昭和初期の宣教師のエッセイ集『東京がたり』全訳、明治学院歴史資料館が刊行

2017年3月30日13時01分 記者 : 坂本直子 印刷
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+明治学院歴史資料館、昭和初期の宣教師のエッセイ集『東京がたり』全訳を刊行 
当時作成された小冊子は、竹の皮が用いられ、緑色のインクで竹のイラストと笹の葉風にアレンジされたタイトル文字で「Telling Tales on Tokyo」と描かれ、同じ緑色の糸で和とじされている。

明治学院歴史資料館(東京都港区)は、戦前、米国長老教会海外伝道局が無料配布用に作成した英文小冊子の全訳『Telling Tales on Tokyo「東京がたり」』を刊行した。1930年代半ば、すなわち戦前に出されたもので、当時、東京で活動していた宣教師のエッセイが収録されている。

同館資料集は2004年、『井深梶之助生誕150年記念号』から刊行が開始され、その後、『ヘボン資料集』(第3集)、『アメルマン・フルベッキ・ブラウン・ヘボン・J.H.バラ史料集』(第6集)などの貴重な史料が出されてきた。その第12集となる本書では、昭和初期、宣教師の目から見た日本のクリスチャンの姿を知ることができ、また明治学院の教育の質の高さも読み取ることができる。

訳した同館研究調査員の齋藤元子氏によると、これは海外伝道への関心を高め、献金による経済的支援を促すため、また若い読者には海外伝道への志を持ってもらうことを目的に全米各地の長老教会で配布されたもの。

収められているエッセイは、「母の日の探求 女子学院―少女たちのミッションスクール」「希望の扉 東京のスラム街におけるセツルメント活動」「軍隊毛布の縦糸と横糸 近代日本の工場にて」「平和の預言者たち 4人の日本人クリスチャンリーダーの発言」「目新しい卒業式 聴覚障害者のための口語法学校」「明治学院の少年たちは英語で思考する ミッションスクールの少年たちの自己表現」「慰めの庭の花 完治した一人のハンセン病罹患者」「『どうぞお入りなさい、学生さん』 宣教師と『オープンドア学生センター』」の8編。それぞれ日本語訳の後には原文の画像と、巻頭にはエッセイ執筆者の写真が掲載されており、内容がより身近に感じられる。

中でも「明治学院の少年たちは英語で思考する」は、当時の生徒たちの書いた文章を取り上げたもので、男尊女卑が当然であった時代でありながら、夫婦や親子間のリベラルな関係、男女平等が主張されている。齋藤氏はこのことについて、当時の明治学院の生徒が宣教師から「英語という外国語のみならず、社会を洞察する力や自らの意見を明確に論述する力を教授されていたことがエッセイから十分に読み取れる」と述べている。

明治学院歴史資料館資料集第12集『Telling Tales on Tokyo「東京がたり」』は、同館で販売している。定価は600円(税込み)。バックナンバーも購入可能で、詳しくは同館(電話:03・5421・5170、FAX:03・5421・5409、メール:shiryokan@mguad.meijigakuin.ac.jp)まで。

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