます。神様は、エジプトを脱出したイスラエルの民に、天からマナを与えられました。イエス様も、ガリラヤの人々にパンをお与えになったのです。

マナは、安息日の前日以外は残すことができませんでした。モーセによって、「誰もそれを翌朝まで残さないように」と命じられているのです(出エジプト記16章19節)。ここでイエス様によって「少しも無駄にならないように、余ったパン切れを集めなさい」と命じられているのも、モーセを通しての神様からの言葉と結び付けられているのでしょう(G・R・オディ著『NIB新約聖書注解5 ヨハネによる福音書』138ページ)。

共観福音書ではこのお話はここで終わりますが、ヨハネ福音書では、この件に端を発した議論がなされていくことが、この後に伝えられていきます。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ヨハネ福音書を読む(17)「父がお遣わしになった者」―ベトザトの池のほとりでの説教(2)― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(16)「命を与えるイエス様」―ベトザトの池のほとりでの説教(1)― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(15)「癒やされた人の告知」―ユダヤ人たちの迫害が始まる― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(14)「ベトザタの池での病者の癒やし」―第3のしるし― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(13)「役人の息子の癒やし」―あなたの息子は生きている― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.