牧師の小窓(58)ポール・リース博士 福江等

2016年12月12日05時29分 コラムニスト : 福江等 印刷
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ポール・リース博士(1900~1991)

これまで随分多くの方々の説教を聞いてきましたが、忘れられない説教者の1人がポール・リース博士(1900~1991)です。ビリー・グラハム氏の親しい友人でもあり、協力者でもあったリース博士は、日本にも何度も来られて、ケズィック・コンベンションなどの講師として名説教をされました。

私がリース師のメッセージを初めて聞いたのは、カンザスの神学校の特別チャペルの時でありました。1972年の頃だったと思います。太くよく響くバリトンの声で、ゆっくりと言葉を選びつつ、分かりやすい言葉が一言一言、聴衆の心に打ち込まれていくような説教でありました。

聖書個所はヨハネ13章のイエス様が最後の晩餐の席上で弟子たちの足を洗われる場面でした。神のしもべの在り方を語ってくれました。仕える者の姿が目に見えるようでありました。

その中で忘れられないのが「手ぬぐいを取って」という御言葉であります。「He took a towel.」という短いフレーズが、今もなお記憶に鮮明に残っています。イエス様が神のしもべの在り方を教えるのに、ごく身近にあった「手ぬぐい」を手にしたという事実、「手ぬぐい」はどこにでもあるもの、神のしもべとして生きるには特別なものはいらない、ごくごく自分の身近にあるものを用いることで、神にお仕えすることができるのだ、という真理が魂に打ち込まれました。

リース博士はモーセを例に挙げて、神様がモーセを召されたときに言われたことは、「あなたの手にあるものは何か」という質問であったことを指摘されました。モーセの手にあったものは、どこにでもあるような素朴な「杖」でありました。その「杖」を神様は用いて、モーセを通して驚くべき奇跡をなさいました。

神様は私たちに特別な才能や賜物を求めてはおられない。自分が持っているもの、ごく身近にあるもの、ごくありふれたもの、それを神様にささげるときに、神様はそれを喜ばれて、奇跡を起こされる。そんなメッセージが記憶の底意に打ち込まれました。

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福江等

福江等(ふくえ・ひとし)

1947年、香川県生まれ。1966年、上智大学文学部英文科に入学。1984年、ボストン大学大学院卒、神学博士号修得。1973年、高知加賀野井キリスト教会創立。2001年(フィリピン)アジア・パシフィック・ナザレン神学大学院教授、学長。現在、高知加賀野井キリスト教会牧師、高知刑務所教誨師、高知県立大学非常勤講師。著書に『主が聖であられるように』(訳書)、『聖化の説教[旧約篇Ⅱ]―牧師17人が語るホーリネスの恵み』(共著)、『天のふるさとに近づきつつ―人生・信仰・終活―』(ビリー・グラハム著、訳書)など。

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