Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化

心優しさ故に教会から孤立してしまう現代の善きサマリア人の物語 「孤独のススメ」

2016年6月16日19時57分 記者 : 土門稔
  • ツイート
印刷
心優しさゆえに教会から孤立してしまう現代の善きサマリア人の物語 「孤独のススメ」+
「孤独のススメ」4月9日(土)、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー © 2013, The Netherlands. Column Film B.V. All rights reserved.

個人的には「最高の花婿」を超えて今年一番の名作だ。そして、教会に居場所がないと感じている人、人間関係に悩んでいる人、そんな人にこそぜひ見てほしいと思わされた。

主人公は、オランダの農村で暮らす初老の男フレッド。妻を亡くし、息子も今はいない。毎週日曜日に教会の礼拝に行くのと、家でバッハのマタイ受難曲を聴くのだけが唯一の楽しみの孤独な男だ。

そこにある日、ちょっと奇妙な男テオが迷い混んできて、共に暮らし始める。中年と初老の二人のおじさんの“二人暮らし”が始まる。そして、全ての生活が少しずつ変わっていく・・・。

予告編を見たときは“優しい”「テオレマ」(ピエル・パオロ・パゾリーニ監督)のような映画なのかと思っていた。ちなみにテオは「テオドール」、ギリシャ語の原義は「テオドロス=神の贈り物」を意味する。(英語ではセオドア、ロシア語ではフョードル)。

その予想は半分当たっていたが、中盤からは大きく裏切られる。とても良い意味で。予想外の展開で話が転がり、なんといっても怒涛(どとう)のラストが素晴らしい! そして全編を通して「バッハメドレー」と言いたくなるほど教会でよく耳にするクラシックの名曲がふんだんに効果的に使われているのもまたうれしい。

主人公のフレッドは、とても真面目で厳格な善きキリスト教徒だ。食事の前にはきちんとお祈りをし、日曜日の教会の礼拝にも遅れることなく出席する。普段はお酒も飲まない。テオのためにとスーパーに買い出しに行き、久しぶりにお酒を買うときも、買い物かごの底にこっそりと紛れ込ませる(真面目なのだ)。

そして、真面目な分、ちょっと頑固で融通が利かない。この一見よくありそうな初老の男性の役柄を、俳優のトン・カスがとても見事に新鮮に演じている。迷い込んできたテオは、自分の名前と年齢を言えず、会話をすることもできない。でもなんだかコミカルで憎めない。そして、ヒツジやニワトリやサルや動物の鳴きまねがとてもうまいのだ。

そこで二人は、近所の子どもたちの誕生パーティーのための“芸人コンビ”となるのだ! ところが、近所の人や教会の真面目な信徒仲間たちは、男二人の生活をあやしむようになる。そしてついには、家の壁に「ソドムとゴモラ!」と落書きされるはめになる。

心優しさゆえに教会から孤立してしまう現代の善きサマリア人の物語 「孤独のススメ」
「孤独のススメ」4月9日(土)、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー © 2013, The Netherlands. Column Film B.V. All rights reserved.

一見優しい映画だが、実はこの映画がキリスト教における同性愛への偏見を真正面から取り上げていることに気付くだろう。そして、この映画全体のモチーフが、新約聖書の善きサマリア人の例えの物語だということにも気付くはずだ。

フレッドは善きサマリア人であろうとし、実際にそう行動するが故に、逆に教会の中で非難され、孤立していくというのがとても皮肉で悲しい。

彼が通う日曜日の教会の礼拝シーンでは、私たちも聞き慣れた賛美歌がオランダ語で歌われ、牧師の口からはマタイ25章の有名な箇所が読まれる。

「『お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである』」(マタイ25:35~40)

しかし、それを実践しているが故に、フレッドは教会から孤立してしまう。それは、実際に私も教会の現場で何度も目にし、耳にしてきたことであり、他人事には思えない。

でも二人は、それでめげたりはしない。映画の中盤から終盤にかけては、本当に怒涛のような勢いで話が展開していく。そして、ラストの5分間が本当に素晴らしい。まさかこんな壮大な盛り上がりで終わるとは!(ちょっとネタバレすると、マッターホルンとマタイ受難曲と、シャリー・バッシーの懐かしの名曲『This is My life』の見事な三位一体なのだ!)

エンドロールを見て思わず暗い劇場の中で涙がちょちょ切れながら、これは今年最高の傑作だと思わせられたのだった。残念ながら私が見た時期が遅く、劇場での公開も残りわずかとなってしまっている。でも劇場で、あるいはDVDになったらぜひ見ていただきたい。

心優しさ故に、繊細さ故に、教会に居場所がないと感じている人、教会の人間関係に悩んでいる人、そんな人にこの映画は、優しい、そして力強い励ましになるだろう。

■ 映画「孤独のススメ」予告編

  • ツイート

関連記事

  • 「パッション」続編製作へ 監督にメル・ギブソン

  • アイヒマン裁判とハンナ・アーレントが投げ掛けた「人間の悪」をめぐる問い 「アイヒマン・ショー」

  • 【映画レビュー】「復活」―もう一度、復活のイエス・キリストに出会う

  • 冤罪で失われた48年の時を経て、人間を取り戻す「袴田巌 夢の間の世の中」

  • 自慢の4人娘の婿はアラブ人、ユダヤ人、中国人とそして・・・異文化衝突の上質コメディー「最高の花婿」

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.