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これからのキリスト教映画を語ろう!(3)「スポットライト」の衝撃と「沈黙」への期待と不安

2016年12月30日17時00分 記者 : 土門稔
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関連タグ:青木保憲
これからのキリスト教映画を語ろう!(3)「スポットライト」の衝撃と「沈黙」への期待と不安+
「沈黙-サイレンス-」 配給:KADOKAWA (c) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.

カトリックの性虐待事件を描いた「スポットライト」を考える

記者:カトリックの聖職者の性虐待事件を描いてアカデミー賞を受賞した「スポットライト」はどう見られました?

青木:教会の中でいろいろあるのは、教会の中で子どもの頃から見て育ってますから、驚きはあまりなかったんです。アメリカの1980年代以降のテレビ伝道者も、お金や女性問題などで失敗してきたわけですから。でもジャーナリズムの存在が大きな意味を持っているなぁと思いました。同時に、親の責任も大きいなと感じました。子どもたちが訴えたときに、親も教会と神父を信じて加害者側に立ったわけだから、責任があると思いましたね。

記者:私は映画の後、新聞社の調査報道をまとめた原作本を読んだんですね。

【関連記事】
■ 映画「スポットライト 世紀のスクープ」 調査報道の重要性と決して人ごとではない教会による犯罪
■ 映画では描かれなかった、あまりに重い教会の犯した罪のディティール 書籍『スポットライト』

すると、映画よりずっとひどい現実を知りました。構造的な問題なんですね。最終的に全世界のカトリック教会で裁判になり、計数千億円の賠償金が支払われるほどの事態だったわけですから。同時に、調査報道を扱った映画と記者の英雄譚(たん)になってしまっていて、全然甘いなとも思いました。2時間の間に実はほとんど教会のシーンがないんです。そこはものすごく教会に対して遠慮していると感じました。

あと取材をしていて知ったのは、日本でも教派問わず教会の中で聖職者や教職者による性虐待事件というのは多数起きているんです。映画だけの問題では全くない、現実そのものです。でも多くの場合、それは表沙汰にならず、教会の中で「示談」「和解」として密かに処理される。そして加害者の神父や牧師は数年後、また別の場所で同じ事件を犯し続けるんです。そのあたりは、「スポットライト」の事件の構造とびっくりするほど同じなんですよね。これはいつか日本でも大変な問題として噴出すると思います。

青木:なるほど。

記者:私は神学部で学ぶ中で、「実践神学」の「臨床牧会学」という科目では、自分が陥りやすい精神的な傾向や牧師が持つパワーやカリスマ性の危険を見つめ直すような授業があったんですね。米国の神学校では非常に綿密なプログラムがあって、そこで学んだ先生の教えるプログラムなんです。でもそれはまだ新しい分野なので、一定の年代以上の牧師さんは、神学校でそういう教育を受けていない。それがこの問題の根底につながっている気がします。

青木:それはあるかもしれないですね。

記者:でも青木先生のお話を聞いていると、やはり牧師であり神学者として、映画についても真面目ですよね。

青木:まあそうですね(笑)。これは説教や伝道について使えるかといつも思ってますから。「君の名は。」のレビューを書いて、あれは神道的な要素が強い映画で、全く関係ないキリスト教に無理やりこじつけている、と言われたんです。確かにその通りだとは思います(笑)。でも日本映画の中に日々、研究者として聖書や組織神学で考えていることと重なっている部分があるんです、ということを示すのは意味があると思いますし、面白いんですよね。

記者:映画だと、神学書と違って、普通の人にも伝わるわけですよね。

青木:そうなんです。だから私はいつかは「スターウォーズ神学概論」を書きたいんですよね(笑)。

記者:気になるタイトルですね(笑)。楽しみです。

2017年の超大作スコセッシの「沈黙」への大いなる期待とかすかな不安

記者:来年の話題というと、やはり超大作マーティン・スコセッシの「沈黙」ですね。

青木:楽しみにはしてます(笑)。でもスコセッシだからこそ気になるんです。同志社の神学部でスコセッシとキリスト教というテーマで博士論文を書いた木谷さんという先生がいて、よくそのお話をするんですけど。彼はとてもまじめなカトリックで、若い頃は神父になることを真剣に考えたほどの人なんです。でもスコセッシはカトリック的だというけど、「新解釈」を目指して極端な描き方をするイメージが強いんですよね。「タクシードライバー」とか「カジノ」とか。

遠藤周作の『沈黙』は、本来は日本的な意味での「崇高」「観念的」なドラマです。スコセッシがそれをどう描くのか? キリスト教礼賛、カトリック万歳!という映画にはしないのではないかと思います。でも、日本の予告やPRを見ると「人間の魂のドラマ!」みたいな感動ものとしてやってますけど、果たしてそうなるのかなぁと。

原作通りだとしたら、最後は「ころぶ(改宗する)」わけですよね。それをアメリカ人で熱心なカトリックのスコセッシがどの視点で描くのかは興味ありますよね。遠藤周作の描く通りの視点で描いたら、世界のキリスト教のスタンダードの目から見たら、「ああ転んだ」としか見えない。それを違う視点でどう描くのか? でも違う視点で描いたら遠藤が言いたいことと違ってきてしまうわけです。

タイトルが「沈黙」だけど、中核は「神は共に苦しんでいる。神は沈黙していなかった」という結論ですよね。

キリスト教の有名な「フットプリント」という詩と共通しているメッセージ性ですよね。でもクリスチャンがみんな「沈黙」を通して②(未信者伝道型)で見に行きたいと思っていたら裏切られると思う。遠藤自体が③(キリスト教の新解釈)をやってるわけですから。日本的なキリスト教信仰を、世界の「普遍」であるカトリック信徒であるスコセッシが果たして理解できるのか? もし理解できたらすごいことだと思います。遠藤文学は世界に通じることになるわけですから。

記者:いわば遠藤周作は世界文学であると言える。

青木:そう。だから本当の意味で“一般の日本人が感動”したら成功だと思います。でも日本人に分かんないけど、世界が「極東アジアの非キリスト教国の日本でこんな作品が作られた!」と絶賛するような形で評価されたらちょっと悲しい。

記者:いわばE・W・サイードの「オリエンタリズム」的な評価ですよね。

青木:そう。そうなるとちょっと悲しいですよね。本質がずれているというか。

記者:でもそうなるんじゃないですかねえ。北野武の「ソナチネ」だって、日本では全く観客が入らなくて1週間で打ち切りになって、後になってフランスやヨーロッパで高く評価されて、逆輸入されて再評価されたわけだし。どうしてもそうなるんじゃないですかねえ・・・。

青木:だとしたら、今はやりの「原作なんとか、原作を台無しにされた映画」になっちゃうともいえますよね。

でもいずれにしろとても楽しみにはしてます。あとは、窪塚洋介君が俳優として復活したのはすごくうれしいです。大好きな俳優だったので(笑)。彼が世界に羽ばたく俳優となれているのは個人的にとてもうれしいです。

最後、こんなオチでいいのかな(笑)。

記者:なるほど(笑)。では、これぐらいにして、後は楽しみに劇場で見るということで(笑)。2017年も、キリスト教映画を楽しみに見ていきたいと思います。今日は長時間ありがとうございました。

青木:ありがとうございました。

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