Skip to main content
2026年7月15日23時08分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
聖山アトス巡礼紀行

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(39)ヴァトペディ修道院の祭日・その3 中西裕人

2017年10月28日16時14分 コラムニスト : 中西裕人
  • ツイート
印刷
関連タグ:中西裕人東方正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス

祈りの時間が止まり、そこにいるすべての人が聖堂脇の階段に通され、大きなホールに招かれた。そこでは、水やお菓子、コーヒーが修道士たちの手によって配られ、あのフィロセウ修道院でもあったように、休憩の時間となった。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(39)ヴァトペディ修道院の祭日・その3 中西裕人

やがて、マイクを通して主教、修道院長という順番に話を始めた。それまで、ワイワイと水を飲んだり話したりしていた巡礼者たちであったが、その時間だけは静まり返り、その声にすべての修道士、巡礼者たちは耳を傾け、静かに聞き入っていた。とても印象的であった。この深夜のおもてなしは、1時間にわたる長いものであった。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(39)ヴァトペディ修道院の祭日・その3 中西裕人

再び、全員で来た階段を下り、聖堂を目指した。聖堂内はこれまでにないくらいのロウソクに満たされた。修道士たちの声が聖堂のドームに反響し、いつもより高らかに、大きく、どこまでも届きそうで、ふと全体を引いて見ると、まるで聖堂が燃えているかのような明るさ。彼らの声と混じり、何か人間の大きな力と生きている勢いを感じたのである。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(39)ヴァトペディ修道院の祭日・その3 中西裕人

彼らは生きているのだと感じた。神をイメージし、神の力だけを借り、人を想う祈りを日々続けている。一人一人のここへの出家ともいうべき動機について、決してすべてを知り得ることはできないが、ここで生きていく決意と心強さ――。

彼らは生まれながら神に近い存在であり、自己を持つことで遠ざかっていった。それを回復していく道行きが正教の祈りの根本であるという父の話をこの時に思い出した。

生きることは人を想うこと。彼らはこの地で、その教えを感じて生きている。神の一番近くで生きることを決意した修道士たち。この時間、私はこの聖堂で、彼らの力強く生きている姿を感じ取った。それは、何よりも美しく、清らかな瞬間であり、生きる人間にとって何よりも大切なものなのではないかと感じた。

2時間後の午前5時、再び祈りの時間が終わった。そして、ある修道士が私に、こう言った。「1回部屋で休憩です。3時間後にまた聖堂で会いましょう」と。長時間にわたる撮影でデータの保存もしたいところだったので丁度よく、部屋に戻り、荷物とデータのチェックを済ませてから少し仮眠をした。

朝日が昇り、7時半ごろ、再び聖堂の周りに人が集まり出し、ガヤガヤと話しながら、祈りの時を待った。すると、聖堂から主教、修道院長を先頭に修道士たちが列を組んで現れ、そのまま聖水所に向かった。この聖水所での儀式を見るのは初めてであった。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(39)ヴァトペディ修道院の祭日・その3 中西裕人

アトスは950年代、聖アサナシオスによってアトス山から流れる水脈が見つけられ、その後、このような修道院が建てられ、修道士たちが住みついたといわれている。この水は、そんなアトス山から湧き続けている水と思うと、これまでの歴史と永遠のつながりを感じることができる。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(39)ヴァトペディ修道院の祭日・その3 中西裕人

遠く昔から受け継がれる祈りの中で、聖堂ではイコンや不朽体、このように聖水などアトスを取り巻くすべてのものに、これまでの修道士たちの気配を感じるのである。死して、復活を待ち望む修道士たちの祈りの瞬間は、過去との対話でもあるように思う。神の国へ行った修道士たち、今生きている修道士たちが同じ祈りを続け、同じイコンや聖水を目の前にし、これまでの何層にも重なった祈りの時間を、ここアトスでは随所に感じることができるのである。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(39)ヴァトペディ修道院の祭日・その3 中西裕人

やがて、この隊列をなし、聖歌を歌いながら修道院内を回る。これもまた、千年続く祈りである。彼らは、そんな流れを絶やすことなく、今日も続けている。

聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(39)ヴァトペディ修道院の祭日・その3 中西裕人

今回の取材はここまで。日程の関係でこの祈りの最後を見ずに帰路に就くことになった。「また、この地へ来なさい」と誰かに言われている気がする。そんなことを感じながら、バスに乗り込んだ。

<<前回へ     次回へ>>

◇

中西裕人

中西裕人

(なかにし・ひろひと)

写真家。1979年生まれ。東京都杉並区出身。日本大学文理学部史学科卒。外苑スタジオ勤務後、雑誌「いきいき」(現「ハルメク」)専属フォトグラファーを経て独立、雑誌、広告、webを中心に活動中。2014年に洗礼を受ける。父は日本ハリストス正教会司祭であり、年に数回共にアトスを訪れ修道士の生活などに密着した取材を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:中西裕人東方正教会日本正教会(日本ハリストス正教会)ギリシャギリシャ正教会アトス
  • ツイート

関連記事

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(38)写真展「記憶〜祈りのとき」福岡開催報告 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(37)ヴァトペディ修道院の祭日・その2 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(36)写真展「記憶〜祈りのとき」銀座開催報告 中西裕人

  • 聖山アトス巡礼紀行―アトスの修道士と祈り―(35)写真展「記憶〜祈りのとき」開催へ 中西裕人

  • 聖地アトスで「人を想う美しさ」に触れて 中西裕人(写真・文)『孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス』

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 日本キリスト教協議会、皇室典範改正案の衆院通過受け声明

  • 米国のメガチャーチ、毎週の礼拝出席者は1000万人 コロナにも適応し予想上回る回復

  • ヨハネの黙示録(16)太陽は黒く月は赤くなった 岡田昌弘

  • ナイジェリア、6年間でキリスト教徒2万8千人超が殺害される フラニ系武装勢力が主因

  • 無料オンライン講座「キリストの基礎知識コース」第12期受講者募集 8月8日開講

  • 日本カトリック司教協議会、聖ピオ十世会の司教破門巡り信徒に「お知らせ」

  • 途上にて ルカ福音書8章1〜3節 藤崎裕之

  • Gゼロ時代の津波石碑(11)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(その2) 山崎純二

  • 福岡女学院大学とフェリス女学院大学が協定締結 「国内留学」で学生相互受け入れへ

  • 景教のルーツを探るトルコ・アナトリアへの旅(1)アララテ山と教会墓地を訪ねて 川口一彦

  • 米国のメガチャーチ、毎週の礼拝出席者は1000万人 コロナにも適応し予想上回る回復

  • 日本カトリック司教協議会、聖ピオ十世会の司教破門巡り信徒に「お知らせ」

  • 日本キリスト教協議会、皇室典範改正案の衆院通過受け声明

  • ベネズエラ地震、日本のキリスト教支援団体も募金開始

  • Gゼロ時代の津波石碑(11)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(その2) 山崎純二

  • バチカン、聖ピオ十世会の司教6人を破門 教皇の承認ない司教聖別で

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(252)地域教会こそ日本社会の希望 広田信也

  • 景教のルーツを探るトルコ・アナトリアへの旅(1)アララテ山と教会墓地を訪ねて 川口一彦

  • 福岡女学院大学とフェリス女学院大学が協定締結 「国内留学」で学生相互受け入れへ

  • 中国有数の「家の教会」創設者が釈放、米国で家族と再会

  • ヘブライズムへの回帰は「第2の宗教改革」 川端光生牧師が講演

  • バチカン、聖ピオ十世会の司教6人を破門 教皇の承認ない司教聖別で

  • 米合同メソジスト教会、神学校4校を認可外に アズベリー神学校は同性愛巡る理由で

  • 日本カトリック司教協議会、聖ピオ十世会の司教破門巡り信徒に「お知らせ」

  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • トマス・ア・ケンピス著『キリストにならいて』 600年以上読み継がれてきた名著

  • ベネズエラ地震、日本のキリスト教支援団体も募金開始

  • 「根拠に基づくスピリチュアルケア」 オックスフォード大でオリブ山病院の取り組み発表

  • 米国のメガチャーチ、毎週の礼拝出席者は1000万人 コロナにも適応し予想上回る回復

  • カナダでヘイト対策法成立、「善意の宗教的信念の抗弁」撤廃にカナダ福音同盟が懸念

編集部のおすすめ

  • ヘブライズムへの回帰は「第2の宗教改革」 川端光生牧師が講演

  • いのちの言葉聖書学校が卒業式、5人が新たな歩みへ

  • 「今、求められているのは、慰めと癒やし」 能登被災者支援でゴスペルコンサート

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 芥川賞作家の鈴木結生氏らが登壇、青山学院大学で口語訳聖書刊行70周年記念講演会

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • Threads
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.