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日本宣教論

日本宣教論(23)日本国内の状況:仮名の発生 後藤牧人

2016年10月5日06時05分 コラムニスト : 後藤牧人
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関連タグ:後藤牧人

仮名の発生

おそらく日本人の性格を形作った最大のものの1つは仮名の使用であろう。仮名はもともと朝鮮半島から来たので、これは朝鮮で「吏読(りとう)」といわれ、下級官吏が漢文の文章を発音するために字画の少ない漢字をフリガナとして使用した。これは、ほとんど万葉仮名と同じである。日本人はそれをさらに簡略化して「カタカナ」を作り、また草書体を用いて「ひらがな」を作った。(梅原猛『水底の歌』新潮社)

このように、アイデアは朝鮮半島から来たのであるが、日本人はそれをさらに発展させて「漢字仮名混じり文」を正式の書字法として採用した。これは朝鮮の学者からはなんと低級な、と蔑視され嘲笑された。朝鮮では格調の高い「漢文」が、そのまま使用されていた。日本よりは朝鮮の方が、ずっとレベルが高かったのである。(もし漢文をそのまま使用するのが高級なことだとすれば、であるが。)

朝鮮半島では、漢文の使用のために初等教育がほとんど不可能になった。わずか一握りの人間だけが漢文の読み書きができる。それ以外の人間は、全て文盲という状態が長く続いた。

表音文字のハングルは市民権がなく、存在しないも同然であった。朝鮮総督府がハングルで初等教育をし始めるまでは顧みられなかった。そういう低級なものは教育にはそぐわない、と朝鮮の学者たちは考えたのである。

ところが日本人にとっては「仮名混じり文」が正式な書字法である。だから朝鮮総督府は、ハングル教育を推進するのに抵抗がなかった。

日本の仮名には世界でも唯一の特長がある。それは母音と子音に分かれていないということである。そのため一字を覚えれば一字を読め、一字が書ける。47字を覚えるのに大した苦労は要らない。

であるから、日本の子どもはだいたい小学校に入るころまでには習わなくても仮名が読めるようになっている。これは親や兄弟など、周囲の者に教えられて習得するのである。つまり、仮名の習得のためには教育機関(学校)で専門家たち(教師)が教えなくてもよい。これが仮名の大きな特徴であり、長所である。

だから、普通は認識されていないが、日本には昔から事実上、文盲は存在しなかったのである! 日本では教育のないものでも仮名でメモを書き、計算をし、手紙を書くことができた。秀吉はたくさん手紙を書いたが、彼は教育がなく漢字を知らなかったので、全て仮名である。仮名ばかりであるので、意味が不明なこともある。また仲間うちでないと分からぬことなどが多い。当たり前のことである。

野口英世の母親の手紙もそうで、田舎言葉のままの手紙である。われわれが読めば意味をなさぬところが多いが、猪苗代の母とアメリカ在住の息子の間では完全に理解が成立した。仮名だけでも、親子ならコミュニケーションが可能である。

また振り仮名によって、習わなくても漢字の学習ができるのである。そういうわけで、日本には「文盲」という字はあったが、これは漢字が自由に読めない者という意味である。これは英語のイリテラシー(読み書きができること)とは全然違うのである。

英語の意味は「いかなる文字によるコミュニケーションもできない者」という意味である。だから繰り返すが、日本ではイリテラシーの率は、いかなる時代でもゼロに近かったのである。

これに反してアルファベットのように、母音と子音が分離しているものは習得が難しい。どうしても国内に文盲ができる。

有名なセサミ・ストリートは、組み合わせられたアルファベットの読み方の訓練なのである。言い換えれば、つづられたアルファベット(スペル)の読み方が分からない子どもが多数いるのである。それでああいう番組を延々とやる。

それでも、読めるようになれない人間が多く生じるのである。くどいようであるが、エイー、ビー、シーと字の名を教え、さらにt - h - eをティー、エイチ、イーと読むように訓練するのは時間さえかければできる。

しかしそれは「ザ」と読むのだ、というところには論理が不在である。「ご無理ごもっとも」で、理屈はなくただ暗記せねばならない。そうしてそれが永久に把握できない人々がいるのである。

日本における初等教育の普及は、子どもが仮名の読み書きについては、すでに把握しているか、きわめて簡単に習得してくれるところから可能だったのだろう。

(後藤牧人著『日本宣教論』より)

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*

【書籍紹介】
後藤牧人著『日本宣教論』 2011年1月25日発行 A5上製・514頁 定価3500円(税抜)

後藤牧人著『日本宣教論』

日本の宣教を考えるにあたって、戦争責任、天皇制、神道の三つを避けて通ることはできない。この三つを無視して日本宣教を論じるとすれば、議論は空虚となる。この三つについては定説がある。それによれば、これらの三つは日本の体質そのものであり、この日本的な体質こそが日本宣教の障害を形成している、というものである。そこから、キリスト者はすべからく神道と天皇制に反対し、戦争責任も加えて日本社会に覚醒と悔い改めを促さねばならず、それがあってこそ初めて日本の祝福が始まる、とされている。こうして、キリスト者が上記の三つに関して日本に悔い改めを迫るのは日本宣教の責任の一部であり、宣教の根幹的なメッセージの一部であると考えられている。であるから日本宣教のメッセージはその中に天皇制反対、神道イデオロギー反対の政治的な表現、訴え、デモなどを含むべきである。ざっとそういうものである。果たしてこのような定説は正しいのだろうか。日本宣教について再考するなら、これら三つをあらためて検証する必要があるのではないだろうか。

(後藤牧人著『日本宣教論』はじめにより)

ご注文は、全国のキリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

◇

後藤牧人

後藤牧人

(ごとう・まきと)

1933年、東京生まれ。井深記念塾ユーアイチャペル説教者を経て、町田ゴスペル・チャペル牧師。日本キリスト神学校卒、青山学院大学・神学修士(旧約学)、米フィラデルフィア・ウェストミンスター神学校ThM(新約学)。町田聖書キリスト教会牧師、アジアキリスト教コミュニケーション大学院(シンガポール)教授、聖光学院高等学校校長(福島県、キリスト教主義私立高校)などを経て現職。

■ 【後藤牧人著書】(Amazon)
■ 【後藤牧人著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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