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若者2千人以上と向き合ってきた ”ドラマー牧師” が届ける31の答え 『いいんだよ、昨日までのこと全部。』

2022年2月1日18時06分 執筆者 : 青木保憲
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関連タグ:ナイトdeライトいのちのことば社
若者2千人以上と向き合ってきた ”ドラマー牧師” が届ける31の答え 『いいんだよ、昨日までのこと全部。』+
田中満矢著『いいんだよ、昨日までのこと全部。心が軽くなる31のアンサー』(フォレストブックス / いのちのことば社、2021年7月)

本書は昨年7月に発刊され、12月までにすでに3版を重ねている。キャッチーな表紙(イラストが中学生の娘たちにも好評)とオリジナリティーあふれる正方形の装丁が、本書を手にしたときに爽やかさを感じさせる大きな要因として機能している。120ページ余りの冊子ながら、込められたメッセージの熱さと、若い読者層を意識した随所にある「仕掛け」に、価格以上の価値を感じさせられた。

著者は、札幌新生キリスト教会のユースパスター(若者担当牧師)にして、ロックバンド「ナイトdeライト」のドラマーでもある田中満矢氏。本書は、「ドラマー牧師」である田中氏が、12年間で2千人以上の中学・高校・大学生と向き合い、共に時間を過ごす中で生まれた「Q&A」集である。しかし、ただの「Q&A」ではない。従来のものは、聖書の教理であったり、歴史であったり、その中心は「知識」であった。つまりそれは、静的で「変わらない事実(もしくは出来事)としての過去」をさまざまな角度から詳(つまび)らかにするというスタイルだった。また「初めに答えありき」で生み出された、特定の答えを誘導したいがための質問であることも多く、どことなく読んでいて違和感を覚えることがあった。しかし、本書はまったくその逆を行く。質問はすべてユース世代の実体験から出てきており、しかも短い文言でまとめられている。例を幾つか挙げてみよう。

「失恋した」
「叱られた」
「もう疲れた」
「余裕がない」

おそらくこの言葉に到達するまでに、個々のさまざまなストーリーがあったのだろう。しかしそれをいちいち「誰々のこんな状況」ということを明記せず、ざっくりと問いを出すことで、多くの読者が共感しやすくしている。

そして、それに対する田中氏の回答が振るっている。まず、回答のポイントとなる文言を1ページに大きな文字で掲載する。それから、まるでラジオのDJのように(田中氏は実際にラジオ番組も持っている)、軽快かつ簡潔に言葉を紡いでいく。「生きづらいユースたちに向けて本気で言葉を届けたい」と願う田中氏の熱量をひしひしと感じさせる本書最大の肝がここにある。

具体的には、ハッとさせられるような例話があったり、ある歌手の歌があったりする。彼オリジナルの言葉の中で、特にこれは大切という部分が太字にされ、しかも薄オレンジ色の網掛けが施されている。そこを拾い読みするだけで、大体伝えたいことが読者に伝わるようにもなっている。もっとも、じっくり読んでも、タテ20字ヨコ20行ぐらいなので、そんなに時間がかかるわけではない。要は、読み手の状況に応じてどんな読み方もできるように工夫が施されているのである。

加えて「見事!」と思わずうなってしまったのは、各章の最後にそのテーマにあった自身のバンドの楽曲がQRコードで掲載されていることである。つまり、31の質問に対する答えとなるような「ナイトdeライト」の楽曲を聴くことができる工夫が施されているのである。これは、田中氏の著作ならではの作りで、読者は本やユーチューブといった複数のメディアを縦横無尽に駆け巡ることができるようになっている。

かつて、CD付の外国語教則本などがあったが、それは今となっては一昔前の発想ということだろう。今はスマホ片手に、本の中から自分の気になるテーマを探し、短い文言で語り掛けられたメッセージを拾い読みし、そして最後に「ナイトdeライト」の楽曲を聴きながらもう一度語られたことをリフレインする(そうするかは読者次第)というやり方である。ところどころに挿入されている松本ぼっくりさんのイラストは、清潔感と透明感があり、「ここで一息ですよ」という優しいメッセージが読み手に伝わってくる。これらを通しても、細やかな気配りを感じることができる。

半世紀以上も「人間」をやっていると、伝えたい言葉やメッセージが多くなってくる。そういうことを最近、とみに実感することが多い。だからこそ、本書のような一冊を手にすると「時代は変わりつつある」ことを学ばせられる。暑苦しく長い説教を良しとしてきた昭和、平成初期を経て、今や令和は、「分かりやすく」「コンパクト」、かつ他の類似本とは異なる「ひとひねり」が必要になっていることを痛感させられた。

本書は「読む」というよりも「聴くために読む」ものであり、心にわだかまりやごちゃごちゃとした葛藤を抱えている人に「単純かつストレート」な解決法を提示する「パラダイムの転換」を与える実用書である。聞くところによると、本書は田中氏の故郷、北海道の書店ではベストセラーコーナーに配置されているという。また、クラウドファンディングで全国の学校400校に本書を寄贈するプロジェクトも行われ、見事、目標金額を超える支援が集まったようである。

オーバー40世代にとっては学びのために、ユース世代にとってはまさに「言葉の力」によって希望を見いだすために、ぜひとも本書を手に取ってもらいたい。

蛇足ながら、こうしたエピソードからインスパイアされたストーリーが、映画化あるいはドラマ化されれば、ぜひ観てみたい! そう個人的には思わされた。あと、個人的に「ナイトdeライト」の楽曲で大好きなのは「家」です!

■ 田中満矢著『いいんだよ、昨日までのこと全部。心が軽くなる31のアンサー』(フォレストブックス / いのちのことば社、2021年7月)

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

関連タグ:ナイトdeライトいのちのことば社
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