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世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯

世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯(9)失意のどん底に

2021年1月27日18時09分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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関連タグ:ジョン・ウェスレー
世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯(1)猛火から救われて+
ジョン・ウェスレー(1703~91、画像:Frank O. Salisbury)

1736年2月6日。一行はジョージア州サヴァナ港に上陸した。総督オグレソープ将軍は大変に喜んで一行を迎え、官邸に招いてもてなした。以前秘書官を務めていたサムエル・クインシー牧師がこの地を去ったので、取りあえずその教会の牧師館に住むことになった。チャールスとベンジャミン・インガムはフレデリカに行って伝道をすることになったのでたもとを分かった。

ウェスレーは、祖国でもそうであったように、現地のインディアンたちに熱心に伝道した。まず彼は単純な彼らによく分かるような話から始めようと考えた。そこで、用品の管理と質素な生活をすべきことを教え、神に喜ばれるのは潔(きよ)い生活をすることだと語った。しかし、現地のインディアンたちにとってこうした勧めは受け入れ難いものであり、うさんくさそうにこの新しい伝道者を眺めるばかりだった。

彼らは自然と闘い、未開の地を切り開いていくのに精いっぱいだったのである。しかも、ウェスレーは毎日午後の一番暑い時間に3時間もかけて戸別訪問を行った。彼らはこの暑い時間は外で労働できないから家の中で昼寝をしたかったので、人々は次第にウェスレーが来るのを迷惑に感じ始めた。

そのうち、インディアンの首長であるチカリという男と話をすることに成功した。「私らインディアンは、暗闇の中で生活している。分からないことが多い。でも、白人はいろいろ知っている」。チカリは、身振り手振りで話をした。「インディアンと白人は違う。どうして違うのか?」

ウェスレーは、彼に分かるよう話をした。「神様にとっては白人もインディアンもみんな同じ子ども。同じように愛してくださるんですよ」。「でも、その神様違う。われわれインディアンの神様は悪いことする者に復讐(ふくしゅう)する。どうして白人の神様はそうしないのか?」

「われわれの神様は正しい方だから悪を憎みなさいます。でも人間の中には罪がある。そこで神様は大切な独り子をこの世に送って十字架につけて、代わりに人間を救ってくださったのです」。チカリは信じられないというように、目を大きく見開いた。「独り子? 大切な子を?」「そうです。彼は十字架で血を流して、人間の罪を負われたんです」

その時、チカリは両手で頭を抱え、恐ろしい叫び声を上げた。「あんたがたの神は残酷だ。インディアンでも自分の子どもをそんな方法でいけにえにしない」。そして、彼は駆け去った。

翌日、驚いたことにウェスレーが道を歩いていると、一人のインディアンが果物の皮を投げつけて叫んだ。「白人の神、自分の子どもを殺していけにえにささげる!」それから、あちこちの辻から人々が押し寄せてきた。「白人の神、自分の子どもを殺す!」彼らは津波のような勢いで官邸に押し寄せた。オグレソープ将軍は、評議たちと何とか暴動を抑えることができたが、彼はウェスレーをこの地に招いたのは失敗だったのではないかと考えるようになった。

一方、フレデリカ伝道に出掛けたチャールスたちも、原住民から迫害され、その伝道活動は困難を極めていた。現地の英国人が好意的にインディアン伝道は難しいので英国に戻ったほうがいいと助言したのをチャールスたちが受け入れなかったことから、彼らは悪意をもってインディアンたちをけしかけたのである。そのために、チャールスたちはひどい迫害を受け、重傷を負ったチャールスは帰国せざるを得なかった。

ウェスレーはそのままサヴァナに留まっていたが、ある日インディアンの暴徒に襲われ、袋叩きになった。この時、通りかかったのがサヴァナの長官コーストンの姪に当たるホプキィという令嬢で、彼女の心を込めた手当てと慰めに心が癒えたウェスレーは、彼女とたびたび会ううちに、ある時求婚したのだった。

しかしながら、この女性は外見とは似つかずにその心が虚栄と傲慢(ごうまん)に満ちており、彼女はウィリアム・ウィルソンという青年と婚約しながら、ウェスレーをもて遊んだのだった。彼女はあちこちでウェスレーの悪口や、あることないことをふれ回ったので、町の人々は彼がとんでもない悪徳牧師と非難を始めた。ここに至ると、ついにオグレソープ将軍は彼をこれ以上現地に留めておけず、ウェスレーは辞任して帰国せざるを得ない事態となったのだった。

*

<あとがき>

米国のジョージア州に着いたウェスレーたちは、総督オグレソープ将軍の歓待を受け、現地のインディアンたちに伝道を始めます。ウェスレーは、持ち前の熱心さから、午後の一番暑い時間に彼らの家を訪問し、質素な生活をすべきことを勧告しました。しかし、その熱意は彼らに通じませんでした。

インディアンたちは、家の中でゆっくり昼寝したい時間にウェスレーが来ることを迷惑に感じるようになったのです。そのうちインディアンの首長チカリにイエス・キリストの十字架について話をしたところ、これが大変な誤解を生じさせ、ついには命を狙われるような事態に発展してしまいました。さらに、ウェスレーはある女性と知り合い、求婚したところ、これがまたトラブルに発展して、オグレソープの信頼を失ってしまいます。

他の地に伝道に出掛けた弟チャールスたちも現地の人々から迫害され、ついにこの地を離れざるを得なくなります。こうして米国伝道は失敗でした。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ジョン・ウェスレー
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