なにゆえキリストの道なのか(230)祈りは本当に聞かれるのか? 正木弥

2020年1月18日17時24分 コラムニスト : 正木弥 印刷
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祈りは本当に聞かれるのか。

基本的には、聞かれます。ですから、まず神を信じて祈るべきです。真剣に祈るべきです。熱心に祈り続けるべきです。単に欲望の追求のためでないなら、まして、最終的に神の栄光につながるものならば必ず聞かれます。神のみこころがなるように祈りましょう。それは、みこころに叶うことですから、聞かれるのは当然です。

ただし、すぐに聞かれるかどうかは分かりません。神には神のご計画やら他への配慮がありますから、その時が来るまで聞かれないこともあります。待たなければならないこともあります。その場合は信仰をもって祈り続けることが肝要です。

アウグスティヌスの母モニカは、ローマの時代カルタゴの近くの人でした。彼女の家庭はキリストを信じる家であったのに、勉学のためカルタゴに遊学したアウグスティヌスはマニ教を信じるに至りました。母モニカは自分の俗っぽい信仰が殴られたように受け止め、悔い改めて、キリストの神に熱心に祈りました。息子がマニ教の迷いから覚めて、キリスト信仰に戻るように、と。しかし、事態はなかなか好転せず、来る日も来る日も祈りました。

彼女に頼まれた司教は「涙で祈り続ける子が滅びることはない」と言い、彼女は喜びましたが、子は自分から遠ざかるばかり。そして、母に偽ってイタリヤ行きの船で行ってしまったのです。置き去りにされた波止場で狂気のように我が子の名を呼んで捜す母モニカでした。

それからもモニカは子のために祈り続けましたが、一方、アウグスティヌスはローマで、立派なキリスト者との交わりの中でマニ教に対する見方が変えられ、キリスト教を真剣に学び、ミラノでとうとう有名な回心をして信じるわけです。それは初めの時から実に9年後のことでした。モニカの熱心な祈り、諦めず祈り続けたその祈りがついに聞かれたのです。

それからのアウグスティヌスの神学上の働きは極めて大きいものになりました。「それまでのすべての神学はアウグスティヌスに流れ込み、以後のすべての神学は彼から流れ出る」と評されるくらいです。熱心に祈り続ける者の典型、それがモニカでした。(アウグスティヌス著『告白』参照)

ただし、神はすべての状況・事情を適切に判断して導きますから、100パーセント自分の思い通りの形で聞かれるとは限りません。別の形で聞かれることになるかもしれません。神は最善をなしてくださることを信じ、神への信頼に立って受け止めることが大切です。

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正木弥

正木弥(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版
ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書
ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ
創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から
なにゆえキリストの道なのか

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ

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