Skip to main content
2025年8月28日20時55分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会

元捕虜の父親に育てられて ルツ・ダブソンさん

2017年7月26日04時33分
  • ツイート
印刷
関連タグ:アガペワールド第2次世界大戦ホームズ恵子
元捕虜の父親に育てられて ルツ・ダブソンさん+
ルツ・ダブソンさん(左)とアガペーワールド代表のホームズ恵子さん(右)

第二次世界大戦中の連合軍元捕虜と日本人の和解を支援する「アガペワールド」代表のホームズ恵子さんらと共に英国から来日中のルツ・ダブソンさん。英国で生まれ、2歳の時に日本に移住して育ち、自分は日本人だと思って過ごしていたという。

ルツさんと恵子さんの出会いは、恵子さんの息子ダニエルさんとルツさんの弟デイビッドさんがイスラエルに旅行した時のこと。2人はツアー中、同じバスで移動することになった。何気ない雑談の中で、ダニエルさんが自分の母親の活動について話すと、デイビッドさんが「実は私の父は日本軍の捕虜だった」と告白。その後、ルツさんと恵子さんは、家族ぐるみで親しく交流するようになった。

ルツさんの父親は、ジャワ島で日本軍と捕虜の通訳をしていた。そのため、虐待にあったり食事を与えられなかったりといったことはなかったという。むしろ、「父は日本軍の給仕からは特別扱いをしてもらっていたようだ」とルツさんは言う。

しかし、収容所で見聞きしたこと、経験したことの多くを語ることはなかった。「お父さん、何があったの。教えて」と聞いても、「ルツには刺激が強すぎるストーリーだ。聞かせたくない」と言って断られた。

教えてくれたことと言えば、収容所でクリスチャンの韓国人看守に会ったことだった。父は彼から「あなたはクリスチャンか」と聞かれて、「もちろん。私は英国から来たのだから。私たちは皆、クリスチャンだよ」と答えながら、「これが私のバイブルだ」と言って日英の辞書を差し出した。韓国人看守はすぐにそれが冗談だったことに気付き、とても悲しそうな顔をしたという。しかし、父親は英国に帰国後、キリストに出会い、洗礼を受けた。

戦後、一般企業に就職すると、東南アジアへ転勤する機会が訪れた。父親はすぐに志願して、日本で働くことになった。日本滞在中、ルツさんの姉と兄が生まれた。一度、英国に帰国したが、父親は高給だったその職を辞し、神様に示されて、宣教師として再び日本に来る道を選んだ。

1950年代に群馬県沼田市で教会を開拓。さまざまな方法でその土地に住む人々に向けて伝道を開始した。経済的な困難が何度もあったが、そのたびに家族で祈り、不思議な方法で必要が与えられたという。

ルツさんは、5人きょうだいの中でも特に日本を愛し、このまま友達と一緒に日本の学校に通い続けるものと思っていた。しかし、父の示した道は、英国でルツさんに教育を受けさせることだった。

「私は日本の学校に行きたいの」。何度もそう訴えたが、父が首をたてに振ることはなかった。収容所で見た光景が頭から離れなかったのだ。

「日本人との結婚は絶対に許さない。日本人の男性は、女性を奴隷のように扱う。ルツが幸せになるとは思えない」

また、天皇を敬ったり、偶像を礼拝したりする日本の文化にも嫌悪感を示していた。

ルツさんは結局、米国の寄宿学校に入れられたが、自分の願いがかなえられなかったことで、徐々に両親に対して不信感と反抗心を抱くようになった。ヒッチハイクをしたり、悪い仲間と付き合ったりするようになり、家に帰らなくなった。

しかし、ある日、付き合っていた男性に首を絞められ、殺されかけたとき、神様に立ち返り、必死に祈った。九死に一生を得た経験から、神様の守りを感じ、それからルツさんはイエス様についていく人生を選んだのだという。

晩年、ルツさんの父親は徐々に体も弱り、ベッドに寝たきりになっても、時折、うわごとのように「日本に戻らなきゃ。私は英国にいるべき人間ではない。日本でやるべきことがあるのに」と言っていた。

「なぜ、それほどまで日本を愛し、日本宣教のために尽くしたお父様が、ルツさんには日本の教育を受けさせず、日本人男性との結婚も許さなかったのでしょうか」と尋ねると、「人は誰しも弱いところがあります。私の父に関して言うなら、それは『恐れ』だったのではないでしょうか。苦しい経験によるトラウマ(心的外傷)から恐れが生じたのではないかと思います。ですから、日本を愛していましたが、恐れのあまり、娘である私を完全に日本人にすることを拒んだのでしょう」

間もなく迎える終戦記念日。しかし、72年たってもなお、戦争が遺(のこ)した爪痕に苦しむ人がいることを、涙を流しながら話すルツさんが教えてくれた。あらためて、世界の平和を心から祈りたい。

関連タグ:アガペワールド第2次世界大戦ホームズ恵子
  • ツイート

関連記事

  • 元捕虜と日本人との和解の架け橋 アガペ訪日ツアー開催へ

  • 元日本軍捕虜と日本人の和解を通して本当の癒やしを ホームズ恵子さんに聞く

  • 元極東捕虜と遺族迎え アガペ、「和解の旅」開催

  • 元英国兵捕虜との和解の礼拝「アガペ」開催

  • 長崎・香焼の捕虜収容所跡地に記念碑、元捕虜ら20人来日 平和願い祈り

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • シリア語の世界(31)シリア語新約聖書の和訳(2)テモテへの手紙第一からヨハネの黙示録まで 川口一彦

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(229)コロナ禍による信仰生活への影響 広田信也

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 幸せな人生とは 菅野直基

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

編集部のおすすめ

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.