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政治と宗教との関わり 佐々木満男

2023年3月6日17時27分 コラムニスト : 佐々木満男
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関連タグ:佐々木満男世界平和統一家庭連合(旧統一協会)

1. 国家と宗教

現在、旧統一協会と政治家のつながりが大きく報道される中で、それを憲法違反だと考える人や、政教分離という観点からそれを問題視する人が多くいます。

法律論として考えると、憲法で定められているのは「国家と宗教」の分離であって、「政治と宗教」の分離ではありません。つまり、憲法は国家が特定の宗教団体に特別な権限を与えることを禁じているのです。特定の宗教を国教にしたり、特別に優遇することによって、それ以外の宗教が弾圧されたり、冷遇されることを避けるためです。これは憲法で定められている「信教の自由」にも関わる問題です。

今、大きな問題となっているのは「宗教と政治家」あるいは「宗教と政党」の関係性です。実は、憲法は政治家や政党と宗教の関係を遮断してはいません。例えば、クリスチャンの政治家が、教会の礼拝に出席したり、教団から選挙などの応援を受けることは当然に認められることです。それは信教の自由として憲法で認められている権利です。クリスチャンが「キリスト党」という名の政党を結成することも自由です。「上に立つもののために祈りなさい」と聖書にあるように、政治が神の御心に従って行われるように、クリスチャンは政治にも積極的に参加するべきだと思います。

ですので、旧統一協会と政治家あるいは政党との関係は憲法問題ではありません。しかし、旧統一協会が反社会的な団体であることを考えると、政治家、あるいは政党が反社会的団体と関わりを持つことは重大な社会問題であるといえるでしょう。マスコミなどの論調は宗教と政治家、政党が関わることは全て違法だと言っているように思えますが、それは大きな誤解です。旧統一協会問題によって、正当なキリスト教が政治に関わることに委縮しないことを願います。

2. キリスト教と政治の関係

日本の政治を振り返ってみると、歴代の総理大臣の中には、かなりの数のクリスチャンがいます。明治時代では平民宰相と呼ばれた原敬や片岡健吉、戦後は吉田茂、片山哲、大平正芳、麻生太郎などもクリスチャンの首相でした。歴代首相の中でのクリスチャンの割合は13パーセントといわれています。また、旧社会党の創立者の一人は賀川豊彦であり、その後の歴代の委員長には十字架委員長と呼ばれた河上丈太郎などのクリスチャンが名を連ねています。

日本はクリスチャンが非常に少ない国ですが、神様は聖書の価値観を持つ政治家によって、日本の国に大きな影響を及ぼしてきたといえます。政界だけでなく、矢内原忠雄や新渡戸稲造など、官界、教育界や財界などのさまざまな分野でクリスチャンが大きな影響を与えてきたのです。このように考えると、たとえ数は少なくても、少数のクリスチャンを用いて、日本を神の御心の道へと導いてこられたのだといえます。

3. キリスト教が国家権力と結びついた失敗例

先ほどの政教分離の話に戻りますが、政教分離は国によって全く異なります。例えば、イスラム教を国教とする国はたくさんあります。戦前の日本は、憲法では信教の自由が保障されていましたが、「神道は宗教にあらず」という考え方で神道を実質的に国教としていました。

本来、神様は政教一致を願っておられたと思います。サムエルの時代、民が執拗に王を求めたために神がサウルを王として立てることを許されたのであって、それまでは祭司が国政を導いていました。

ただ、宗教と国家権力が結ばれると、国家権力が宗教を利用する事態が起こりやすく、その結果として宗教が世的なものに影響され、神への信仰が堕落していきます。ですから、政教分離という考えは、人間の弱さを鑑みると、最善の現実的な方法だといえるでしょう。

例えば、ドイツではカトリックやプロテスタントなどの主要な教会は政府が管理しています。そのため、聖職者は準国家公務員のような扱いとなり、国から給料をもらっています。それにより、かえって信仰が堕落し、キリスト教が衰退してしまうという現象が起こっています。また、中世の十字軍は失敗の代表例でしょう。欧米による植民地支配にも一部にキリスト教が利用されたといわれています。

つまり、政治に宗教(キリスト教)が利用されてしまうと、宗教の本来の意義が失われ、神を第一とするのではなく、世を第一とするようになります。それによって、宗教そのものが歪んでしまうのです。その意味で、政治と宗教があまり近づくと、宗教が政治的に悪用される危険性があることに注意する必要があります。

4. キリスト教は政治にどのようなスタンスを取るべきか

クリスチャンが国家のために祈るのは当然の責務です。もし国家の方向性が明らかに神の御心に反するなら、クリスチャンは批判の声を上げるべきでしょう。

日本においても「自分はクリスチャンだから、政治には一切参加せず、神にただ委ねます」という政治的無関心の立場を取り続けるなら、キリスト教は政治の力に押されていってしまいます。そしてついには信仰を迫害され、弾圧される危険性があるのです。

ですから、むしろ政治に積極的に関与し、政治が神の御心に沿って行われるように働きかけていく責任がクリスチャンにはあります。政治だけでなく、教育にも、社会にも、あらゆる分野で、聖書的価値観を土台とした人々が神の御心を行い、世の光となり、地の塩となっていくべきです。

「宗教は宗教」「社会は社会」と分離して考えるべきではありません。医者であるならば、クリスチャンの医師として患者と関わり、教師であるなら、クリスチャンの教師として生徒に関わるべきです。教会では素晴らしいクリスチャンなのに、社会では未信者と全く同じ価値観で生活するダブルスタンダードな生き方は望ましくありません。

私は学生の頃は政治活動にのめり込んでいましたが、社会に出てからは弁護士の仕事と福音の伝道の働きが忙しく、政治にはほとんど関心がありませんでした。今頃になって政治の重要性に目覚め、もっと前から関心を持つべきだったと反省しています。

今では、政治と宗教(キリスト教)は、車の両輪のようなものだと思っています。クリスチャンが政治に関心を持ち、クリスチャンの政治家が増えることで、聖書的価値観を土台とする国家になっていくでしょう。「政教分離だから、政治には一切関与しません」という姿勢ではなく、政治に良い影響を与える存在となるため、また宗教弾圧を避けるためにも、積極的に政治に関心を持ち、具体的に行動して社会に働きかけていきましょう。

◇

佐々木満男

佐々木満男

(ささき・みつお)

弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL. M)。インターナショナルVIPクラブ東京大学顧問。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:佐々木満男世界平和統一家庭連合(旧統一協会)
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