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ニューヨーク便り

ニューヨーク便り(6)米国の大学で学びながら考えた「日本でクリスチャンが少ない理由」

2022年6月16日11時25分 コラムニスト : 打木希瑶子
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関連タグ:アメリカ打木希瑶子
ニューヨーク便り(6)米国の大学で学びながら考えた「日本でクリスチャンが少ない理由」+
日本人観光客にも人気のあるニューヨークのメトロポリタン美術館(英語)は、夏場になると屋上が解放されます。とても良い眺めなので、お薦めのスポットです。

ニューヨークのナイアック大学(英語)で学び始めてから、もう2年がたちました。米国の大学では、学生同士のディスカッションの時間が多くあります。私が大学で苦労している様子は前回も書きましたが、実はどのクラスでも学生や教授に聞かれて困る質問があります。それは「日本人の主な宗教は何ですか」という質問です。これは留学経験のある日本人ならば、誰もが経験したことがあると思います。海外の多くの学生は、日本人は仏教徒だと思っています。ですから、クリスマスや結婚式の写真を見せると「日本はキリスト教国なの?」と驚きますし、初詣の写真を見せれば、神道が日本の宗教かと思われてしまいます。かといって、面倒くさくなって「日本人は無宗教だ」などと答えると、「日本人は神を信じないの!?」と、ドン引きされてしまいます。

昨年、私は一般教養の単位を取るために、1年間、世界史の授業に出ました。教科書には「16世紀には日本にキリスト教が伝わった」と書かれているため、多くの学生は日本へのキリスト教伝来が早かったことに驚きます。そして、さぞかし今のクリスチャン人口は多いであろうと、「日本人のクリスチャンはどのぐらいいるの?」と聞いてきます。そして、私が「1パーセントもいない」と答えると、「なぜ?」とさらなる質問攻めに遭うのです。私は「これだ!」という明確な答えを出すことができず、曖昧な返事で誤魔化そうとしたのですが、何ともスッキリしません。なぜなら、私がいい年をして自分の国のことを知らない間抜けな人間だと、若い学生たちに思われてしまったからです。

一見、キリスト教は日本で人気があるように見えます。12月には各地でクリスマスツリーが飾られ、結婚式といえば、人気なのはやはりキリスト教式ではないでしょうか。ゴスペルやクラッシックなど、キリスト教の要素が強い音楽の愛好者も多く、十字架のペンダントも流行に関係なく人気があります。キリスト教の絵画も誰でも何点かは見たことがあるでしょうし、近年ではイースターの飾りもずいぶん見られるようになりました。私は、ニューヨークで初めてロックフェラー・センターのクリスマスツリーを見たとき、がっかりした記憶があります。なぜなら、東京の商業施設に飾られたクリスマスツリーの方が豪華で美しかったからです。こんなにも日本でキリスト教文化が愛されているにもかかわらず、その本体であるキリスト教はなぜ受け入れられないのか。私は、その質問にきちんと答えなくてはならないと思い、その理由を考えてみました。いろいろと思いつくことはありますが、主な点はこの3つではないかと思います。

ニューヨーク便り(6)米国の大学で学びながら考えた「日本でクリスチャンが少ない理由」
ロックフェラー・センターのクリスマスツリー。とても大きなツリーで、毎年、多くの観光客が写真を撮るスポットです。

1つ目は、先祖崇拝の習慣。これは日本や中国など東アジア諸国の「家制度」に大きく関係しています。ディズニー映画「ムーラン」(1998年の長編アニメ映画、2020年に実写リメイク版が公開されています)でも、その習慣が描写されています。先祖崇拝は、代々続く家系を支えるために重要な働きをしていることは間違いありません。日本の多くの家には仏壇(あるいは仏壇の代替)があります。私の実家には仏壇はありませんが、母は毎日、私の祖父母たちの写真の前に水や食べ物を供え、手を合わせて祈っています。私はよく「おじいちゃん、おばあちゃんに何かお願いしても、神様じゃないんだから困ってるよ」と言って笑うのですが、日本人にとっては何ら違和感のない行為の一つだと思います。

2つ目は、八百万の神々への信仰。自然信仰や神話信仰などの民族的な古代信仰が強く、それは現代社会でもあちこちに残っています。その古代信仰の上に、海外から来た仏教や儒教を加えたのが今の日本人の多神教信仰だと思います。既に多神教だった日本に、基本的に一神教である聖書の話が入る余地はなかったのかもしれません。それに、日本の文化では絶対的な見方を避ける傾向があります。中庸を重んじるため、神道や仏教、儒教などを、宗教として深く追求することなく、それぞれの一部分を少しずつ受け入れてしまったのが、今の一般的な日本人の信仰なのではないでしょうか。これは他国から見ると不思議な現象ではありますが、キリスト教のように「キリストを受け入れることのみが救済への道」という絶対的な考えは、日本文化になじまなかったのではないでしょうか。

3つ目は、「キリスト教=西洋のもの」というイメージが強いことです。これは教育・政治・歴史などにも関連してきますが、キリスト教は西洋から来たものであり、日本人には関係ないと思っている人が多いように思います。また、日本はクリスチャンの多い米国に原爆を落とされた国です。そのクリスチャンの多い米国で人種差別がなくならないことに、矛盾を感じる人も多いと思います。米国の良い面、例えば人助けランキングで世界一であるとか(第4回参照)、多くの人が子どもは施設よりも家庭で育てるべきという考えを持ち、養子縁組が多いとか(第2回参照)は評価されず、人種差別が引き起こす事件ばかりが報道されれば、米国、ひいてはキリスト教のイメージが悪くなるのも仕方がないでしょう。欧州諸国も米国と同じくクリスチャンが多いはずなのに、2度の世界大戦の主要な舞台となり、今も戦争はなくならない――。日本人が「私たちは欧米の宗教とは関係ない」と思いたくなる気持ちも分かる気がします。

ニューヨーク便り(6)米国の大学で学びながら考えた「日本でクリスチャンが少ない理由」
私が通っている教会「ベテル・ゴスペル・アッセンブリー」の大礼拝堂の入り口。マンションの1階にあり、一般的な教会の建物のようなイメージはありません。

そのせいでしょうか。日本におけるキリスト教の歴史は500年前から止まったままのような状況に見えます。500年前に日本に伝わったのは、カトリックの考え方や伝統です。当時のドイツから始まった宗教改革によって誕生したプロテスタントの考え方や伝統、さらには現代のキリスト教について、ほとんどの日本人はよく知らないのではないでしょうか。キリスト教というと、荘厳な大聖堂といった、カトリック教会が持つイメージを漠然と抱く人が多いように思います。例えば、私が通っているニューヨークの教会「ベテル・ゴスペル・アッセンブリー」(英語)に日本人が来ると、教会らしくない建物に驚く人は多くいます。つまり、一般的には、現代のキリスト教について知っている日本人というのは、わずかである可能性があります。同じく西洋から来た料理やファッション、音楽などは、日本で受け入れられ、今では社会や生活の一部として溶け込んでいますが、キリスト教に関してはいまだに「詳しくは知らない西洋の宗教」というような状況なのです。

こうした現実はクリスチャンとして残念に思いますが、そんな私に世界史の担当教授が授業の中で素晴らしい手紙をシェアしてくれました。それは約500年前に、日本にキリスト教を伝えに来た宣教師による手紙です。その手紙には、いかに当時の日本人が素晴らしかったかが書かれており、キリスト教が将来、日本で大きく広まることを期待するものでした。

ゴアのイエズス会への手紙:鹿児島、1549年11月5日

・・・この日本滞在での経験から、次のようにお知らせすることができます。第一に、これまでに出会った人々は最高の人々であり、異教徒の間で日本人に匹敵する別の種族を見つけることは決してないように思われます。彼らは非常に礼儀正しく、一般的に善良で、悪意のない人々です。彼らは驚異的に名誉ある人々であり、世界で誰よりも賞賛される民族です・・・キリスト教徒であろうと異教徒であろうと、私の人生で見たすべての地域の中で、私はいまだにこれほど正直な人々を見たことがありませんでした・・・ここで彼らは人々がクリスチャンになることに驚かず、彼らの大部分が読み書きできるので、祈りもすぐに学びます・・・彼らは神についての談話に非常に熱心に耳を傾けます。・・・彼らは罪や邪悪な慣行から解放されていませんが、彼らの罪が理性に反していることを示すならば、彼らは罪を容易に認め、理性の法則に従うことができます。(『A History of Christianity in Asia, Africa & Latin America, 1450 - 1990』19~20ページより筆者が和訳)

ニューヨーク便り(6)米国の大学で学びながら考えた「日本でクリスチャンが少ない理由」
ヨース・ファン・クレーフェの「最期の審判」(1520年)。メトロポリタン美術館には、他にもたくさんのキリスト教アートが展示されています。

約500年前のポルトガル人宣教師は、このように日本人を絶賛していたのです。しかし、タイムマシンがあって、当時の宣教師たちが今の日本を見たらどうでしょうか。「日本人の賢さや素直さは、一体どこへ行ってしまったのか・・・」。そう嘆くのではないかと思ってしまいます。ダイバーシティー(多様性)という言葉が、日本のメディアでもよく見られるようになりました。多様性が求められる時代に私たちは生きています。にもかかわらず、世界で最も信じている人が多いキリスト教を知ることを、多くの日本人は避けています。西洋のものだと敬遠せず、私はすべての日本人が聖書と向き合わなくてはならない時代に来ていると思っています。なぜなら、聖書は世界標準の道徳の教科書であり、日本人も一般常識として知っておく必要があると思うからです。(続く)

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◇

打木希瑶子

打木希瑶子

(うちき・きょうこ)

米ニューヨーク在住のゴスペル音楽プロデューサー。米国のスピリチュアル音楽レーベル「Pure Soul Music」の代表も務め、グラミー賞会員として、毎年、作品エントリーを続けている。また、アジア人として初めて全米最大級のゴスペルコンテスト「マクドナルド・ゴスペルフェスト」の審査員に選ばれた。日本の「オレンジゴスペル」の企画者であり、ゴスペル音楽を使って子ども虐待防止を呼び掛ける「オレンジリボン運動」の啓発にも協力している。ニューヨーク・ハーレムのベテル・ゴスペル・アセンブリー教会で日本語ミニストリーを担当。2016年秋からは、毎週水曜日午後10時(日本時間)にオンラインのバイブルクラス「国際人としての常識 “聖書” を学ぼう」を開催している。コロナ禍を機に、ニューヨークのアライアンス大学(旧ナイアック大学)で学士号(心理学)取得。現在はバージニア州のリバティー大学に大学院生として在籍。専攻は神学(キリスト教弁証学)。講演(オンライン可)・執筆・コンサルテーションなどの依頼、その他の問い合わせは、ニューヨーク・ハレルヤ・カンパニーの公式サイトから。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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