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日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(144)神様の与える人生に失敗はない 広田信也

2022年4月9日11時52分 コラムニスト : 広田信也
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関連タグ:広田信也
日本人に寄り添う福音宣教の扉(144)神様の与える人生に失敗はない 広田信也+
トヨタのハイエース

自分の人生は自分で決めたいと願うものですが、実際、どんな人でも、思い通りに過ごしてきた人はいないでしょう。ただ、紆余(うよ)曲折のある過去の出来事をどのように評価できるかは、その人の残りの人生を大きく左右するように思います。

たとえ大きな失敗と見られても、それらの中に神様の深い配慮と導きを知ることができるなら、その人の人生は実に豊かになるものです。

開発に携わった車両の購入

私の前職は、ディーゼルエンジンの排気浄化技術の開発でした。先日、約30年続いた業務の最後に関わった車両を、今後の宣教活動のために購入しました。

実は、私にとってこの車両は、過去の苦い体験(失敗)を思い出させるのですが、同時に、それを祝福に変えてくださった神様の御業を伝えてくれています。

期待に応えられない困難な開発

今から30年以上前の1990年ごろ、ガソリンエンジンから遅れること約10年、一向に排気ガスをクリーンにできないディーゼルエンジンに対し、非難の矛先が向けられてきました。

ガソリンエンジンの実績から、いずれディーゼルエンジンもできるはずと、根拠もなく考える人が多かったと思います。しかし、実際に開発に当たる私は、八方塞がりの状態が続いていました。奇抜なアイデアは出せても、実用化できる技術の提案は全くできませんでした。

ディーゼルエンジンから排出されるすすは炭ですから、燃焼させるのに700度程度の高温と十分な酸素濃度が必要です。ところが、実際の排気ガス温度は200~400度程度です。さらに窒素酸化物を浄化して窒素にするには、排気ガス中にある大量の酸素の影響を除かなければなりません。

それらの難しさを例えれば、温度の低い鉄板の上で焼肉をすることや、風呂に入って、お湯に触れずに温まることを要求するようなものでした。

一般の工場では、大規模な排気浄化設備を設けることもできますが、そのような設備を車両に搭載するのは困難です。誰もが、簡素で効率の良い奇跡的な新技術を求めていました。

DPNR(Diesel Particulate-NOx Reduction System)の開発と展開

このような状況に対し、ディーゼルエンジンの排気ガス温度(300度程度)でも、触媒を使えばすすが燃焼すること、さらにガソリンエンジンで採用していた吸蔵還元型NOx触媒を利用するシステムを作り上げること、これらの可能性を何とか見いだし、DPNRと名付け、2000年にニュースリリースすることになりました。

可能性を見いだしたといっても、現象を確認しただけで実用化には程遠いのですが、他に提案できるものがない上に、ガソリンエンジンで成功体験を持つ上司たちの思い入れもあり、大規模な開発プロジェクトが組まれました。退路を断った大胆な開発は、成功すれば、当時テレビで人気だったプロジェクトXの対象になりそうな挑戦でした。

それから約10年間、私たちはこの技術と格闘し、社内外の多くのエンジニアの知恵を結集したものの、結局は期待される技術に育て上げることができませんでした。開発は滞り、私は役職を解任されました。思い返すと、やり残したことも数多く、残念な結果になりました。

この失敗は、その後のディーゼル車の展開を止め、フォルクスワーゲンの不正ソフト問題の一要因となり、さらに自動車の電動化を極端に進める現状を招いたように思います。

PM強制燃焼と尿素SCRの実用化

その後のディーゼルエンジンは、すす(PM)をフィルターに溜め込み、排気温度を700度以上に上昇させて強制燃焼させる技術と、窒素酸化物を還元するアンモニアを生成するため、尿素水を排気管に噴射する技術を採用することになりました。

この技術は、工場で用いる大規模な設備をコンパクトにしたもので、複雑さと高コストは避けられず、ディーゼル車の存続さえ疑問視させる要因になりました。そして、私自身にとっては、期待に応えられなかった「失敗」をはっきりと示すものでした。

神様の深い配慮と導き

人は自分の期待した通りにことが進まないと「失敗」を意識し、過去の判断を悔やみます。私の歩んだ人生もそれの繰り返しだったように思います。

しかし、その「失敗」の中に込められた神様の深い配慮と導きを知るとき、「失敗」の中に神様の御手があり、実は、神様はこれらのことを通し、私たちに最善の道を備えてくださったことを知ることができます。

早期定年退職を心に決めていた私は、退職直前に新たな業務を指示されました。それは、新技術の開発ではなく、避けたかったこの複雑な技術を、自社の製品として実用化させることでした。まるで敗戦処理を命じられた気分でした。

しかし同時に、私にとっては初めて体験する実用化に向けての業務でしたので、それまで関わりのなかった多くの人たちと共に、新鮮な気持ちで過ごせたように思います。予期せぬ神様からのプレゼントになりました。

2011年、私は予定通り定年退職を迎えました。そして、その後多くの人々が苦労を重ねたことでしょう。やがて、厳しい排気ガス規制に対応した新エンジン(GD)が、2015年ランドクルーザープラド、17年ハイエース、ハイラックスに次々と搭載されました。

先日、真新しい車両が私のもとに届きました。もちろん真っ先に確認したのはエンジンルームに隙間なく搭載されたエンジン本体と床下の排気ガス処理装置でした。多くの人に嫌われ、使いたくなかった部品が、見事にコンパクトに配置されている様子を確認し、ディーゼル車を存続させてくださった神様の深い配慮と導きに感謝した次第です。

今後私は、この車両を用いて、神様の御手の中で失敗が祝福に変えられた証しを携え、多くの人々に福音を届けたいと願っています。

主はいつくしみ深く その恵みはとこしえまで その真実は代々に至る。(詩編100篇5節)

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◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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