映画「祈りのちから」公開初日 久米小百合さん×山下弘子さん「祈り」をテーマにトークイベント

2016年7月10日22時51分 記者 : 新庄れい麻 印刷
+映画「祈りの力」公開初日 久米小百合さん×山下弘子さんが「祈り」をテーマにトークイベント
映画「祈りのちから(原題:War Room)」の公開記念イベントに出演した山下弘子さんと久米小百合さん=9日、ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)で

日本映画史上、初の快挙であるキリスト教映画3作品の連続公開。その最後を飾る第3弾の映画「祈りのちから(原題:War Room)」の上映が9日、全国の劇場でスタートした。公開初日を迎えたヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)では、大勢の人で賑わいを見せる中、公開を記念して音楽宣教師の久米小百合さん、『雨上がりに咲く向日葵のように~「余命半年」宣告の先を生きるということ~』などを著書に持つ山下弘子さんを招いてのトークイベントが行われた。

ゴスペルチャーチ東京の波多康牧師が司会を務め、クリスチャンアーティストであると同時に妻であり母でもある久米さん、19歳で発症して以来、現在もがんとの戦いの中にある山下さんがそれぞれの立場から「祈りとは何か」について話した。

波多牧師から「祈ること、祈られること」についてどのような思いがあるかと尋ねられた山下さんは、「私はまだクリスチャンじゃないのですが」と前置きした上で、「祈りとは、自分自身と向き合うこと、心を整理することだと受け止めている」と答えた。

山下さんが祈りと出会ったのはミッションスクールの高校に入学したことがきっかけだった。だが、本当にその大切さを知ったのは、高校を卒業してがんを発症し、2回目の入院の最中に病室を訪れた高校時代のクリスチャンの友人が、自分のために祈ってくれたときだったという。

「祈るようになったことで、自分の心のうやむやな気持ちを言葉に出し、怒りに変わってしまう部分を整理できるようになった」。また、波多牧師との出会いを通して、聖書の御言葉から「がんという敵をも愛しなさい」と語られたことで、「24時間自分を迫害してくるガンに怒りながら過ごすのか、それとも、感謝することを教えてくれた存在と受け止めて過ごすのか。命の質が全く違ってくると思った」とし、「敵をも愛せるように祈りながら生きるようになった」と話した。

波多牧師はそのような山下さんの姿を見て「祈ること、祈られることで、困難に果敢に攻めていき、生きることを選びとれるようになったことは、この映画のテーマと非常に重なってくる」と本作の内容に触れ、本作の主人公が夫婦関係に悩む1人の女性であることから、主婦として母親としてどのような感想を持ったか、久米さんに話を振った。

映画「祈りの力」公開初日 久米小百合さん×山下弘子さんが「祈り」をテーマにトークイベント
(写真左から)司会を務めたゴスペルチャーチ東京の波多康牧師と山下弘子さん、久米小百合さん

久米さんは、本作の原題がなぜ「War Room」なのかと不思議に思っていたが、鑑賞後に「そういう意味だったのか」と納得がいったそうで、「夫が他の素敵な女性に目を向けてしまいそうという夫婦関係の危機において、こんなふうに祈るんだと教えられた」という。

「Oh,happy day」という有名なゴスペルナンバーに「He taught me how to match fight and pray(神は私に、どのように人生を戦い、祈るかを教えてくれた)」という歌詞があることも、波多牧師とのやりとりの中で触れられ、ネタバレのない範囲で、祈ることによって夫婦関係の問題に立ち向かっていく主人公の戦いのストーリーであることが明かされた。

また、祈りについて「教会によっては祈祷文などもあるが『今日はこんなことがあった』『困ったから助けて』と神様にメールする感覚」と子どもたちに教えてきたという久米さん。だが、無邪気な子どもたちの祈りの中には「嫌いな友達をやっつけてほしい」など、とてもそのまま聞いてあげることのできないとんでもない願いも多く、自身が親になって初めて祈りの答えが「ノー」「少し待ちなさい」という場合があることを、やっと理解できるようになったと話した。

祈りが聞かれないことへの葛藤は、多くの人が共感するところだ。がんとの戦いのただ中にある山下さんも「祈っても無駄じゃないの?」と聞かれることが多いという。しかし山下さんは、「確かに全ての願いがかなうとしたら、世界は素晴らしい場所になっているかもしれないが、逆にとてつもなくひどい世界になっているかもしれない」と考え、「『ガンがなくなれ』と祈ることよりも、今あることに『感謝します』と祈ることが多い」のだという。

クリスチャン映画3部作の第2弾「天国からの奇跡」を鑑賞した山下さんは、「どんなに絶望しても、なくてはならないものが1つだけあるとしたら、それは『希望』だと素直に感じた」と言い、「希望がなかったら自分は今ここにいないし、自分が絶望にさいなまれて祈れないときにも、多くの人が祈ってくれることで、希望が希望へとつなげられてきた」と話した。

がんになってもうすぐ4年だという山下さん。治療法がないと言われ、何度も死の淵にまで行き、今年4月には「覚悟してください」と医師に言われた。だが、必死の祈りによって、なんとガンが20パーセントにまで減るという奇跡を体験した山下さん。10日前にも手術したばかりの体で大阪から劇場に駆けつけ「私は希望を持って戦い続けます」と力強く宣言すると、劇場全体から温かい大きな拍手が起こった。

最後に波多牧師は、「平和は、身の回りの人々に感謝を述べるという小さな積み重ねから始まる。マイナスと思えることに誠意と善意、誠実をもって尽くしていくことが大切である。そして、どんな小さな祈りも、神は聞いておられる。祈りの答えはさまざまであっても、あなたはどんなときにも孤独じゃないことを教えてくれる本作。期待をもってご鑑賞ください」と呼び掛けた。

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