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神声人語

神声人語―御言葉は異文化を超えて―(2)所かわれば品かわる・その1 浜島敏

2016年9月3日06時53分 コラムニスト : 浜島敏
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第1章 所かわれば品かわる
その1

「『神がわれわれの罪を贖(あがな)い給うた』というのは、どういうふうに言えばいいのかね、君たちバンバラの諸君に理解してもらうには、え?」。その宣教師は真剣そのものです。聖書の言葉の中心をなすと言っていい、あの「贖い」という語の意味をバンバラ語で何と表現したらいいものか、西アフリカの現地の翻訳助手から聞き出そうと一生懸命です。ところが、その答えがふるっていました。

「なんでもありませんよ。『神様が首をはずしてくださった』と言えばいいんです」

「それでみんなに分かるのかね」

「ええ、分かりますとも。それ、いつか申し上げたじゃありませんか。アラビア人が大陸内部でやった奴隷狩りは、私たちの父祖の記憶に生々しく生きて残っているんです」と言って、このバンバラ男が説明したところによると、長い長い奴隷の列が海岸へ向かって砂漠を歩いていました。男も女もピシリ、ピシリと鞭で打たれては重い足をひきずっていきます。首には重い鉄の環をはめられていて、それに通した鎖で一人一人数珠(じゅず)つなぎになっています。

ところが、このあわれな奴隷の行列が村にさしかかると、その地方の首領や王様が、その中に自分の友達がいるのを見て、身受けしてやりたいと思うことがあります。そのためには王様は、アラビア人にふさわしい金や銀や銅、象牙を払えばいいのです。友人を贖うのに、彼は文字通り「首を鉄の環からはずしてやる」わけです。

こんなわけで、今日バンバラの福音伝道者たちは、イエス・キリストにおける神の贖罪愛(しょくざいあい)を説くのに、村の夕べのたき火の周囲に集まった人々に説明して、「神はわれわれが罪や私欲の奴隷となり、サタンの鞭に追われているのをごらんになった。そこで、われわれが生きられるようにと、神はその独り子を死ぬようにお遣わしになったのだ。このようにして、神はわれわれを贖ってくださったのだ」と話します。

「それにまた」と、彼らの説明は続きます。「昔の身受けされた奴隷が、身受けしてくれた人に終身仕える義務を感じたように、われわれは進んでイエス・キリストに仕える身になりたいものです」と。

この「贖う」という意味を文字通り「首をはずす」と表現することは、奴隷という痛々しい経験から生まれたものですが、これが今日では、彼らを自由にすることのできる、唯一の神の真理を解き明かす語句となっているわけです。

すでに聖書、あるいはその一部は、1250カ国語(注1)に翻訳され、出版されています。聖書の全訳を持っているのは237カ国語に及び、その外に297カ国語の新約聖書があり、今日発行されている聖書は700カ国語(注2)に及んでいます。それでもこの世界には、まだ御言葉に全く触れていない言語や方言が少なくとも千ほどあります。もちろん、この千の言語を話している人たちは大種族や大民族というわけではありません。が、その人口を合計すると優に合衆国のそれに匹敵します。

この聖書を持たない千の種族の求めを満たし、聖書の一部分しか自国語で読めない人たちに御言葉を十分に伝えるために、聖書の翻訳や改訂に今日従事している宣教師の数は史上空前のものです。この聖書翻訳という仕事は一見、猛獣の生息する原野を旅したり、人跡未踏(じんせきみとう)のジャングルに挑むような華々しさはなく、またその話を聞いたこともない人々に説教するというスリルもなく、心や肉体の日ごとの糧を満たす仕事のように、報いられるところもないようです。

しかし、ある民族の言語という秘境に旅することによって、人はその民族の魂に触れ、真理を教える土台を据えることができるのです。この真理は聖書を通して神が人間に啓示するものの中に見いだされるものです。耳慣れない発音、奇妙な語、恣意的(しいてき)な意味を探るという縁の下の力持ちの役割を果たす宣教師は比較的少ないのですが、この道を歩いてきた人たちこそは素晴らしい話題の持ち主なのです。

(注1)「翻訳言語数」、聖書協会連盟(UBS)調べによると、2006年12月末現在で、全聖書429言語、新約、旧約聖書1144言語、分冊853言語、総計2426言語となっている。(1952年出版の本書初版では、部分訳を含め1034、聖書全訳191、新約聖書246、聖書650となっていた)

(注2)原注。700言語に含まれていないのは、3つのグループに分けられる。(1)死語。例えば、シリア語、ゴート語、マサチューセッツ語。(2)言語あるいは、文学の標本として翻訳されたもの。例えば、ナポレオン皇帝の甥ルイ・ルシアン・ボナパルトの後援によって、ヨーロッパのさまざまな方言に翻訳された「雅歌」。(3)翻訳が粗悪であったり、宣教活動が途切れてしまったために、ほとんど流布されなかったもの。

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*

【書籍紹介】
ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』
訳者:繁尾久・郡司利男 改訂増補者:浜島敏

ユージン・ナイダ著『神声人語―御言葉は異文化を超えて』

世界の人里離れた地域で聖書翻訳を行っている宣教師たちと一緒に仕事をすることになって、何百という言語に聖書を翻訳するという素晴らしい側面を学ぶまたとない機会に恵まれました。世界の70カ国を越える国々を訪れ、150語以上の言語についてのさまざまな問題点を教えられました。その間、私たち夫婦はこれらの感動的な仕事の技術的な面や、人の興味をそそるような事柄について、詳細なメモを取りました。

宣教師たちは、未知の言語の文字を作り、文法書や辞書を書き、それらの言語という道具を使って神の言葉のメッセージを伝えるのです。私たちは、この本を準備するに当たって、これらの宣教師の戦略の扉を開くことで、私たちが受けたわくわくするような霊的な恵みを他の人たちにもお分かちしたいという願いを持ちました。本書に上げられているたくさんの資料を提供してくださった多くの宣教師の皆さんに心から感謝いたします。これらの方々は、一緒に仕事をしておられる同労者を除いてはほとんど知られることはないでしょう。また、それらの言語で神の言葉を備え、有効な伝道活動の基礎を作ったことにより、その土地に住む人々に素晴らしい宝を与えられたことになります。その人たちは、彼らの尊い仕事を決して忘れることはないでしょう。

本書は説教やレッスンのための教材として役立つ資料を豊富に備えていますが、その目的で牧師や日曜学校教師だけのために書かれたものではありません。クリスチャン生活のこれまで知らなかった領域を知りたいと思っておられる一般クリスチャンへの入門書ともなっています。読者の便宜に資するために3種類の索引をつけました。①聖句索引、本書に引用されている聖書箇所を聖書の順に並べました、②言語索引、これらのほとんど知られていない言語の地理上の説明も加えました、③総索引、題目と聖書の表現のリストを上げました。

ユージン・ナイダ

◇

浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

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※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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