43カ国から若者1600人が参加、レバノンでテゼ共同体の青年大会

2019年4月15日11時45分 印刷
+43カ国から若者1600人が参加、レバノンでテゼ共同体の青年大会
夕べの祈りの集いに参加する若者たちとテゼ共同体のブラザーたち(写真:世界教会協議会=WCC / Katja Dorothea Buck)

エキュメニカルな男子修道会「テゼ共同体」(本拠地:フランス)による青年大会が3月23日から25日にかけ、レバノンの首都ベイルートで開催され、43カ国から1600人の若者が集った。大会には、中東や欧米から多くの青年クリスチャンが参加し、実り豊かで活気あるエキュメニカルな交流の持ち方を学んだ。

同じ言葉、同じ心で祈る

この大会は、多くの点で通常の国際的な青年大会と違っていた。大会は、レバノンの若者たちのイニシアチブによって開催されたもので、彼らの所属教会が主体となったわけではない。若者たちはそれぞれの教会の指導者を説得し、テゼ共同体のブラザーや世界中の若者をベイルートに招いて大会を開き、共に祈るよう勧めてもらった。中東教会協議会(MECC)も開催を後押しした。18カ月間にわたり、120人の若者が毎週さまざまなグループを形成し、中東諸国や欧州、レバノン国内などから1600人の参加者を集める計画を立てた。彼らは交通機関や食事、ワークショップの開催地、会場の飾り付け、テキストと聖歌付き小冊子の印刷、大会の宣伝、アラビア語によるテゼ共同体の歌のCDなどの手配をした。そして最後には、5日の滞在期間中、国外からのゲストを受け入れてくれるホストファミリーを探した。

運営委員会のリマ・ナスルッラーフ牧師(ベイルート福音教会=NECB)は、次のように話す。

「多くの若者にとって、エキュメニカルな状況で動くのは初めてでした。彼らは、他の教会の人たちの祈り方や聖書の読み方が違うことを学びました。また、エキュメニカルな協力には多くの努力と多くのエネルギー、そして多くの忍耐が必要だということを経験しました。しかし最後に学んだことは、一人一人がこの大会を自分のものにするなら、すべての努力が報われるということです」

海外からの参加者は、色彩に富んだエキュメニカルな経験をした。エジプト出身のコプト教徒メナ・シャウキーさんは、「レバノンの伝統や生活を学び、体験できる素晴らしい機会でした」と話した。シャウキーさんは、英国の宣教団体「エコーズ・インターナショナル」から世界教会協議会(WCC)の青年委員会に派遣されていた。「テゼ共同体のブラザーたちと祈るのは初めてでしたが、とても楽しい体験でした。なぜかというと、私たちは皆、同じ言葉と同じ心で祈っていたからです」。シャワキーさんの元には、中東の参加者から多くの感想が寄せられ、今後開催される他のエキュメニカル集会にも参加したいという声が届いた。

初めてのエキュメニカルな出会い

中東諸国の多くの若者にとって、他の教会の伝統や異なる宗教的背景を持つ人々と話したり、祈ったりするのはこれが初めての経験だった。1600人の参加者の中には、エジプトからのグループや、ヨルダンからのグループ、そしてまた長年にわたる内戦で国民が苦しんでいるイランからのグループがあった。パレスチナからは30人の若者が参加した。他の参加者も、彼らが参加できたことを喜んだ。彼らがビザを取得できるかどうか、ぎりぎりになるまで分からなかったからだ。シリアのアレッポからも30人の若者が参加した。彼らの所属教会は、8年続く紛争の大きな影響を受けている。多くの教会員が爆撃で死亡したり、西側諸国に移住したりしている。「他の国の人たちがここに来て、私たちの話に耳を傾けてくれるのは素晴らしいことです」と、参加した若いシリア人女性のサラさんは語った。

西欧諸国から参加した400人の若者の大半は、中東のクリスチャンと初めて出会った。彼らはワークショップで、エキュメニカルな交流が実り豊かであることを経験した。大会のテーマ「神に従う人はなつめやしのように茂り、レバノンの杉のようにそびえます」(詩編92編13節)に沿って語り合うことを通して、参加者たちは自分のルーツや信仰の養い方を考察し、水平に成長するスギの枝のように他者に手を差し伸べるすべについて深く考えた。

エジプト出身の若いコプト教徒のアミールさんは、「信仰がなければ、恐れることはたやすいことです」と話す。彼は、昨年テロリストの襲撃を数回受けた教会から参加した。また、あるスウェーデン人の少女は次のように話した。「私はこの聖句を読んでも、スギが信仰の象徴だと思ったことは一度もありませんでした」。彼女にとって、スギはただの木でしかなかった。「でも、中東のクリスチャンたちは、聖書に書かれていることを自分と密接に関連付けます。彼らは聖書の登場人物と同じ環境で生きているのです」と少女は続けた。そしてドイツから参加したプロテスタントの学生は、非西洋的環境の中に身を置けたことを非常に喜んだ。「シリアやイラク、パレスチナのような国の若者たちの体験談を聞けるのは素晴らしいことです」。欧州からの他の多くの参加者と同様、彼はアラビア語でテゼ共同体の歌を歌うことに胸を躍らせた。

対話の場

大会の最終日には、キリスト教とイスラム教の対話が計画された。レバノンでは数年前から「受胎告知の日」である3月25日が祝日となっている。キリスト教徒もイスラム教徒も、この日にマリアの受胎告知を祝う。コーランにおいても、マリアが重要な人物として描かれているからだ。モハメド・サレクという若いイスラム教徒は共同式典で、テゼ共同体に関する自らの体験を語った。サレクさんは、フランスのテゼ共同体に初めて数週間滞在したイスラム教徒の一人だった。サレクさんは、今回の経験が人生の転換点になったと語った。「愛に満ちた魂は他人を疲れさせることはありませんし、自分が疲れることもありません」

深い霊性と、信仰の違いを超えた広い視野を持つテゼ共同体の精神が、レバノンの肥沃な土壌に導かれたことは明らかだ。レバノン人の若いギリシャ正教徒のジョニーさんは、次のように話す。

「私は、人が共に集うという発想を大変喜んでいます。私たちは、さまざまなものに対して心が開かれた世代です。私は、まず人を信頼し、人に対して心を開くというテゼ共同体の発想が大変気に入っています」

テゼ共同体は、当時内戦中だった1982年に何人かのブラザーたちがレバノンを訪問して以来、同国と強い関係がある。「私たちはレバノンのクリスチャンたちの深い信仰を称賛しています。それと同時に、彼らがイスラム教コミュニティーと対話できる点も評価しています」と、テゼ共同体院長のブラザー・アロイスは話す。「私たちは、レバノンが東西間の相互理解の入り口であることを確信しています。この東西間の理解は、とても必要なものです。教会だけではなく、人類にとってもです」

※ この記事は世界教会協議会(WCC)のプレスリリースを日本向けに翻訳・編集したものです。

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