キリスト教書店大賞に『わたしはよろこんで歳をとりたい』 老神学者が写真と共につづる「老い」

2019年8月7日19時36分 印刷
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イェルク・ツィンク著、眞壁(まかべ)伍郎訳『わたしはよろこんで歳をとりたい』(こぐま社、2018年10月)

全国のキリスト教書店員が選ぶ「キリスト教書店大賞2019」に、『わたしはよろこんで歳をとりたい』(こぐま社)が選ばれた。300冊を超える著書があるドイツの神学者イェルク・ツィンクが、2016年に94歳で亡くなる前に、美しい写真と共に老いについてつづった本。海外作品の邦訳本が受賞するのは、2015年のジェラルディン・マコックラン著『エッサイの木』(日本キリスト教団出版局)以来2作目。同大賞の公式フェイスブックで1日発表された。

1922年生まれのツィンクは、第2次世界大戦を生き延びた一人として、世界の人々との共存と平和を唱え続けた神学者、牧師。宗教の垣根を超え、平和問題や環境問題についても平易な言葉で積極的に発言し、300冊を超える著書の累計売り上げ部数は1700万部に上る。日本でも『祈りを求めて』『いばらに薔薇(バラ)が咲き満ちる』など、複数の邦訳本が出版されている。

本書は、その著者が「老いは人生の4番目の季節を生きること」と肯定し、老いから死への道程を心穏やかにたどることについて、詩的な表現と美しい写真でつづっている。

訳者の眞壁(まかべ)伍郎氏(新潟大学名誉教授)は、受賞の言葉として次のように語った。

「毎晩寝る前に少しずつ読んで、慰められています」と、たくさんの方からお声がけいただきました。日本語で読めてうれしいとお便りくださった外国在住の日本人の方もおられます。夕暮れになっても光がある。訳しただけの者にとってもうれしい限りです。

2位に選ばれたのは、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が教会関係の集会などで語った講演や聖書研究を収録した『わたしの信仰』(新教出版社)。3位には、フォロアー(読者)10万人以上の人気ツイッターを運営する上馬キリスト教会(東京都世田谷区)による『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』(講談社)が選ばれた。

一般読者がフェイスブックの「いいね!」で投票する「いいね!」大賞には、片柳弘史神父の『始まりのことば』(教文館)が選ばれた。片柳神父は昨年、『こころの深呼吸』(同)で、キリスト教書店大賞と「いいね!」大賞をダブル受賞している。

キリスト教書店大賞は、低迷するキリスト教出版業界を少しでも活性化させようと、2011年に始まった。主催するキリスト教出版販売協会に加盟する全国のキリスト教書店の店員が、前年出版された本の中から「いちばん読んでほしい本」を投票形式で選ぶ。表彰式の日程や場所は後日発表される予定。

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