聖書をメガネに 「沖縄説教塾とは」沖縄説教塾事務局・平良善郎牧師への応答・その2

2019年4月3日14時20分 コラムニスト : 宮村武夫 印刷
+聖書をメガネに 「沖縄説教塾とは」沖縄説教塾事務局・平良善郎牧師への応答・その2
牧田吉和監修、加藤常昭、河野勇一、堀肇、宮村武夫、窪寺俊之著『福音主義神学における牧会』(いのちのことば社、2003年)

平良善郎先生の沖縄説教塾についての記事を読みながら、平良先生と私の沖縄聖書神学校での出会いとそれ以来の交流の恵みの背後にある、さらなる恵みの絆を覚えました。

話は1958年秋、私が日本クリスチャン・カレッジの1年生であったときに戻ります。ある時、図書館で、当時の『興文』(現在の『本のひろば』の前身)に掲載されていた竹森満佐一(まさいち)先生の文章を読んだのです。それは、エミール・ブルンナー先生の文章を引用しながら、聖書を真ん中に置き、片方に宗教改革者の先達の書物、他方に無神論者の書物を置いて読み進めるとの趣旨の文章でした。

聖書論、聖書の読み方に関心を持ち始めていた私は、この竹森先生の文章に深く引き付けられました。当時、日本クリスチャン・カレッジがあった東京・浜田山から吉祥寺教会を訪問、竹森先生に面会し、経過をお伝えしたのです。その結果、それから卒業まで3年半にわたり、吉祥寺教会の祈祷会・聖書研究会に通うことになったのです。

この重要な出会いは、表面的にはその後の私の生活に何らの影響を与えないように見えていました。ところが80年代の前半になって、竹森先生、また吉祥寺教会の方々との直接の交流が年月を越えて再開されたのです。かなり短期間に、従妹の一人、ボストン時代の聖書研究会に集っていたご夫妻、そして日本女子大学の教え子の一人が吉祥寺教会で受洗し、メンバーとなったのです。こうして竹森先生と、年月の隔たりを越えて直接連絡を取れるようになったのです。

その上、86年4月に私たちが沖縄へ移住する決断をなし準備をする事態になったとき、竹森先生は私たちの沖縄移住に賛成してくださり、励ましてくださる数少ない方のお一人となられたのです。

ある時、昼食を共にし、58年以来の長い年月の思い出、これからの沖縄での生活を展望する、特別なご自宅での忘れがたい交わりの機会を備えてくださったのです。そのような備えの上で、実際に沖縄へ移住してから竹森先生のご召天までの限られた期間、ご不自由な中、時間を注いでお書きくださった文章を通して、個人的な導きを頂いたのです。

そうです、竹森先生が召されたとき、私の手元には、86年から竹森先生の最晩年までに頂いた10通のハガキと1通封書が残されていたのです(宮村武夫著作1『愛の業としての説教』318~320ページ参照)。

説教塾を始められた加藤常昭先生については、吉祥寺教会の祈祷会・聖書研究会に出席するようになってから、消息をお聞きするようになりました。そうです、石川県金沢で宣教・牧会をなさる、若き日の加藤ご夫妻の報告をする際の竹森先生の愛に満ちた様子を今も思い出します。しかし実際に加藤先生にお会いしたのは、後年2002年11月のことです。

「福音主義神学における牧会」を主題に神戸で開かれた、福音主義神学会の全国研究会議においてでした。加藤先生は、主講師として4回の発題講演をなしてくださり、4人の学会員が応答的発題をなす対話がなされたのです。私はその1人として、「愛の業としての説教」を担当しました。この全国研究会議の内容は翌年、『福音主義神学における牧会』(監修:牧田吉和、共著:加藤常昭、河野勇一、堀肇、宮村武夫、窪寺俊之)として出版されました。

この機会を通して、1958年以来の竹森先生との主にある交わりは、加藤先生との交わりに継承されたのです。加藤先生は、竹森先生と私の交わりをとても喜んでくださいました。加藤先生との文通が始まりました。その交わりを一段と豊かにしてくれたのは、平良先生の説教塾での活躍です。

こうした背景の中で、私が沖縄で竹森先生から頂いた10通のハガキと1通の封書を、平良先生に贈呈したのです。平良先生は、加藤先生を通して竹森先生の孫弟子です。同様に私のような者を通しても竹森先生の孫弟子です。そのような平良先生が今、沖縄で沖縄説教塾のため活躍している、感謝です。

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宮村武夫

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京深川生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部(組織神学)修了。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。クリスチャントゥデイ編集長兼論説主幹。

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