Skip to main content
2025年11月5日16時29分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
わが人生と味の道

わが人生と味の道(29)インドネシアで、茄子を栽培する 荘明義

2016年4月21日11時04分 コラムニスト : 荘明義
  • ツイート
印刷
関連タグ:荘明義

インドネシアで、茄子を栽培する

こうして、幾たびか試練をくぐり抜け、絶望するたびに神の御手に捕らえられ、新しい道を示されてきた私は、家族の救いをこの目で見ることができ、息子と娘は祝福のうちに成人して、それぞれの道を歩み始めました。

その後、私の事業も恵まれ、順調に発展していきました。大龍での冷凍食品の開発や、幾つかの店の顧問、料理学校の講師やテレビ出演も相変わらず続いていました。この頃になると、私のことを「味の開発人」と密かに呼ぶ人もいて、自分自身ライフワークとしての「味の開発」にそれこそ心血を注ぐ毎日でした。

料理の味を極めるために――少しでもおいしい料理を一般の人に味わってもらうためにはどうしたらいいのか? 調味料をどう使ったらいい味が出るのか?――毎日、頭は味の研究でいっぱいでした。

1992年。私が48歳の時でした。当時は、冷凍食品の中でも茄子(ナス)を使った食材がよく売れ、とても人気がありました。中でもわが社で作った「麻婆茄子(マーボーナス)」はとても好評だったのです。それで、私は茄子を大量に仕入れたいと考えました。

面白いことに、茄子というものは、夏場はとても安く手に入るのですが、夏場を過ぎるととても高価なものになってしまいます。人気があって売れる食材が、必ずしも夏に売れるとは限らないのです。一年中「麻婆茄子」が売れるようにするためには、一年中安い茄子を仕入れなくてはなりません。

そこで、私たちは考え抜いた末、次のようなプロジェクトを立ち上げました。私たちの会社に出入りしている会社と共同開発で、インドネシアに茄子の種を持って行き、そこで栽培し、作った茄子を現地の工場でカットしてフライにし、それを冷凍して日本に持ってくる――というものです。

私たちは、何もないところからインドネシアに旅をし、現地のスタッフと一緒に種をまき、実がなるのを待ち、茄子がなった時点で工場に購入し、選別し、カットし、それから温度を決め、鍋の大きさ、一度に揚げる量などを決めてから、現地スタッフと一緒に茄子を揚げました。こうして、日本で茄子が一番高い時期に、インドネシアで作った茄子がコンテナで日本に運ばれたのです。

この時、私たちは慣れていないためにいろいろと失敗をしました。まず茄子を植えるときに――農家の人たちは分かるでしょうが――茄子というのは風に揺れるために木と木の間の間隔があまり狭いと茄子同士がこすれ合い、傷んでしまうのです。

インドネシアの人はたくさん作ろうとして木と木の間の間隔を狭くして植えたのです。そのため、茄子は傷んでしまって使いものになりませんでした。それが分かってからは、木と木の間を広くあけるようにして、素晴らしい茄子を作ることができました。しかし、これができるようになるまでには少し時間がかかりました。

次の失敗も忘れることができないものでした。こうしてやっと茄子を揚げて冷却、冷凍して日本に運ぶことになったのですが、待ちに待った茄子がやっと港に着き、コンテナを下ろして検品しようとしたときでした。何かワインのような香りがコンテナから漏れてきたではありませんか。

「これは茄子のコンテナですか?それともワインのコンテナですか?」。そう言って、私たちはコンテナを開き、びっくりしました。冷凍で送ってくるはずの茄子が、現地の会社の事務員の手違いでマイナス20度という伝票の所にプラス20度と記入されていたのです。それで冷凍で来るはずの茄子が温められ、発酵してワインのような香りを出したのでした。

もちろん、コンテナの茄子は全て使いものになりませんでした。私たちは日本で茄子の注文を出していなかったので、インドネシアから来た茄子がだめになったことでとても落胆しました。すると、インドネシアの会社の社長は大急ぎでもう10トン追加させ、日程が間に合わないというので飛行機で送るよう手配してくれました。

その飛行機は直接日本に来るのではなく、一つの国を経由して日本に来ることになりました。ところが、一つの国を経由することは、時間がたちすぎるので冷凍として認められないということで、残念ながらその茄子も使うことができませんでした。

こうして、段取りもせず、注文もせず、一番茄子の値段が高いときに、私たちは必要以上の経費をかけて、日本で茄子を調達せざるを得ないことになったのでした。本当に「失敗だらけの茄子作り」でしたが、今では懐かしい思い出となっています。

<<前回へ     次回へ>>

◇

荘明義

荘明義

(そう・あきよし)

1944年中国・貴州省生まれ。4歳のときに来日、14歳で中華料理の世界に入り、四川料理の大家である故・陳建民氏に師事、その3番弟子。田村町四川飯店で修行、16歳で六本木四川飯店副料理長、17歳で横浜・重慶飯店の料理長となる。33歳で大龍門の総料理長となり、中華冷凍食品の開発に従事、35歳の時に(有)荘味道開発研究所設立、39歳で中華冷凍食品メーカー(株)大龍専務取締役、その後68歳で商品開発と味作りのコンサルタント、他に料理学校の講師、テレビや雑誌などのメディアに登場して中華料理の普及に努めてきた。神奈川・横浜華僑基督教会長老。著書に『わが人生と味の道』(イーグレープ)。

■ 横浜華僑キリスト教会ホームページ
■ 【荘明義著書】(Amazon)
■ 【荘明義著書】(イーグレープ)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:荘明義
  • ツイート

関連記事

  • わが人生と味の道(28)娘の自立 荘明義

  • わが人生と味の道(27)息子の留学 荘明義

  • わが人生と味の道(26)酒と縁が切れた日 荘明義

  • わが人生と味の道(25)40日間の禁酒 荘明義

  • わが人生と味の道(24)全ては、愛から始まる 荘明義

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 新総主事が就任、国際理事会が新体制に WEA第14回総会「ソウル宣言」採択し閉幕

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(251)聖書と考える「良いこと悪いこと」

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • ワールドミッションレポート(11月5日):西サハラ 砂漠の民に福音を

  • 聖書が教える「行いによる義」 菅野直基

  • 主につながり主に求めよう 万代栄嗣

  • 花嫁(36)薄明かりの祈り 星野ひかり

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 新総主事が就任、国際理事会が新体制に WEA第14回総会「ソウル宣言」採択し閉幕

  • 聖書が教える「行いによる義」 菅野直基

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • カンタベリー大聖堂の「落書き」プロジェクトに批判の声

  • 「電波宣教師」の尾崎一夫氏死去、短波ラジオ・HCJB日本語放送に60年以上従事

  • 聖書アプリ「ユーバージョン」が間もなく10億インストール 11月に「聖書月間」開催

  • 【書評】加藤喜之著『福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会』

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(234)神様の思い(計画)が分からないのはありがたい 広田信也

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 新総主事が就任、国際理事会が新体制に WEA第14回総会「ソウル宣言」採択し閉幕

  • 聖書が教える「行いによる義」 菅野直基

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.