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リビングストンの生涯

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(18)リビングストンは生きている!

2022年1月26日17時00分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説+
リビングストン(1813〜73、写真:Thomas Annan)

こうした悲嘆のどん底にいるとき、新しい子どもアナ・メリーが生まれたために英国に帰っていたメアリー夫人がケープタウン経由でテーテにやってきた。もう彼女に会うことはないと思っていたリビングストンは狂喜し、衰えた両手で力いっぱい妻を抱きしめた。

「もうあなたのそばを離れないわ。とてもいいニュースがあるのよ」。メアリーは2つの報告をした。一つは自分の両親のモファット夫妻が、今ではリビングストンの命を懸けた宣教活動に深い理解を示すようになったこと。もう一つは、奴隷制度廃止法案が英国議会を通過し、正式に国が承認したことであった。しかし、奴隷制度廃止運動は各国に飛び火し、米国においては南北戦争に発展していた。そして彼らの愛する長男ロバートも参戦したのである。

こうしてメアリーが来たことで元気を取り戻したリビングストンは、シルワ地方への伝道計画を立て始めた。ところが、またしても彼を悲しみの谷に突き落とすようなことが起きた。メアリーはここに来てマラリヤにかかり、手を尽くして看病したにもかかわらず、1862年2月27日この世を去ったのである。リビングストンにとって、もはやこの時からこの世における幸せというものは失われた。

彼は探検隊のメンバー3人と共にシレ川に沿って65キロの道を歩き、シレ湖に到達した。この旅の途中で英国外務省から、探検が長引くと経費がかかることを理由に帰国命令が出た。彼はこれを無視して先に進むつもりであったが、マッケンジー監督の後任トザーに説得され、アフリカの窮状を訴えるためにひとたび祖国に戻る決心をした。

1864年7月23日。帰国したリビングストンを英国民は熱狂して迎えた。しかし、彼個人には2つの悲しい知らせが待っていた。一つは米国において南北戦争に参戦していたロバートが19歳の若さで戦死したこと。2つ目は、彼の老いた母がブランタイヤー村で死んだことであった。こうした悲しみとは裏腹に、彼の著書『ザンベジ探検記』は爆発的な売れ行きを示し、彼は英雄扱いされた。リビングストンはこの機会に各地を回り、アフリカの窮状を訴えた。そして今回もビクトリア女王に面会し、今アフリカでは欧州各国の白人によって村が荒らされ殺りくが行われ、奴隷商人たちが今なお人身売買を行っている現状を語り、女王の援助を乞い求めた。「いつかも申し上げた通り、私の権限には限りがあるのです。でも、今もって彼らが侵略行為をやめないというなら、私の夫はポルトガルと深い関係があるので圧力をかけるようにさせましょう」

女王はこう約束した。しかしこれは英国とポルトガル両国間に紛争を引き起こしかねない問題に発展してしまった。間もなくポルトガル政府は奴隷制度をめぐって英国政府に抗議を申し入れてきたので、大きなトラブルを避けるために、英国政府はリビングストンにこれ以上奴隷問題に首を突っ込まぬようにと外務省を通して勧告してきたのである。

1865年8月。リビングストンは3度目のアフリカ探検に出掛けた。今度はインドから連れてきた13人のインド兵と現地の従者30人を雇って連れていた。一行はルブマ河口に上陸し、そのあたり一帯を探検した。この最後の旅行にも災いがつきまとった。このインド人たちは怠け者で、連れてきた家畜の世話をせず、虐待したりしたのでその大半が死んでしまったのであった。リビングストンはこの13人の兵士をインドに帰した。

この直後、幾つかの部落を通過したが、どの村の住人たちも一行を奴隷商人と間違えてひっきりなしに襲ってきた。この状況の中で彼に今まで付き従ってきた従者のうち10人ばかりはすっかり恐ろしくなってそろって逃げてしまったのだった。やがてリビングストンと残りのわずかな従者はタンガニカ湖の南モアンパに着いた。そこでリビングストンは重い病気にかかり、従者の担ぐかごに乗って進み、南端のリエンパ湖にたどり着いた。さらにルアラバ川を渡り、1871年10月23日タンガニカ湖の東岸ウジジに着いた。

その頃英国では、消息を絶ったリビングストンについて、死んだといううわさが流れた。この時エドワード・ヤングという人がうわさの真相を確かめるために探検隊と共にアフリカに渡った。そしてシレ川をさかのぼり、ニアサ湖付近で村人からリビングストンはまだ元気で探検を続けているという朗報を得たのだった。「リビングストンは生きている!」この報告に、英国民は歓声を上げて喜び合った。

*

<あとがき>

人生の最終ラウンドにきて、リビングストンの心にささやかな喜びが与えられました。一つは、もうこの世で会うことはできないと思われた妻メアリーとケープタウンで会えたこと。2つ目は、英国において奴隷制度が正式に廃止になったという吉報でした。しかしその後、再び彼の身に試練が襲い掛かります。愛するメアリーとの死別、長男ロバートの戦死、そして故郷の母の病死――と続きました。

この時すでにリビングストンの胸の中には、この世における幸せを願う気持ちはなくなっていました。彼は一度英国に帰り、ビクトリア女王にアフリカ開発のため援助を申し出ますが、満足のいく返事をもらえませんでした。リビングストンはその後3度目のアフリカ探検に出たまま消息を絶ちます。すると、英国民は国を挙げて彼の身を心配し、ついにエドワード・ヤングという人が探検隊と共にアフリカに渡り、彼を探した末「リビングストンは生きている!」という朗報をもたらしたのでした。

アフリカ奥地に神の愛を―リビングストンの生涯(1)悲しい伝説
(画像:栗栖ひろみ著『信仰に生きた人たち 第3巻 リビングストン』[1982年、ニューライフ出版社〕)

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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