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日本宣教論

日本宣教論(62)戦責・天皇・神道 後藤牧人

2018年4月4日16時44分 コラムニスト : 後藤牧人
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関連タグ:後藤牧人

このように見てきていえることは、我々の日本宣教を進めるに当たり、東京裁判の結論を踏まえ、そこから始めるのは不適当ではないかということである。もし東京裁判の決定を宣教の出発点とすると、近世、近代、現代のキリスト教の罪はこれを不問にすることになる。また、宣教者の任務として日本社会を叱責することが重要になる。さらに西欧的な形態のキリスト教こそが本物であることになる。有色人種の文化は、キリスト教とはそぐわないのである。

この立場を取ると福音宣教とは、福音を伝えるとともに日本社会の西欧化の教育でもあることになる。だから、教会の証しは「日本的なもの」を社会から取り除くことで、まず教会内の交わりからそれらを排除することが求められることになる。

日本社会の全体主義、または共同主義的な意識がいけないのであって、隣組、町内会は排除すべきであり、究極的には天皇制がいけないことになる。それらの排除も、福音の使命ということになる。

反対に、東京裁判の結論は100パーセントは受け入れないとしたらどうか。また、福音宣教の中には、キリスト教国のアジア・アフリカにおける行状の告発を含むとしたらどうか。

そこに西欧的キリスト教信仰がすべてではない、絶対ではないとする思想を含んでもいいのか。福音宣教に日本文化の排除を含む必要などない、と考えてもいいのか。さらに「福音+日本的倫理=日本的キリスト教」というところまで考えてもいいのだろうか。

そんなことを、ここから以降で考えたい。ともかく、東京裁判の結論を100パーセント受け入れて、そのような日本理解で宣教するのは、問題があまりに多すぎる。また、神道イデオロギーと俗に呼ばれるもの、それと天皇制が諸悪の根源であるとされるが、そうした定説とされているものをそのまま受け取って、そこから宣教に当たるのも問題が多すぎる。日本において教会建設をする、ということが何を意味しているのか、それを今回以降において考えたい。

太平洋戦争の歴史的意義

太平洋戦争とは、何だったのか。それは、日本があくなき侵略の意図をもって引き起こした狂気の戦争だったのか。それとも、欧米やロシアに侵略され、植民地となっていたアジアにおいて、日本がその圧力をはねのけようとする動きだったのか。日本は、ヨーロッパからの侵略に対して17世紀には鎖国という自衛手段を取ったが、20世紀には自衛のため戦争を起こした。この太平洋戦争は、世界の白人支配に対して有色人種の初めての反乱であり、これを通してアジアの国々は解放され、ついで1960年代には、アフリカ諸国まで独立を遂げた。

歴史に「もし」は禁物であるが、 もし日本が1941年に立ち上がって戦わなかったと仮定したらどうなっていただろうか。当時、アジア・アフリカで独立国として残っていたのはただ2国(タイと日本)だけであった。日本が立ち上がらなかったら、タイと共に時ならずして欧米またはソビエト・ロシアに攻め込まれ、植民地となり、搾取を受けていただろうか。 富は収奪され、社会には乞食が充満していただろうか。

そんな仮定は無意味だろうか、またどこか推論が間違っているだろうか。しかし、アジア300年間の侵略と搾取の歴史をよく見れば、そういう答えもあまり不自然ではないように思える。

米国社会のプロテスタント・キリスト教の偽善を考えると、米国の植民地となり、戦前の米本国内の有色人種(黒人やインディアン)に対するような扱いを受けるのは、考えるだけでも戦慄が走る。でも、ソビエト・ロシアの領土になるよりはマシだったかもしれない。仮定や想像などしても、生産的でない。どちらでもないことを感謝しよう。

日本は立ち上がった。そうして、優れた技術から製造された当時としては最新の武器で戦った。しかし力尽きて、1945年に降伏した。

ところが、日本が恐れていたことは1つも起こらなかった。日本を占領した米国軍は、歴史上にその例を見ないほど寛容に、また紳士的に日本を扱い、敬意をもって日本人に対した。いったい何が起こったのだろうか。これこそ、クリスチャン精神だったのだろうか。黒人には見せず、インディアンにも見せず、フィリピン人にも見せなかった態度を、なぜ日本に対してだけは見せたのか。

たぶん、それはキリスト教精神とは関係がないであろう。筆者が考えるに、米国という国は立ち上がって戦う者には敬意を払うが、戦おうとしない者や弱者には容赦ない、とことん追い詰める。黒人とインディアンが、その好例である。日本はよく戦った。それが敬意を勝ち取った理由だと思う。

敬意とは、言葉が過ぎるかもしれない。バカにはできないので、用心して付き合わねばならないと米国に思わせた、という方が正しいかもしれない。他の人種と日本人では違う。残虐行為をやって、あとは知らぬ顔というわけにはいかない。大変なことになる、と米側は思ってくれた、ということだろうか。

このように、1941年の開戦当時の状況よりして、日本政府が英米露の侵略を恐れた態度を愚かとして、一笑に付することはできないと思うのである。

戦没者の扱い

そういうことであるなら、第二次大戦の戦没者はみな尊い犠牲者である。この人々の尊い血により、日本は独立を守り続けることができたし、アジアの各国は独立を得たのである。また遠くは、アフリカ諸国の独立についても、これが引き金になったと考えられる。

であるから、戦没者に対しては最高の栄誉が用意され、顕彰されてしかるべきであろう。ところが、現実は正反対である。これらの尊い犠牲者たちは、侵略の共犯者としての扱いしか受けていない。自分の親を、夫を、子を失った無数の人の尊い犠牲と悲しみとは、踏みにじられたままなのである。

日本のキリスト教会の良心的な指導者たちも、戦後の日本社会の公式見解を無批判に受け入れており、日本は狂気に満ち、愚かで悲惨な戦争をした。そのような許されざる歴史を持っている、という思考に盲目的に従っている。

キリスト教会も、戦没者の「死者としての人格」に対して、どのような態度を取ればよいか分からず、上述の公式見解に従っているので、戦没者の顕彰についても、また慰霊などの動きに対しても、いたずらに反対するだけなのである。

そのような戦没者に対する態度では、日本宣教は難しいのでは、と感じている牧師もかなりいるのだが、たいていの場合「感じ」に留まっていて、確固たる意見にまでなっていない。それは、歴史的知識と理論が提供されていないからである。何かおかしいと思っているが、教派や教団の公式見解に従っているのが現状である。

日本宣教は、悔い改めから始まる。日本の歴史に対して、日本のクリスチャンは、代々の世界のキリスト教が犯してきた罪を告白し、謝罪すべきである。それは思想的な罪、また殺戮(さつりく)などの事実上の罪である。この悔い改めの告白をしない限り、日本宣教は始まらない。これを放置したままでは、祝福されないはずである。

では、告白すべき場所は、どこが適当か。それは日本の近世の歴史に関わるところであり、日本文化にとって象徴的なところを選ぶべきであろう。日本のクリスチャンはキリスト教国の加害者性について無知のままであってはいけない。そろそろ中学・高校の歴史の教科書くらいの知識から卒業せねばならない。

歴史には絶対的な悪者は存在せず、絶対的な善者もいないはずである。ところが戦前の日本は、便利にも絶対的な悪者に仕立てられており、西欧が絶対的な善者になっている。そんな粗末な歴史知識では、日本宣教はできないのではないか。

(後藤牧人著『日本宣教論』より)

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*

【書籍紹介】
後藤牧人著『日本宣教論』 2011年1月25日発行 A5上製・514頁 定価3500円(税抜)

後藤牧人著『日本宣教論』

日本の宣教を考えるにあたって、戦争責任、天皇制、神道の三つを避けて通ることはできない。この三つを無視して日本宣教を論じるとすれば、議論は空虚となる。この三つについては定説がある。それによれば、これらの三つは日本の体質そのものであり、この日本的な体質こそが日本宣教の障害を形成している、というものである。そこから、キリスト者はすべからく神道と天皇制に反対し、戦争責任も加えて日本社会に覚醒と悔い改めを促さねばならず、それがあってこそ初めて日本の祝福が始まる、とされている。こうして、キリスト者が上記の三つに関して日本に悔い改めを迫るのは日本宣教の責任の一部であり、宣教の根幹的なメッセージの一部であると考えられている。であるから日本宣教のメッセージはその中に天皇制反対、神道イデオロギー反対の政治的な表現、訴え、デモなどを含むべきである。ざっとそういうものである。果たしてこのような定説は正しいのだろうか。日本宣教について再考するなら、これら三つをあらためて検証する必要があるのではないだろうか。

(後藤牧人著『日本宣教論』はじめにより)

ご注文は、全国のキリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

◇

後藤牧人

後藤牧人

(ごとう・まきと)

1933年、東京生まれ。井深記念塾ユーアイチャペル説教者を経て、町田ゴスペル・チャペル牧師。日本キリスト神学校卒、青山学院大学・神学修士(旧約学)、米フィラデルフィア・ウェストミンスター神学校ThM(新約学)。町田聖書キリスト教会牧師、アジアキリスト教コミュニケーション大学院(シンガポール)教授、聖光学院高等学校校長(福島県、キリスト教主義私立高校)などを経て現職。

■ 【後藤牧人著書】(Amazon)
■ 【後藤牧人著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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