Skip to main content
2025年11月11日20時02分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(13)残された99匹はどうなる? 広田信也

2017年2月8日11時37分 コラムニスト : 広田信也
  • ツイート
印刷
関連タグ:広田信也ブレス・ユア・ホーム

「あなたがたはどう思いますか。もし、だれかが百匹の羊を持っていて、そのうちの一匹が迷い出たとしたら、その人は九十九匹を山に残して、迷った一匹を捜しに出かけないでしょうか。そして、もし、いたとなれば、まことに、あなたがたに告げます。その人は迷わなかった九十九匹の羊以上にこの一匹を喜ぶのです。このように、この小さい者たちのひとりが滅びることは、天にいますあなたがたの父のみこころではありません」(マタイの福音書18章12~14節)

99匹を選ぶか、迷える1匹を選ぶか、という観点でこの聖書箇所を考え出すとよく分からなくなるところだが、実際に迷える1匹のために時間と心を集中させることができるか、と自問してみると、その難しさがよく分かる。残される99匹のことは放っておけないのが常だからだ。

昨年10月に私の母教会の宣教師が天に召された。25年以上もお世話になり、信仰を導いてくださった方だ。昨年6月に久しぶりに訪問した際、国内宣教師として私に按手をしてくださっただけに、もう少し宣教師の模範を見させていただきたかった。語り尽くせない懐かしい思い出があるが、彼の後ろ姿を思い出すと、先ほどの聖書にある1匹の羊を捜しに行く羊飼い(イエス様)の姿が重なってくる。

彼の葬儀は、市民クリスマスでなじみのある広い会場で執り行われたが、クリスマスより大勢の人が集まったように思う。多くの人が別れを惜しみ、涙を流していた。私とは面識のない人もたくさんいたが、私と同じように彼を慕い、彼のことが大好きだったに違いない。

彼が多くの人々に慕われていた理由ははっきりしている。それは、私も同じことだが、かつて迷える1匹の羊だったとき、彼が捜しに来てくれたことをしっかりと覚えているからだ。そして、もし再び迷ったときには、彼は99匹を置いてでも捜しに来てくれると信じていたのである。

当然のことだが、彼は神様ではないので、大勢の人を迷える羊のように扱えるわけがない。実は、私も含めて迷っていない大半の時には、放っておかれる99匹の体験をすることがある。彼が迷った1匹を追いかけて出掛けてしまうときには、予定していたことはうまく進まず、後始末に追われることになるのだ。私が懐かしく思い出す彼の後ろ姿は、私たちを置いて出て行こうとする姿なのかもしれない。

しかし、たとえ置いていかれても、後始末に追われたとしても、私は彼の後ろ姿が懐かしくてたまらない。彼の向かおうとするところには、弱さや貧しさが満ちていて、神様の哀れみがいっぱいに注がれていたからだ。だから、いつの間にか私も一緒に出掛けてしまうことがあった。彼の後を追って出掛けたホームレス伝道や老人ホーム伝道も懐かしい思い出である。

私は、長年大企業で世界標準の技術を生み出す仕事をしていた。どのような働きや技術でも、標準的に使える仕組みがなければ普及することはない。そう考えると、迷える1匹より100匹全体を考えてしまいがちなのだ。福音を日本の津々浦々に伝えるためにも、宣教の仕組みが必要である。私はその仕組みづくりに今は没頭している。

しかし、仕組みはあくまで道具であって、福音を伝えるのは心を動かされた人である。イエス様が弱さを抱える人々に寄り添ってくださらなければ、あるいは、福音を携えて出て行く宣教師の後ろ姿を知らなければ、どんな道具も使いものにならない。

私の母教会は、大切なリーダーを失って寂しさを覚えているに違いない。親しい教会の皆さんと慰め合いたい気持ちが溢れてくる。しかし、彼の後ろ姿に感動した人々が集まる教会は、1匹の羊を捜し求めるイエス様を見失うことはないだろう。そして、それぞれの立場で彼の足跡に従う人々がいることだろう。

現在私は、母教会からは遠く離れ、宣教の仕組みづくりに日々忙しい毎日を送っている。しかし、今日も全国各地から、まだ会ったこともない弱さを抱えた人々が、ネット検索から私たちを見いだし、電話やメールで助けを求めてくる。

1匹の羊を捜し求める真剣な戦いがその時から始まる。状況を引き出し、寄り添い、最善の策を練って行動に移す。極めて忙しい毎日の中に入る依頼者の声が、その時に抱えている全ての予定を狂わせる。しかし、寄り添って出掛けていく先には、間違いなく神様の祝福が満ちているのである。

もちろん対応し難いことはたくさんある。しかし「ためらわずに寄り添いなさい」と神様はいつも語ってくださっているように思う。私たちがその言葉に従って出て行くなら、残された99匹の羊たちは、きっとその後ろ姿を見て、イエス様の足跡に従うようになってくれるだろう。置いていかれる99匹は、実はイエス様の姿を見いだす幸せな羊たちなのである。

日本宣教は放っておかれた羊たちが担うのかもしれない。

<<前回へ     次回へ>>

◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:広田信也ブレス・ユア・ホーム
  • ツイート

関連記事

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(12)最後まで寄り添わせてください 広田信也

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(11)祈りの積まれた国「日本」 広田信也

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(10)新しい皮袋を準備する 広田信也

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(9)日本宣教の仕組みづくり 広田信也

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(8)「先祖儀礼」を大切にする家の記念会 広田信也

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • 神の見えざる御手 佐々木満男

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

  • ローマ教皇レオ14世に聖書協会共同訳のミニチュアバイブルなど献呈

  • 世界福音同盟(WEA)「ソウル宣言」全文和訳

  • ワールドミッションレポート(11月11日):ブラジル 世界最大のカトリック国で起きている劇的な地殻変動(3)

  • 新総主事が就任、国際理事会が新体制に WEA第14回総会「ソウル宣言」採択し閉幕

  • 聖書のイエス(21)「自分のいのちを捨てる」 さとうまさこ

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(252)聖書と考える「ザ・ロイヤルファミリー」

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • メル・ギブソン監督「パッション」続編がクランクイン、キャスト一新でイエス役も新俳優

  • ローマ教皇レオ14世に聖書協会共同訳のミニチュアバイブルなど献呈

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

  • 世界福音同盟(WEA)「ソウル宣言」全文和訳

  • 神の見えざる御手 佐々木満男

  • 世界62カ国で宗教的「迫害」や「差別」 2年に1度の「世界信教の自由報告書」発表

  • ワールドミッションレポート(11月9日):ブラジル 世界最大のカトリック国で起きている劇的な地殻変動(2)

  • 新総主事が就任、国際理事会が新体制に WEA第14回総会「ソウル宣言」採択し閉幕

  • 主は生きておられる(241)カレンダーあと1枚 平林けい子

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 日本キリスト教団出版局、事業を整理・縮小へ 5月に債務超過

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 世界福音同盟(WEA)「ソウル宣言」全文和訳

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • ワールド・ビジョンがクリスマスキャンペーン、教会で酒井美紀さん登場のコンサートも

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.