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世界宣教祈祷課題

世界宣教祈祷課題(5月21日):インド

2023年5月21日19時14分 執筆者 : 奥山実
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関連タグ:迫害
ヒンズー民族主義者ら、牧師家族を襲撃 1人死亡 コロナ禍でも迫害続くインド+
インド北部の都市バラナシの様子=2007年11月18日。バラナシはヒンズー教の聖地として知られている。(写真:Vyacheslav Argenberg)

ダマスコ途上でのパウロの回心は、迫害者が信者に変えられた見事な聖書のサンプルだ。そんなパウロのような回心が、ある強硬なヒンズー教徒の迫害者の上にも起きた事例を紹介したい。

ヒンズー教の出身で、多くの偶像や悪霊を崇拝していたプラデュマン・プラダンは「私はキリスト教徒を殺害し、害を与えることで悪名高いヒンズー過激派のリーダーでした」と語る。彼の家には、カーリーというヒンズー教の女神の偶像があり、毎日儀式を行い、いけにえをささげ、仕えていた。

「私の村では私がリーダーであり、全ての村人は私を尊敬していました。私が権力を持っている限り、この村ではキリスト教徒に未来はないだろうと、村人たちは当然のように考えていたのです」

彼には200人の過激派の配下がおり、キリスト信者を追い詰め、危害を加えることさえできた。そんな中、プラダンに衝撃を与える異変が起きた。弟のボーラトがキリスト信者になったのだ。ボーラトは5人の息子を次々と亡くし、喪失感と悲しみに打ちひしがれていた。人生に答えを探し求めていた彼は、キリストのうちにそれを見いだした。

しかしプラダンは決してそれを許さなかった。彼はボーラトの家で、直接本人に対峙し「本当にキリスト信者になったのか」と尋ねた。「ああ、それは本当だ」とボーラトは告白した。

「それが事実なら、俺たちはお前の家をたたき壊し、お前を村から追い出さなければならない」と弟に警告した。プラダンは、たとえ自分の家族であっても、この村からキリスト教を排除すると決意していたのだ。

しかしこの後、プラダンは厳しい試練にさらされるようになる。「私は全てを失いました。末の娘が深刻な体調不良に陥り、私は娘を助けてもらうため、呪術師を家に呼びました。驚いたことにこの呪術師は『振りかざした力で自分の娘を殺しているのは、あなた自身です』と言ったのです」

この事実に驚き、自分の境遇に落胆したプラダンは怒りに震えた。その怒りは自分自身に向けられ、彼は自暴自棄になり、酒とタバコに溺れた。やけになった彼は、キリスト教徒を迫害する過激派との関わりを強めていったのだ。

しかしある日、神はプラダンの足を止めた。ダマスコ途上でタルソのサウロにされたのと同じようにである。プラダンは言う。「主が介入してくださったのです。ある夜、私はビジョンを見ました。ご自身の目的のために、私の人生に呼びかける神の招きを聞いたのです」

プラダンは衝撃的なキリストとの出会いを経験し、答えを探し始めた。「翌日よりによって私は、自分が経験したことを解明するため、何人かのキリスト者に、自分に会ってくれるよう頼みました。彼らに会うと、彼らはイエスについて話し、私や私の家族、特に病気の娘のために祈ってくれました。彼らが祈り終えると、なんと私の娘は瞬時に癒やされたのです。この奇跡を見て、私は自分の人生をイエスにささげる決意をしました」

ところが、プラダンが信仰の歩みを始めると、娘は再び病気になり、亡くなってしまった。「人々は、私がイエスに従っているからこうなったのだと言って、私を罵倒しました。彼らは、娘を生き返らせてみせろと言いましたが、私はそれが神の御心ではないと確信していました」

プラダンが信者になってからの17年間、彼はさまざまな形の迫害に耐えてきた。皮肉なことに、その多くは自分が迫害者だったときに加えた迫害と似ていると言う。

2011年以来、プラダンはトーマス兄弟の弟子訓練を受けている。トーマス兄弟は、プラダンがかつて率いていた同じ過激派から迫害を受けていた。「ブラザー・トーマスは私に弟子訓練を施し、私の地域に対する神の計画が見えるように助けてくれました。今では、私の村の多くの人がキリスト信者となり、神の王国を広げるために熱心に働いているのです」

迫害者から信者に変えられた証しほど力強い証しはない。近年、ヒンズー過激派の台頭とキリスト者迫害が激化するインドだが、プラダンのような第2、第3の「タルソのサウロ」のような回心者が起こされ、インドの伝道が進むよう祈っていただきたい。

■ インドの宗教人口
ヒンズー 74・3%
プロテスタント 3・6%
カトリック 1・6%
英国教会 0・2%
イスラム 14・3%

※ この記事は、世界宣教センター所長の奥山実牧師のフェイスブックに掲載された「世界宣教祈祷課題」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:迫害
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