東京バプテスト教会など創設、ダブ・ジャクソン宣教師が召天 日本人2万5千人の救霊に貢献

2020年1月24日09時20分 印刷
+東京バプテスト教会など創設、ダブ・ジャクソン宣教師が召天 日本人2万5千人の救霊に貢献
ダブ・ジャクソン氏(写真:東京バプテスト教会)

東京バプテスト教会と旭川バプテスト教会の創設者であり、日本人2万5千人の救いにもつながった米南部バプテスト連盟(SBC)の「パートナーシップ・ミッション」の開拓者でもあるダブ・ジャクソン宣教師が19日、米テキサス州ダラスで病気のため死去した。95歳だった。SBCの機関紙「バプテスト・プレス」(英語)が20日に報じた。

フルネームは、ウィリアム・ダブ・ヘンリー・ジャクソン・ジュニア。バプテスト・プレスによると、父親が同州のサウスウェスタン・バプテスト神学校在学中だった1924年に誕生。ジャクソン氏自身も後に同校で学び、51年に卒業した。

バプテスト・プレスは、世界で計50万人を救いに導いたパートナーシップ・ミッションを、ジャクソン氏の生涯における最大の功績としてたたえた。パートナーシップ・ミッションとは、フルタイムの宣教師だけでなく、一般信徒を短期宣教師として派遣する宣教戦略。ジャクソン氏は、50カ国以上で行われたこの取り組みで指導的立場にあった。特に1963年に行った6週間にわたるキャンペーンでは、549人の米国人が、日本、韓国、台湾、フィリピン、香港、シンガポールに行き、伝道を実施。計4万5千人がイエス・キリストを救い主として受け入れた。このうち約2万5千人が日本人だったという。

東京バプテスト教会のミニストリー担当牧師である渡辺聡牧師は22日、自身のフェイスブックで「老宣教師との出会い」(英語)と題した文章を投稿し、ジャクソン氏の在りし日の姿を紹介している。

「(ジャクソン氏は)第2次世界大戦中、ロッキードPー38ライトニングという双発戦闘機のパイロットでした。戦争中、彼はニューギニアと香港の上空で危機一髪の難を逃れて生き延びた経験があります。その時、彼は神が自分のことを守ってくれたことを実感したといいます。そして後には、神が自分を守ったのは、いつか自分を日本へ宣教師として遣わそうとしておられたからだったと信じるようになりました」

ジャクソン氏の自伝『Whatever It Takes(何を犠牲にしてでも)』(英語)によると、所属していた米第5空軍第49戦闘機部隊は、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーの護衛任務を命じられたため、ジャクソン氏は第2次世界大戦後初めて日本に入った米軍パイロットの一人となった。「主が私の軍での経験によって、日本そして世界における宣教師としての大きなチャレンジの入り口に立たせてくれたことが明確になりました」と当時を回想している。

東京に降り立ったその日は日曜日だったという。パイロット仲間のロジャー・フォックス氏と共に東京の街中に繰り出した。ジャクソン氏の手には「Toyohiko Kagawa」と書かれた紙が握られていた。海外でもその名が知られていた賀川豊彦に会おうと、彼らは出会う人々に、どうすれば賀川に会えるかを聞いて回った。日本語もできず、戦火で破壊された東京で、どのように賀川を探し当てたかは覚えていないという。しかし、最終的に賀川が集会を開いていた新宿のある建物にたどり着いたことを、ジャクソン氏は手記の中で「神の摂理であった」と述べている。

到着したとき、礼拝はすでに始まっていた。室内でも靴を脱ぐ習慣のない米国で生まれ育ったジャクソン氏は、賀川が説教をしている中、その建物に「靴を脱いで入った」と記している。説教が終わると、賀川は2人を会衆に紹介し、あいさつする機会を与えてくれた。「敵であるわれわれを(新来者として)紹介されたクリスチャンの小さな群れは、何を考えていたのか度々思い巡らすことがある」と回想する。

ジャクソン氏はまたこの時、日本の収容所から開放されたばかりの米国人女性宣教師6人とも会った。皆60歳を超えており、一人は82歳で、彼女たちとの出会いは予想外の喜びだったという。「私の人生において最も重大な経験の一つとなったのが、収容所に入れられてさえ、主に心から仕えたこれらの宣教師たちとの出会いだった」

ジャクソン氏が出会ったのは、バプテスト、長老派、アライアンス、メソジストとさまざまな教派の宣教師たちだった。特に82歳のヘレン・F・トッピング宣教師は、「マザー・トッピング」と呼ばれていた。ジャクソン氏は、立川の空軍基地にトッピング氏を招き、飛行機の格納庫いっぱいに入った空軍兵らにメッセージを語ってもらった。当時は12月で、外は寒く雨が降っており、移動に使えたのは屋根のないジープしかなく、82歳の宣教師を寒さから守るものは何もなかったという。

「マザー・トッピング、こんな悪路をオープンジープで冷たい雨の中連れ出して、あなたを殺してしまうんじゃないかと心配だ」と語り掛けたジャクソン氏は、生涯忘れることのできない答えを聞いたと述べている。「行って仕えることができないんだとしたらね、それは外の寒さのせいじゃないんだよ。心の中の冷たさのせいさ」

一緒に賀川を探したフォックス氏は献身的な若いクリスチャンで、ジャクソン氏の親友の一人であり、戦後日本に渡ってきた宣教師の一人でもあった。2人は上官に宣教師たちを助けるために軍用車を使用する許可を願い出た。上官は必要なものは何でも使って良いと許可を出してくれたという。2人はまた、古い軍服や下着、寝床、木材、食料などを宣教師たちの元に持って行った。これらの物資は、宣教師たちが住んでいた地区の日本人のために用いられた。

当時、マッカーサーはジャクソン氏の部隊に警戒飛行の任務を命じていた。ジャクソン氏は、この時までは飛行機で空を飛ぶことを愛していたが、宣教師たちの現状を徐々に心配するようになっていった。軍務に服することを前提に、上官にさらなる要請をした。軍用車だけにとどまらず、自由時間すべてを、宣教師たちを助けることに使う許可を願い出た。上官の返事は「自分の自由に使えるものなら、基地にある軍用車でも何でも使って、自分が必要だと思うことをせよ」だった。これは実質的に米空軍による「宣教活動命令」となり、2人は4カ月間これに服した。

軍人でありながら、日本で宣教活動をする中で、空軍チャプレンと共に厚木で開催された伝道集会の準備に参加し、多くの日本人がキリストを知りたいと決心する場面を目にした。また、三井財閥の三井家の別荘に招かれ、証しをする機会が与えられたこともあった。そこでは、ジャクソン氏たちの証しを聞いた令嬢の一人が、キリストを救い主として受け入れることも目にした。そして、ある大学で開催されたクリスマスの伝道集会で、賀川からトランペットによる賛美を依頼され、「ホーリー・シティー」を演奏した。ジャクソン氏はこの時、軍務を終えて帰国した後、再び日本に戻ってくることはまだ考えていなかったが、帰国後も日本の宣教のために、できる限りの支援をしようと決心したという。

1946年、米国に帰国する準備を終えたジャクソン氏は、フォックス氏と共に賀川の集会所を訪れた。そして、そこで出会った米国人女性宣教師6人の1人、メーベル・フランシス宣教師に「私は家に帰ります。一緒に帰りたいと思いませんか」と尋ねた。しかし、また忘れることのできない答えを聞くことになる。

フランシス宣教師は「ここが私の家よ」と答えたのだった。賀川の集会所周辺にある民家の一つ一つのゴミ箱に、空になった軍用食の缶詰が捨ててあったのを思い出した。フランシス宣教師たちは、ジャクソン氏たちが持ってきた食べ物を周辺のすべての家々に配って回っていたのだ。もう一度、フランシス宣教師は言った。「ここが私の家なのよ」。ジャクソン氏は回想する。「私たちは驚くべき愛と献身を見ました。仕えるように召命を受けた人々を愛する愛と、彼らへの献身でした」

渡辺氏は投稿の中で、「彼は帰国後、テキサス州にあるキリスト教の神学校の学生になったが、宣教師になって日本に行きたいという思いはますます募っていきました。ある日、彼に一つのチャンスが訪れました。すでに日本で働いている宣教師から、神学生たちに手伝いに来てほしいとの招きがあったのです」と記している。

米空軍の戦闘機パイロットであったジャクソン氏は、神から宣教師となって日本で伝道する召命を受け、かつて敵として戦った日本に福音を携えて戻って来たのだった。

日本で教会を開拓し、多くの日本人の救いのために献身したジャクソン氏は、多くの愛の実りをもって天に凱旋(がいせん)した。彼の伝道に対する熱意が、その献身と愛によって救われた多くの日本のクリスチャンたちにも受け継がれ、日本の伝道がさらに前進することを願いたい。

ジャクソン氏の記念礼拝は24日、テキサス州で開催される。

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