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日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(76)無脳症児―愛する孫「玲」の命 広田信也

2019年8月11日07時54分 コラムニスト : 広田信也
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関連タグ:広田信也ブレス・ユア・ホーム
日本人に寄り添う福音宣教の扉(76)無脳症児―愛する孫「玲」の命 広田信也

日本では、妊娠した女性の40パーセントが流産や死産を経験している。生まれてくることのできなかった大切な命のことを、両親は忘れることはないだろう。胎児であっても、子どもを失う喪失感は非常に大きなものだ。

聖書は、胎児の命について多くは語っていない。しかし、最も小さなものに向けられる神様の愛は、私たちの思いをはるかに超えて深い。たとえ、この世の戸籍には名を残さない命であっても、天の国籍は備えられている。やがて、天国で彼らと出会う希望があることを、ぜひとも知ってもらいたい。

子供たちを来させなさい。わたしのところに来るのを妨げてはならない。天の国はこのような者たちのものである。(マタイによる福音書19章14節)

秘められたところでわたしは造られ、深い地の底で織りなされた。あなたには、わたしの骨も隠されてはいない。胎児であったわたしをあなたの目は見ておられた。わたしの日々はあなたの書にすべて記されている、まだその一日も造られないうちから。あなたの御計らいは、わたしにとっていかに貴いことか。神よ、いかにそれは数多いことか。(詩編139編15~17節)

「無脳症」という胎児にとって致命的な障害がある。脳を守る頭蓋骨が成長しないため、脳が羊水に溶け出し、体を動かす機能がなくなっていく病気である。発生原因は不明、発生率0・1〜0・3パーセント、その中の多くが死産となり、たとえ生まれても数時間しか生きられない厳しいものだ。

数カ月前より、近くに住む娘より2人目の孫の妊娠を伝えられ、大変喜んでいた私たちであったが、その胎児がこの「無脳症」と診断され、激震が走った。

神様の与えてくださるものはすべて良いものであると信じているが、愛する胎児に与えられた厳しい現実に、目の前が真っ暗になった。

その暗闇の中、「玲」と名付けられた胎児と、娘夫婦のために祈りを積んできた。奇跡的な癒やしを求めるとともに、娘夫婦がこの試練を乗り越えることができるよう心を込めた。

現代医療の限界

医療は、病を治療することを目的とするが、この「無脳症」については、治療法がない。出生前診断が可能になってからの日本では、母体保護を優先させ、中絶処置に至るのが通例になっている。

それでも、妊娠継続を希望した場合、まれに出産に至るケースもある。娘夫婦は、そのわずかな例に励まされ、医療関係者に対し、「与えられた命を最後まで全うさせたい」と強く訴えていた。

娘夫婦に対応した医師は、胎児の状況を詳しく説明し、近隣の病院での対応が難しいこと、さらに、母体へのリスクなどさまざまなことを伝えたようだが、実績の少ない妊娠継続を勧めることはなかった。

それでも、娘夫婦の思いを知った医師は、対応できる遠方の病院を探してくれたが、リスクを抱える中、病院が遠方にあることは大きな不安材料になった。

妊娠継続を断念

暗闇の中、身を切るような祈りが積まれた。どのような選択をしても、致命的な障害を負った胎児「玲」の命を救うことはできない。だからといって母体保護を優先して、短い命を絶つことはとてもつらいことだ。

人はこのような場合、ただ神様に導いていただく以外、選ぶ道はない。結果的に娘夫婦は、妊娠継続を断念した。とても苦しい選択だったことだろう。

娘夫婦は、中絶処置のために病院に向かった。神様が奇跡を起こし、つらい現場に向かう2人を守ってくださるように祈るばかりだった。

開かれた脱出の道

イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んだが、そのとき、水は彼らの右と左に壁となった。(出エジプト記14章29節)

かつて、イスラエル人がエジプトの奴隷であったとき、モーセが200万人ともいわれる彼らを率いてエジプトを脱出した。エジプトの軍隊が背後から迫る中、紅海が真二つに割かれ、イスラエル人が海の中の乾いた道を通って対岸に渡り、難を逃れるという奇跡が起こった。

病院に入院した娘は、2日後に20週目の胎児「玲」を出産した。悲しい出産であるには違いない。しかし、不思議なことが起こった。胎児「玲」が胎盤に包まれたまま、傷のない状態で生きて生まれ、両親と共に1時間ほどの心温まる貴重な時間を過ごすことができたらしい。

そばにいなかった私にはうまく説明できないが、娘がこの時の様子を書き留めてくれたので紹介する。

玲は胎盤に包まれたまま産まれるという最高の条件で出てきてくれ、とっても美しい赤ちゃんでした。本当に愛おしくてとっても幸せな時間を過ごすことができました。恐れや罪悪感や死の悲しみに襲われることなく、心に傷も残りませんでした。神様が常に共にいて、出エジプトのストーリーのように、私たちのために海を開き、共に歩いてくださったと感じました。

2日後、「玲」の葬儀を家族で行った。その日は娘の誕生日でもあった。尊い「玲」の命と、娘の命を皆で祝う美しい時になった。そして、天国での再会は、家族の大きな目標になった。

「玲、愛してるよ。私のパーフェクトベイビー。いつか天国で再会してハグするのを楽しみにしているね」。愛する娘が、愛する孫「玲」に向けてメッセージを送った。

神様の与えてくださるものは、確かに、試練を乗り越える良いものだった。

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◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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