Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
世界自転車旅行記

世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄

2015年12月14日12時25分 コラムニスト : 木下滋雄
  • ツイート
印刷
関連タグ:木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄

旅先のジョージアで知り合い、翌年自国に招待してくれたアイスランドのサイクリストの方が、次は中央アジアを走りたいと何度も言っていた。それで次の目的地をここに決めた。しかし、広い地域を短期で走るには、ポイントを絞らなければならない。そこで日本から行きやすいタシケントと、景色のいいキルギスを結んで走ることにした。

2009年6月の夜にタシケント着、ホテルで自転車を組み立て翌朝出発。この町の道路は、広くて驚くほど車が少なく、がらんとしている。首都は、どこの国でも車であふれ、自転車で走るには危険を感じることも多いが、こんな所は初めてだ。ここからカザフスタンの国境まではわずか20キロ。市内見物をしてからでも、昼には国境を越えているだろうと思っていた。

世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
ウズベキスタンの首都タシケントの街の風景
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄

ところが、出入国検査所があるはずの幹線道路にそれはなく、20キロほど北東に行かなくてはならないという。「俺が送ってやる」と言う白タクに乗り(この国では違法でないらしい)その場所に着くと、今度は、外国人は逆の南西に100キロも離れたポイントまで行かねばならないという。

10日しかない旅程で国境越えに2日もかけてはいられない。再びタクシーに何十ドルも払って2時間かかりヤラマという場所に着いたものの、なかなかゲートを開けてくれない。並んでいる間、日陰はなく、大陸内部の強烈な日差しは強く、とても暑い。門が開いてからも、荷物チェックなどの手続きは驚くほどのスローペース、十数人しか並んでいないのにいったい何時間かかるのだ・・・。

やっと国境を通過したときは、すでに夕方になっていた。夜9時ごろまで明るく、時間的には余裕があったが、飲まず食わずの状況が続いたせいもあり、50キロ離れた最初の町に着く頃にはへとへとに疲れてしまった。宿はどこかと聞いた人によると、ホテルはないという。だが、ここに泊まっていいと言ってくれた。こういう親切は本当にうれしい。夕食を頂いた上、銭湯のような所(といってもシャワーだが)にも連れて行ってくれた。

翌日の昼、タシケントまで25キロの標識。やっと昨日越えられなかった国境の反対側に出た。丸1日のロス。その上、暑さも誤算だ。気温は30度そこそこだが、そのわりに日差しは強い。途中道ばたにスイカ売りがいて、丸ごと一つを買った。外にあったわりには冷えていて、その場で半分食べ、残りは袋に入れて後で食べることにした。これで少し元気になった。

世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
カザフスタンで泊めてくれた方に夕食も頂いた。
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
暑さの中、スイカ売りがいてくれて助かった。
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
カザフスタンの風景
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄

このコースは中国北端の天山山脈から続く山塊と、シベリアへ続く大平原との境目にあり、シルクロードの最北ルートに当たる。地形に伴い民族もおおむねここを境に分かれているので、中国人風の人もいれば、白人もいるという感じだ。

翌日も暑く、へとへとになって坂を上っているとき、ザバグリー村8キロの看板を見つけた。ロシア語はよく分からないが、ガイドブックで見たアクス・ザバグリー自然保護区と同じつづりだ。幹線をはずれ山脈の端に近づいていく。村の入り口で流暢(りゅうちょう)な英語を話す民宿の娘さんに呼び止められ、泊まることに。この保護区は、春に花がきれいだそうだが、この季節でも夕立の合間に雪山の麓を散策してみると気持ち良かった。

世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
ザバグリー村の民宿の娘さん
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
天山山脈の端にあたるアクス・ザバグリー自然保護区の山々
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄

天候は炎天から曇りがちとなり、体の調子も良くなってきた。翌夕、またもこの町には宿がないと言われたが、ここでも泊まっていいと言ってくれた人たちがいた。それは食堂の従業員用のユルト(中国のパオと同じ)で、さあ寝ようという頃になって、ここに寝る人がいるからやっぱり泊めてあげられないという。そんなの最初から分かっていなかったのだろうか。100キロ先の町にホテルがあるからとトラックに乗せられ、夜の道を行く。ところが、夜中1時に着いた町はずれの分岐で「俺たちはここで別れるから、降りてホテルを探せ」と言う。言葉も分からん人を真っ暗な中によく放り出せるものだと思ったが、せめて宿まで連れて行ってくれと頼んで、宿を見つけてもらった。汚く何もない所だが贅沢(ぜいたく)は言えない。親切なのかそうでないのか分からない人たちだった。

世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
夕食を頂いたユルトの中。ここに泊めてくれると言われたのだが。

再び、次の国境越えが近づく。先日のことがあるので不安だったが、何のことはない。今度は10分後にはキルギスの人となっていた。この国は山がきれいで、イシュククルという大きな湖もある。残り5日の日程を考え、400キロ離れた湖の東側の山麓にバスで出て、乗機地ビシュケクへ戻って来ることにした。この国はミニバスが網の目のように頻繁に走っている。夕方ビシュケクを出発するバスに乗り、自転車はもう一人分の料金を払って通路に乗せた。湖の東側カラコルの町に未明に着き、バスの運転手の知り合いという真っ暗な宿に入れてもらった。

その朝のうちに南側に30キロ離れた山小屋へミニバンを使って行き、帰りに自転車で下りて来ることにしたが、着いたのは何もかものんびりしたもので3時過ぎ。早く着いてハイキングをしたかったのだが、これでは自転車を持って登っても同じような時間ではなかったか。ここからは氷河も近いが、この時間からでは日没までに戻れない。諦めて近くの散策へ。キルギス族の遊牧民の人たちが所々にいて、ヨーグルトとパンのもてなしを受けたりした。山小屋のそばを流れる川沿いには温泉があり、宿の主人が作った露天風呂があった。なかなか良い雰囲気だ。

世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
キルギス、天山山脈の麓に住む民族の方たち
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄

ビシュケクへ向かうイシュククル湖畔は、両側に雪に覆われた山脈を望みながら色とりどりの花畑の中を走るとても景色のいいコースだ。途中、自転車仲間である日本アドベンチャーサイクリストクラブの方に教えていただいていた脇道に入ってみると、ユルトに泊れる宿があった。

電気もない宿だが、その代わり、天の川をはじめとした星空がとてもきれいだった。

世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
イシュククルの東側にて
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
ユルトの宿から見上げた天の川

その先の峠道からは山を間近に望むことができた。このイシュククル湖畔のコースは今まで走った中でも最高ランクの景色の良さだった。湖から離れてビシュケクへ向かう道沿いにもシルクロードの遺跡がある。あいにくそれを見に行こうとした最終日は雨で、途中パンクしてしまった。雨よけもない所でのパンク修理はかなり憂鬱(ゆううつ)な作業だ。

その後、天気は好転し、夕方空港に着く頃には青空になり、出発地タシケントへ飛ぶ飛行機からは、走って来たコースがよく見えた。

世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
イシュククルの湖畔にて
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄
湖畔から山の方へ寄り道してみた。
世界自転車旅行記(16)中央アジア 木下滋雄

<<前回へ     次回へ>>

◇

木下滋雄

木下滋雄

(きのした・しげお)

1964年横浜生まれ。フォト・サイクリスト。高校時代に自転車旅行と写真を開始し、30歳で五大陸走破を達成。これまでに60カ国延べ6万3千キロを走破している。現在はパラグライダーも楽しむ。ぺトラ建築設計一級建築士事務所主宰。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:木下滋雄
  • ツイート

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.