追悼・加藤凉子さん 「学生運動の闘士」から「キリストの闘士」に

2018年5月11日10時32分 印刷
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右から2番目が加藤凉子さん。ニューホープ東京のタロ・サタラカ牧師(左上)やアーサー・ホーランド牧師(左下)と。
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「私、学生の頃、青ヘルやってたんです!」 そう言って加藤凉子さんは、当時の写真を見せてくれた。痩身(そうしん)の八頭身美人で、とても学生運動家には見えない。運動仲間にかなりモテたらしい。

「青ヘル」とは「青いヘルメット」をかぶって学生運動を指導し、後にゲバ棒を用いる暴力的過激派になった日本社会主義青年同盟(社青同)のグループのことである。私が学生の頃の東京大学では、江田五月君(後に衆議院議長)がリーダーであった。しかし、青ヘルにゲバ棒という凉子さんの「学生運動の闘士」としてのイメージはどうしても湧かなかった。

底抜けに明るく、何事にも体当たりでぶつかっていく情熱家の凉子さんは、後にクリスチャンになり、教会を支え、熱心に伝道した。キリストに救われた凉子さんは、今度は「キリストの闘士」になっていった。ある時、法律問題を抱えた凉子さんが、私の参加していた毎週木曜日の社会人の祈り会(オアシス祈り会)に出席したのがきっかけで、同世代でかつ学生運動経験者ということもあり、次第に意気投合した。

その頃は、「インターナショナルVIPクラブ」がビジネス伝道の活動を世界中に広げていた時期で、凉子さんにオアシス祈り祈会の世話役と「VIPクラブ表参道」の会長になっていただいた。凉子さんはさすがに政治に関心があったのか、講師として、羽田孜元首相などの大物政治家を招くなどした。やがてVIPクラブ表参道は「VIPクラブ赤坂」に合流したが、そこでも、菅直人氏(後に首相)や鳩山由紀夫氏(同)などを講師としてお招きした。各氏は講演でキリスト教との接点を次のように語ってくれた。

羽田氏「私はクリスチャンではないが、妻と息子(羽田雄一郎議員)は熱心なクリスチャンである」

管氏「私は子どもの頃、教会の日曜学校に通っていて、讃美歌が大好きで、いまでも時々歌います。クリスマスのキリスト降誕劇ではマリヤの夫ヨセフを演じました」

鳩山氏「私の祖父(鳩山一郎元首相)はクリスチャンでした。毎年、家族全員でクリスマスをお祝いしました。私は生きているうちに必ずクリスチャンになります」

追悼・加藤凉子さん 「学生運動の闘士」から「キリストの闘士」に
インターナショナルVIPクラブのメンバーたちと

その後、六本木ヒルズのホテル、グランドハイアット東京のレストランで「VIPクラブ六本木朝食会」を始めたときにも、凉子さんに会長になっていただいた。目的の一つは、共に六本木ヒルズレジデンスの住民(ヒルズ族)で、そのレストランの常連であったホリエモンこと、堀江貴文氏と、村上ファンドの村上世彰氏に福音を伝えるためであった。ところが、朝食会スタート間もなく、両氏が逮捕され有罪になってしまい、伝道のチャンスが失われた。途中から凉子さんに代わり私が会長を引き継ぎ、現在までに12人の受洗者が生まれた。

やがて、「ニューホープ東京」の教会設立メンバーであった凉子さんは、教会での責任が大きくなり、VIPクラブの働きからは遠のいていった。教会では「お母さん」と呼ばれて、多くの信徒・求道者たちを親身に面倒見てきた。凉子さんはまさに、「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣く人」(ローマ12:15)だった。ご主人との生涯にわたる別居生活など、苦しみと悲しみを抱えながらも、いつも明るく朗らかに振舞い、福音の伝道に励んできた。凉子さんの周りには笑いと涙が絶えなかった。

その結果、教会にはどんどん人が増えていった。しかし凉子さん本人は、過労と心労から病に倒れ、数年前から入院生活と車いす生活を余儀なくされた。最後まで教会の皆さんを愛し、祈り続け、この4月、ついに天国に凱旋(がいせん)された。

親しい同労者としてのキリストの闘士を失い、深い悲しみを持ちつつ、これから凉子さんの分まで合わせて福音の伝道に一層励むことを固く心に誓った。

(文・佐々木満男=弁護士、VIPクラブ東京大学顧問)

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