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自慢の4人娘の婿はアラブ人、ユダヤ人、中国人とそして・・・異文化衝突の上質コメディー「最高の花婿」

2016年5月17日19時20分 記者 : 土門稔
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自慢の4人娘の婿はアラブ人、ユダヤ人、中国人とそして・・・異文化衝突の上質コメディー「最高の花婿」+
「最高の花婿」(2016年3月19日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開) © 2013 LES FILMS DU 24 – TF1 DROITS AUDIOVISUELS – TF1 FILMS PRODUCTION

とにかく笑えて楽しいコメディー、間違いなく今年一番のお薦め作品だ。映画館内に2時間、観客の笑い声が途切れない映画体験は久しぶりのことだった(もちろん私もその1人だったのだけれども[笑])。それでいて現代世界の縮図がたっぷり詰まっている。

2014年に公開され、フランスでは1300万人を動員し年間興行1位、さらにフランス映画歴代6位にもランクインしたという。フランス語の原題は「Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu?(私たちは神様に何をしたというの?)」。

フランスの田舎ロワールに住むちょっと保守的なカトリックの夫婦には4人の娘がいる。お年頃の娘たちはめでたく1年おきに結婚が続くのだが、その夫はアラブ人、ユダヤ人、中国人・・・。

カルチャーや宗教のギャップに疲れ果てた父と母は、せめて末娘だけはカトリック信徒と教会で結婚式を挙げてほしいと期待を寄せる。四女が選んだのは望み通りのまじめなカトリック男性!なのだが、コートジボワール出身の黒人男性でおまけに花婿の父は超ガンコ、大の白人嫌いで結婚には大反対! 結婚式を迎え、一家はてんやわんやの大騒動に巻き込まれる・・・。

テーマは、国際結婚をめぐる異文化衝突なのだが、過激なジョークと脚本が、めちゃくちゃ練られていてすごい。

映画のオープニングは、次女とユダヤ人の夫の間に生まれた子どもが、ユダヤ教のシナゴーグで割礼を受けるシーンから始まる。割礼が終わると初孫の包皮(要するにおちんちんの皮である)が、父と母に渡される。ユダヤ教では、割礼は人生で最初の神聖な儀式であり、祖父母はそれを大事に庭に埋めて孫の健康を願う風習があるという。

日本の「へその緒」や「子どもの最初に抜けた歯を屋根裏に投げる」みたいな感覚らしい。しかし、生粋のフランス人でカトリックの父は勝手が分からず、穴を掘りながら地面に落としてしまう。そこに飼い犬が駆け寄ってきてモフモフと食べてしまう。焦った父は果たして・・・。

家族そろっての食事では、三女の中国人の夫が腕をふるって四川料理を作る。アラブ人の長女の夫、ユダヤ人の次女の夫に気を使って豚肉ではなくダチョウ肉を使ったりと和やかに進むが、父の失言から、急に険悪なムードに・・・。

「このジャッキーチェンとアラファトが!」と言えば、「ブルースリーとシャイロック(シェイクスピアの『ヴェニスの商人』に出てくるユダヤ人の強欲な商人)め!」。花婿たちの口げんかもグローバルなのだ。

でもクリスマスに集まった父の書斎で3人の婿が、「ラ・マルセイエーズ」を歌うと、保守的でド・ゴール主義者を自称している父も思わず感激して敬礼する!

そしてラストのひたすら続くシーンには、やはり胸を打たれる。

ちょっとくどいかなと思うほど(笑)それぞれの国民性や文化性、宗教性が盛り込まれたセンスのいいセリフでぐいぐい進む物語はとにかくユーモラスで、脚本が本当によくできていると感心する。

四女の夫が熱心なカトリック信徒でアフリカ出身というところも、キリスト教がカトリックもプロテスタントも世界的な人口比からはもはや欧米の白人の宗教ではなく、アフリカ、南米、アジアの第三世界の宗教だ、という事実もしっかり盛り込まれている。

監督のフィリップ・ドゥ・ショーヴロンはこの映画をつくった背景として、フランスでは、民族や人種、宗教が異なった人同士の結婚は20パーセント近くにも上り世界一多いということを挙げ(ほかのヨーロッパ諸国では約3パーセント)、こんなことを語っている。

「本作を制作したのは3年前(2013年)だけど、フランス社会ではすでにいろいろな問題を抱えていた。差別主義の問題、コミュニティーの問題、暴力の問題。これはすでに存在していた。同時テロ事件が起こった後、フランスそのものが変化した。事件は、言葉にできないほどひどいものだった。そのつらい体験を通して、フランス国民はポジティブに一丸となった、連帯したと感じている」

そして、こう続けている。「コメディーはなにかとても深刻なことや問題を、軽いタッチに変えて表現することができる素晴らしい仲介者だと思うんだ。(中略)こんなトンデモなく問題だらけの世界に生きているんだから、なおさらね」

その言葉からは、「自由・平等・博愛」のフランス精神と、フランス映画の底力を感じる。

ちなみにカトリック、アラブ、ユダヤ、中国、アフリカと出てくるこの映画には、米国人は登場しない。わずかに関係しているといえば、母が教会で告解する最中に、神父が告解室の中でこっそりゴージャスな祭服を買うためにネットショッピングに使っているアイパッドと、家族が使うアイフォンだけ。この辺はアメリカの覇権主義への皮肉が感じられる(笑)

そして、おそらく少し前までなら確実に茶化されながらも登場した日本人も、日本車も電化製品も何一つ登場しない。日本がガラパゴス化し、国際的な影響力は本当に小さくなったんだなあと、そこら辺りがこのひたすら楽しい映画を見ながら、やはり少し寂しく感じたのだった・・・。そして日本で、「異文化衝突」をテーマにこんな上質なコメディーがつくられる時代は、果たしていつ来るのかなあと考えてしまったのだった。

ともあれ、今上質で辛辣(しんらつ)でひたすら楽しいこの映画。やっぱり今年一番の無条件のお薦めなのだ。

■ 映画「最高の花婿」予告編

■ 映画「最高の花婿」公式サイト

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