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主は生きておられる

主は生きておられる(6)大海の中の一滴にすぎずとも・その1―百聞は一見にしかず 平林けい子

2017年6月16日07時05分 コラムニスト : 平林けい子
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フィリピンの里子のジェニファー・Lから郵便が来た。中には彼女の手紙と2枚の写真。彼女が行っているプレイズ・エメラルド国際学校の校長先生からの支援金の領収書とサンキューカードも入っていた。ジェニファーがあまりにも娘らしくなっていて驚いた。支援を始めたときは、小学校1年生、弱々しい子羊のようだった彼女はすっかり大人になり、娘らしくなっている。もうハイスクールの3年生だ。

プレイズ・エメラルド国際学校は、キリスト教精神によって、将来フィリピン社会に役立つ子どもたちを生み出すために故ベネラシオン判事によって創立された。キリスト教精神によって運営されている。ベネラシオン判事(2009年死亡)は、飛行機事故で長女を亡くされたとき、彼女の死を覚えるために貧しい子どもたちの教育支援を決心された。

1年目の記念会には、恵まれない子どもたちの保育園を創設された。2年目は、栄養不良の子どもたちのためのスープキッチンを。学校に入れない子どもたちがエメラルドに来て、歌を歌い、神様のお話を聞いた後、給食を食べて帰るプログラムである。そのような中から出発したのがエメラルド国際学校である。

2007年、私は関西連合婦人会の会長をバトンタッチしたばかりだった。連合の働きとして、マニラの貧困地区ケソン市にある子どもたちの教育支援としてプレイズ・エメラルド国際学校に募金を送ることに決まった。1カ月100円からの支援金。雀の涙のようなわずかなお金でも、集まればかなりの額になる。「ちりも積もれば山となる」のことわざのとおり。

私は、ただお金を集めて送るだけの支援はしたくなかった。顔の見える支援をしたいと思った。支援先へ行って、子どもたちの顔を見て、声を聞きたい、手を握りたい、ハグしたい、一緒に笑いたいと思った。

そこで11人で学校を訪問することになった。マニラで私たちの乗った車は小雨の中を走り出した。横断歩道も信号も見当たらない中、車は時々止まった。止まるごとに、子どもが窓から花束や新聞を差し出した。背伸びをしてやっと車の窓に届くくらいの子もいた。雨の中なのにはだしの子もいた。

ビルの入り口に座って何かを売っている子に目が留まった。日本なら、「さあ、早くしなさい」と母親にせかされて学校へ向かう時刻。そう思うとたまらなくなって心が痛んだ。

翌日は、ゴミの山、スモーキーマウンテンへ向かった。道はだんだん狭くなり、トタン屋根、廃材を集めて作られた、見るからに貧しい家々が並ぶ地区へと入って行った。ゴミの山の近くに保育園があった。なぜこんなところに? そこを訪れた。

3歳、4歳くらいの子どもたちが笑顔いっぱいで迎えてくれた。ちょうど給食前だった。少しのご飯の上にうどんに似たものがのっていてスープが入っていた。栄養が足りない分はビタミン類が混ぜてあるということだった。この給食が1日の食事だという子もいた。

キラキラした目をした子どもたちは、声を張り上げて歌を歌ってくれた。私たちのお土産を喜びいっぱいの顔で抱きかかえた。保育園といってもブランコも滑り台もない、教室が1階に2つ、2階に1つあるだけだった。

でも良かった! もしこの保育園がなければ、この子どもたちは親と一緒にゴミの山に行っていただろう。思わず主よ、ここに保育園を作ってくださって感謝しますと祈った。どうかこの子たちをお守りくださいと祈りながら、小さな手としっかり握手をした。かわいい温かい手だった。

スモーキーマウンテンは、マニラ各地からダンプカーで運ばれてきたゴミでできている山といえる。悪臭とよどんだ空気の中を、何人かの男性が大きなゴミ袋を担いで歩いていた。

自分の家(というより小屋といった方が正しいかも)で、その袋の中から釘、ねじ、缶、びんなど金目になるものをお金に変えてもらう。そのわずかなお金が夕食代になると聞いた。そのためにゴミの山の存在意味があるという。2度目にここを訪れたときは、ゴミの山の再利用プロジェクトのことを聞いた。ゴミの山によって生きている人たちの現実に考え込んでしまった。

私は第2次世界大戦中、小学生だった。「欲しがりません。勝つまでは」のスローガンで生かされた。豆かすとおいもの蔓(つる)が主食だった。絶えず空腹だった。

テレビ、新聞、本などからも飢餓、貧困ということに関して少しは知っていると思っていた。しかしその時、本当は知らないのに知っていると思っていた自分の高慢さが、ガラガラという音を立てて崩れた。「百聞は一見にしかず」だった。主は私の高慢を打ち砕いてくださった。

自分の目で見て、においをかぎ、耳で聞いて、手でさわって初めて貧困、飢餓が分かった。空腹は一時的な状態だが、貧困はもっと深い。家族、共同体、社会、ひいては国の問題にまで至る。飢餓はその極限で、継続して存在する。

「子どもたちよ。私たちは、ことばや口先だけで愛することをせず、行いと真実をもって愛そうではありませんか」(Iヨハネ3:18)

砕かれて、あらためて祈りつつ、プレイズ・エメラルド国際学校に向かうことになった。(つづく)

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◇

平林けい子

平林けい子

(ひらばやし・けいこ)

1934年京都に生まれ、京都府に在住。同志社大学文学部英文科卒業。1男2女の母。長女が小学校入学を機会に好きな英語をもう一度学びたいと思ったとき、奇しくも今の教会の英会話クラスのちらしを見る。聖書を開き、ヒューマニストだと思っていた自分が仮面をかぶった罪人だと分かった。罪を悔い改めて受洗。しかし、真の神に出会ったのはそのあとの試練の真っただ中だった。主の奇跡を次から次にいただき今に至る。30年間家で中高生向けの英語塾を、13年間町の公民館で中高年の人たちに中級英会話クラスを担当。教会の英会話クラススタッフは38年になる。趣味は、読書。福音書を読む以外は詩、エッセイを読んだり書いたりすること。海外旅行、動物が大好き。京都府・長岡福音自由教会員。フェイスブックはこちら。著書に『主は生きておられる』。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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