フラー神学校が勝訴、同性婚理由に退学可能 米カリフォルニア州連邦地裁

2020年10月16日14時32分 印刷
+同性婚の女性、退学処分めぐりフラー神学校を提訴
本部があるフラー神学校のカリフォルニア州パサデナのキャンパス。同校は米国を代表する福音派の神学教育機関で、日本の福音派指導者の中にも卒業生が多くいる。(写真:同校)

フラー神学校(米カリフォルニア州)から同性婚を理由に退学させられたジョアンナ・マクソンさんが、処分は不当だとして同校を相手取り同州中部地区連邦地裁に起こした訴訟で、同地裁は7日、同校は校則で禁止している婚外交渉や同性婚を理由に、学生を退学処分にできるとする判決を下した(関連記事:同性婚の女性、退学処分めぐりフラー神学校を提訴)。

訴訟は昨年11月、マクソンさんが起こし、同じく同性婚を理由に退学処分を受けた元神学生のネイサン・ブリットサンさんも今年1月から加わっていた。2人は同性婚を禁止するフラー神学校の校則が、連邦政府から補助金を受けている教育機関の性差別を禁止した米教育改正法第9編(通称・タイトルナイン)に違反していると訴えていた。

同地裁のコンスエロ・マーシャル判事は、フラー神学校がタイトルナインの宗教的免除の基準を満たしていると判断。訴えの却下を求める同校側の申し立てを認め、連邦政府からの補助金も受給できるとした。マーシャル判事は判決(英語)で次のように述べている。

「(タイトルナインの)宗教組織の免除に関する箇所は、『宗教組織』と『教育機関』を別個の存在とすることを求めているように解釈できるかもしれないが、一般的に『組織』という用語の意味が広範囲であることから、(フラー神学校の)理事会を(宗教組織に)含めることができる」

「タイトルナインは、フラー神学校の宗教的信条に反して同性婚を行ったことを理由に、(校則に従って)原告らを退学処分とする責任を同校に負わせることを求めている。したがって、宗教組織の免除が適用される」

信教の自由に関する訴訟が専門で、フラー神学校側の弁護を担当したベケット法律事務所のダニエル・ブルームバーグ主任弁護士は8日、判決を歓迎する声明(英語)を発表した。

「今回の判決は、神学校や(ユダヤ教の)イェシーバー、(イスラム教の)マドラサ、その他すべての宗教高等教育機関にとって大きな勝利です。次世代の宗教指導者をどのように教育するかを決めるのは、政府の役人ではなく礼拝の場であるべきだからです」

マクソンさん側は提訴時、訴状で次のように訴えていた。

「被告(フラー神学校)は、法的に承認された同性婚の挙式を理由としてマクソンさんを退学させたことにより、その性的指向に基づきマクソンさんを差別した。被告はまた、異性愛者の男子学生に対する処分よりも厳しい懲戒処分を課したことにより、その性と性的指向に基づきマクソンさんを差別した」

1972年に成立した米教育改正法の一編であるタイトルナインは、「米国のいかなる人物も、性別に基づいて、連邦政府の補助金を受けている教育機関または活動への参加から除外されたり、その恩恵を拒否されたり、差別を受けたりしてはならない」と定めている。

タイトルナインなどにおける「性別」という文言はもともと、生物学的性別を意味していたが、米公民権法第7編(通称・タイトルセブン)をめぐる連邦最高裁の最近の判決では、その解釈が変更されている。

連邦最高裁は6月、ボストック対ジョージア州クレイトン郡の訴訟で、タイトルセブンにおける「性別」の定義は、性的指向および性同一性にも適用されるとする判決を下した。

連邦最高裁は判決の主文で次のように述べている。

「今回の訴訟における法的メッセージはシンプルではあるが、等しく重大でもある。それは、個人の同性愛またはトランスジェンダーとしての地位は、雇用の決定とは関係がないということである。それは、同性愛やトランスジェンダーだからという理由で特定の人を差別することは、性別に基づいてその人を差別することなくしては不可能だからである」

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

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